Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第126巻第3号

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特集 摂食障害を外来で効果的に治療する
児童・思春期における摂食障害の外来治療:効果的な治療とは?―地域医療機関および教育との連携を中心に―
作田 亮一, 北島 翼, 松島 奈穂, 井上 建, 大谷 良子
獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター
精神神経学雑誌 126: 218-224, 2024
https://doi.org/10.57369/pnj.24-035

 児童・思春期の摂食障害(Ch-EDs)は,文化的背景が異なっていても,世界的にみて患者数は増加し,低年齢化が進んでいる.さらに,COVID-19パンデミックは若年者の心身に影響を及ぼし,10歳代の摂食障害患者数は倍増している.Ch-EDsの多くは神経性やせ症摂食制限型(AN-R)であるが,やせ願望が明らかではない回避・制限性食物摂取症(ARFID)も少なくない.外来治療では神経性やせ症(AN)に加えてARFIDの治療方策も念頭におく必要がある.ANやARFIDの治療は外来治療が基本であるが,身体症状や随伴する精神症状によって入院治療が必要となる.Ch-EDs患者の増加に対し,小児科医療機関での受け入れ体制はまだ十分には整っておらず,外来・入院治療の判断も難しい.獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター(以下,当センター)で行った地域医療型コンサルテーションの試みを報告する.Ch-EDsの予後は,成人発症に比べ良いとされる.しかしながら,体重が維持されても,本人の食行動以外の家族を含めたサポートが大切となる.日常生活の維持が目標であり,特に小中高校生にとって,学校との連携が心身の健康維持に不可欠と考えられる.そこで,Ch-EDs外来治療における学校の役割について論じる.

索引用語:児童・思春期摂食障害, 地域医療コンサルテーション, 学校連携, 神経性やせ症(AN), 回避・制限性食物摂取症(ARFID)>
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