Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第9号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
教育講演
第110回日本精神神経学会学術総会
精神科医による職域メンタルヘルス活動―知っておきたい法務と対応の型―
田中 克俊
北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学
精神神経学雑誌 117: 788-795, 2015

 職域メンタルヘルス活動の基本的なルールは,労働安全衛生法や労働契約法といった法律や判例法理によって規定されている.そのため,職域で活動する際には精神科医もそれらに関する情報を得ておくことが望ましい.法律や判例法理が示す産業医や嘱託医の役割は,事業者の果たすべき安全配慮義務を専門的立場からサポートすることである.しかしながら最近の判例における安全配慮義務の要求水準は非専門家が対応できるレベルを遥かに超えており,メンタルヘルスの専門家である精神科医の積極的な関与が不可欠な状況となっている.安全配慮義務の本質は,企業のリスクマネジメントではなく,労働者の健康障害のリスクマネジメントであり,予防である.精神科医が職場の中に入ることで職域メンタルヘルス活動の意義は大きな拡がりをみせるはずである.

索引用語:メンタルヘルス, 職場, 安全配慮義務, 精神科医>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology