精神神経学雑誌

116巻8号 掲載論文ハイライト

間歇型CO中毒症に対しHBOが有効であったとする報告は数多く存在するが、その治療効果を判定する方法や時期に関して、いまだ標準的方法は確立されていない。今回われわれは、3例の間歇型CO中毒症患者に対しHBOを施行しADLの大幅な改善を認め、その治療過程においてHBOの効果判定方法や評価時期に関する重要な知見を得たため、ここに報告する。
2012年8月、自殺総合対策大綱の新大綱が示され、2013年2月には国立精神・神経医療研究センター(自殺予防総合対策センター)が学会等との連携を発展させ「科学的根拠に基づく自殺予防総合対策推進コンソーシアム準備会」を設置した。本特集ではそれらに基づき「自殺対策における精神保健医療の役割」「自殺対策への精神医学関連学会の取り組み」「精神科臨床からみた自殺総合対策大綱」「自殺予防に関する国際連合/世界保健機関のポリシーと東アジア地域の現況」について論じる。
急激に変化する社会構造の中で、精神科主治医が職場と連携できる可能性と限界について考える。精神科主治医は疾病性への対応は可能であるが、具体的な職場介入には限界がある。精神科主治医が産業医を含めた産業保健スタッフの立場や判断基準は異なることを理解し、国の手引きや指針を理解して産業現場と連携することが重要となる。

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