精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

症例報告 | 275-280頁
徳満 敬大,他
症例は31歳の女性.神経性無食欲症の診断で外来加療を継続していたが,経過中に自己誘発嘔吐を契機とした特発性縦隔気腫を繰り返した.致死的疾患である特発性食道破裂が鑑別に挙げられた.特発性縦隔気腫の再発は極めて稀であるが,自己誘発嘔吐を行う摂食障害患者については,本疾患の再発リスクが高まると推定されるため,注意すべき身体合併症として報告した.
DSM-5の食行動障害および摂食障害群にあるbinge-eating disorderの日本語訳として「過食性障害/むちゃ食い症」のように、「過食性障害」に「むちゃ食い症」を併記、binge-eatingの日本語訳として「過食/むちゃ食い」のように,「過食」に「むちゃ食い」を併記することを提案する.
特集 | 287-325頁
山内 俊雄,森村 安史,武田 雅俊,松田 ひろし
本特集では,「精神科専門医制度の構築に向けて」というテーマのもと,「精神科専門医制度の施行状況と新しい専門医制度について」,「新たな専門医制度における研修施設の備えるべき要件」,「日本専門医機構のもとでの精神科専門医制度の概要」,「資格更新について」について論じる.
特集 | 326-350頁
天保 英明,小島 卓也,根本 隆洋,平島 奈津子
本特集では,「精神科専門医に求められる資質について」というテーマのもと,「精神科専門医研修で研修すべきこと」,「新精神科専門医制カリキュラム―各年次で,何を研修し,評価すべきか―」,「新たな精神科専門医制度と認定試験」,「精神科専門医であり続けるということ」について論じる.
JPWは精神科臨床に欠かすことのできない精神分析療法,森田療法,認知療法・認知行動療法などについて討議し学ぶ機会として年来夢想してきたものである.JPW 2015「和と洋の邂逅」は神戸で1週間の間隔をあけ2夜にわたって開催された.JPWが恒常的になれば,精神科医のアイデンティティをいっそう豊かにする機会が増えることになるだろう.
2014年12月,「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が策定された.日本精神神経学会会員は,1997年に学会が策定した「臨床研究における倫理綱領」を参考にしつつ,本指針など法令・指針を遵守して精神医学研究を実施しなければならない.本稿は,精神医学研究を実施するにあたって,精神科医師,研究者が特に知っておくべき事項を取り上げ,検討を行った.

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