精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

26歳男性が祖母の死,東日本大震災を契機に重度昏迷を示し,長期間の入院を要した.脳波異常も存在したが,抗てんかん薬の治療では昏迷は改善しなかった.その後,診断に難渋し,昏迷も遷延したが,全般性強直間代発作を契機に著明な回復を認めた.回復後の精査によって,カタトニアを伴う自閉スペクトラム症,軽度知的能力障害との診断に至った.
特集 | 133-158頁
渡邊 衡一郎,加藤 正樹,鈴木 雄太郎,古郡 規雄
本特集では,「抗うつ薬の適切な使用法をもう一度考えてみる」というテーマで,実臨床でよく遭遇する疑問・問題として「抗うつ薬・抗不安薬使用における多剤併用の問題点およびその整理の仕方」,「日本人うつ病患者における抗うつ薬の反応予測と使い分け」,「抗うつ薬による心電図QT 延長への対応」,「気をつけるべき抗うつ薬の薬物相互作用」について概説する.
平成25年「自動車運転等の禁止又は自動車運転等の注意」通知後の精神科医療現場における混乱は記憶に新しい.この注意に関しての向精神薬添付文書において,諸外国と比べわが国では厳しい制限を科す記載が多く,この問題への対策は欧州がはるかに進んでいた.

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