精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

原著 | 0527-0539頁
辻本 哲士,白川 教人,原田 豊,小野 善郎,福島 昇,井上 悟,熊谷 直樹,田中 治,畑 哲信,二宮 貴至,松本 晃明,太田 順一郎,野口 正行,林 みづ穂,増茂 尚志,新畑 敬子,小原 圭司,土山 幸之助,竹之内 直人
ひきこもり支援の現状を調査するために,全国保健所485ヵ所を対象にアンケートを行った(回答率72.8%).9割以上の保健所がひきこもり相談を行っており,半数が継続的に支援していた.ひきこもりに関する課題として,「医学的判断」「将来,経済不安」「家族への支援困難」「本人の行き場所のなさ」「中高年齢層のひきこもり増加」などが挙げられた.
特集 | 0540-0566頁
河邉 憲太郎,堀内 史枝,上野 修一,館農 勝,宋 龍平,牧野 和紀,藤原 雅樹,廣田 智也,大重 耕三,池田 伸,壺内 昌子,稲垣 正俊,中山 秀紀
本特集では,「インターネット依存の現状と課題」というテーマのもと,「青少年におけるインターネット依存の現状と関連する心理・社会的問題」,「インターネット依存の新しいかたち―スマートフォン依存(スマホ依存)―」,「自閉症スペクトラム障害に併存するインターネット依存症のスクリーニング,および介入の必要性」,「久里浜医療センターでのインターネット依存症治療」について論じる.
第114回日本精神神経学会学術総会 精神医療奨励賞受賞講演 | 0567-0573頁
徳永 雄一郎
不知火病院は1989年からうつ病専門病棟を開設した.治療では,メランコリー型うつ病の攻撃性に戸惑い対応を迫られた.時代の影響を受け変化したものは若年層で、自己愛性や自責感の低さと他罰性が特徴で,発達の偏りをもつうつ病が増加してきている.変化しなかったものは治療経過で、従来のうつ病と同様に,感情の処理が行われると内省や人格の発達が起こってくる.

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