Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文全文

第122巻第2号

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総説
心因性非てんかん性発作(PNES)再考―包括的なPNES診療の構築に向けて―
谷口 豪
東京大学医学附属病院精神神経科
精神神経学雑誌 122: 87-104, 2020

 心因性非てんかん性発作(PNES)は運動,感覚,認知などの領域で正常な機能が失われる,または自己コントロールがつかなくなるなどのさまざまなてんかん発作類似の症状が出現する.PNESはてんかん発作との鑑別という視点から発生した名称であり公式に定義された精神科診断名ではなく,通常の精神科診断では転換性障害あるいは解離性障害に診断されるものを中核としつつも多様な病態から構成される障害である.「心因性」という術語から想像するような,1つの心因にPNESの原因を帰結することは難しく,むしろbiopsychosocialな脆弱性やトラウマなどの多因子が複合的に影響しあってPNESは発症し慢性化すると考えられる.PNES患者には初発発作から診断確定までの長期間にわたって大量の抗てんかん薬治療や検査が繰り返し行われ,適切な精神科治療を受けないままQOLが低下する.診断確定後もさまざまな理由で精神科受診をせずにPNESが続く症例も少なくない.PNESの診断には発作症候学や脳波などの神経学的考察,治療には精神医学的考察がそれぞれ必要となる.過去にはPNESに特徴的と考えられていた発作兆候のいくつかは,必ずしもそうではないことが長時間ビデオ脳波記録の発達によりわかってきている.診断告知は治療の重要な要素であり,その後の治療や介入を行わなくともPNESが消失することがある.標準的な精神科治療や多職種連携による環境調整では,ストレスコーピングスキルの獲得,不快な感情の適切な表出,自己肯定感および活動性の向上などが目標となる.PNESに対する本格的な精神療法にはさまざまな手法が用いられるが,なかでも認知行動療法が注目を浴びており,有効性を証明する質の高い研究が存在する.診断から治療へのシームレスな連携が必要な,包括的PNES診療において精神科医は治療の中心的な役割を求められており,効果的な治療の実践のためにはPNESやてんかんに関する知識をアップデートし,自身のPNESに対する誤解や偏見を解消する必要がある.

索引用語:心因性非てんかん性発作, てんかん, 転換性障害, 病状説明, 包括的診療>

はじめに
 心因性非てんかん性発作(psychogenic nonepileptic seizures:PNES)は運動,感覚,認知などの領域で正常な機能が失われる,または自己コントロールがつかなくなるなどのさまざまな症状が発作性に出現する25).PNESはてんかん発作に類似した症状を示すが大脳神経細胞の過剰な興奮とは無関係であり(非てんかん性発作),他の身体的・生理的な病態もなく何らかの心理的背景が推測されること(心因性)より,この名称が使われている.
 19世紀のCharcot, J.-M.の時代よりその存在が知られていたPNESは,かつて「ヒステリー発作」や「偽発作」あるいは「疑似発作」などの名称が使用されることもあったが,「ヒステリー」という名称は大きな偏見が世間一般にいまだ流布していることや,「偽」「疑似」という言葉には医療者の否定的な価値判断が含まれていることなどを顧慮してこれらの名称は使用を控えるべき40)というのが現在の世界標準の認識になっている.
 PNESという名称には広義の精神療法的なアプローチが有用という治療論的な意味合いもあるという意見87)もある一方で,PNESの「psychogenic」に対して批判的な意見をもち,NES(non-epileptic seizures)を使用すべきという意見もある57).PNES初期段階では心因との関係が明らかでないことも多いが,それを理由としてさまざまな除外診断が延々と続けられ適切な治療が遅れることが懸念されるためである.その他には「seizure」はてんかん発作を想起させるとの理由からNEAD(non-epileptic attack disorder),ICD-10に記載されている解離性けいれん(dissociative convulsion)から引用したdissociative seizuresや,より正確に病態を表し患者にとって屈辱的でないとの理由でpsychological non-epileptic eventなどの名称が使われることがある57)
 このようにPNESはてんかん発作との鑑別という視点から発生した名称であり公式に定義された精神科診断名ではなく,通常の精神科診断では転換性障害あるいは解離性障害に診断されるものが中核となる41)86).しかし,知的障害を合併するPNESの場合は心理的葛藤よりも誤った行動パターン(ある種の疾病利得)で症状が出現することが多く,このような行動は支援者の反応によって強化され,無意識のうちに患者は周囲の状況をコントロールするともいわれている53).さらにパニック障害の診断基準をみたすPNES症例もいる85).このようにPNESは多様な病態から構成される障害であり,単なるてんかん発作類似の症状にとどまらず,背景となる心理社会的問題や診断と治療の分断といった医療構造的問題などPNES特有ともいえるさまざまな問題を抱えていることが多く,治療にあたってはこれらの問題に関しても知っておく必要がある.

I.疫学および臨床的概要
 てんかん専門外来を受診する患者の5~10%,長時間ビデオ脳波記録目的での入院患者の20~40%はPNESと診断されるといわれており6),てんかん診療の現場では日常的に遭遇する障害である.本邦での大規模な疫学的調査はないが,海外の研究によるとPNESの罹患数は人口10万人あたり3~5人と考えられている30)77).有病数は人口10万人あたり2~33人であり,多発性硬化症や三叉神経痛とほぼ同等と推測されており,決して稀な障害とはいえない19)
 PNESは小児76)から高齢者28)まであらゆる年齢で発症するが,思春期から若年成人期に最も好発する7)43)50).小児期発症のPNESの性差はなく,過運動タイプよりも無反応などの症状を示すことが多いといわれている76).18歳未満の思春期に発症したPNES群と18~55歳に発症したPNES群を比較した研究では,発作症状には差がなく,前者は虐待の既往,学業上の問題,てんかんの合併やてんかんの家族歴が多かったのに対して,後者には医学的に問題のある身体合併症が多いなど,発症にかかわる因子が異なっていた5).別の研究でも55歳以降発症のPNES群はそれ以前に発症したPNES群に比べて男性,重篤な身体的合併症の発症など健康関連のトラウマが多く,虐待の既往は少ないと報告している28)
 PNESの患者は女性が多いことが以前から知られている7).対象とする患者(知的障害やてんかんの合併を含むか否か,小児期発症や高齢期発症を含むか否か)や国や地域(アジア地域では低く,欧米では高い傾向にある)によって異なるが,21の研究のレビューでは男女比は1:2.94と,およそ75%のPNES患者は女性と試算している52)
 PNESとてんかんは合併することがある7)46).その割合は過去の研究では5~50%と大きな幅があるが,これはてんかんの合併をどのように定義しているかなどによって違うと考えられる.最近のメタアナリシスによるとPNESの22%にてんかんが,逆にてんかんの12%にPNESが合併するという46)
 PNES発症にかかわる因子としては,心的トラウマ(性的・身体的虐待),頭部外傷,身体的合併症(健康関連のトラウマ)などが挙げられる35).Beghi, M.らのレビューでは,心的トラウマはPNES患者の21~100%にかかわっていると報告されている17)
 心的トラウマのなかでも性的・身体的虐待の既往とPNESに関する研究は欧米を中心に精力的に行われており,PNES患者はてんかん患者に比べて性的虐待の既往(24%対7.1%),身体的虐待の既往(16%対3%)が有意に高く4),てんかんの合併のないPNES患者とてんかん患者を比較したところ,性的・身体的虐待の既往のオッズ比は3.35だったとの報告32)がある.
 PNES患者における性的虐待や身体的虐待の割合はそれぞれPNES患者の8~67%,16~67%などと報告による差が大きい7).これは,このような虐待などの外傷体験を評価することの困難さや地域や文化的な背景による違いなどが影響していると推測される.欧米に比べるとアジアではPNES患者における虐待の既往は少ないとの報告9)17)がある.蟹江は心的トラウマをPNES患者の38%に認めたと報告しているが,その詳細は記載されておらず虐待の頻度に関しては不明である45).Kanemoto, K.は性的虐待の既往は知的障害を伴うPNES患者には認めず,知的障害のないPNES患者の4%に認めたと報告44)しており,本邦におけるPNES患者の虐待の既往に関しては統一的な見解には至っていない.
 なお,虐待の既往がよく議論される欧米の研究においても,小児期発症のPNESは,青年期発症のPNESに比べて虐待の既往は少なく,いじめや学業上の問題など学校関係の悩み,両親の不仲や過保護といった家庭内の問題,不安や自信欠如といった本人の問題などの割合が大きいとの意見が多い64)
 知的障害を合併するPNES患者と合併のないPNES患者を比較した研究では,前者はてんかんの既往が多い,発作の持続時間が極端に長い,複数の抗てんかん薬で治療されている,性的虐待の既往は少なく,心理環境的なストレスが誘因となることが多いなどの特徴を有意に認めたという29).しかし,多くのPNES研究では,知的障害を合併している患者は研究対象から除外されており,知的障害を合併するPNESに関するエビデンスは限られているのが現状である82)
 PNESに対する過剰な検査や治療の問題点を指摘する研究も多数ある.
 PNES患者の27~78%は発作が30分以上持続する,「PNES重積状態」の既往がある67).このような場合,大量の抗てんかん薬の投与,全身麻酔,ICU入室,気管切開といった,本来は不必要な治療が行われてしまうことが起こりうる.PNESの患者はその他にもさまざまな理由で救急受診することが多い.頻回の救急受診は本人のみならず家族,ケア担当者,さらには医療システムにも大きな負担となりうる2).オーストラリアの研究では,繰り返される検査,ICU入室,救急受診などの医療費はPNES診断確立まで平均26,500豪ドル(約200万円)かかると報告されている73).別の研究では,1人あたりの医療コストがPNES診断前12ヵ月の合計は平均4,567米ドルだったが,診断後12ヵ月では平均2,783米ドルと減少したと報告している2).Martin, R. C.らの報告では,PNES診断後6ヵ月の合計の医療コストは診断前に比べて84%減少,検査が76%,薬物治療が69%,外来診療が80%,救急受診が97%減少すると報告している54).さらに最近の,PNES診断前と診断後6ヵ月の医療費を比較した研究においても,PNES診断後の救急受診は94%,入院は100%,救急電話連絡は94%,脳波検査は100%減少している63)
 このようにPNESをできるだけ早期に適切に診断することは患者本人のみならず医療経済的にもメリットが大きいことが証明されている.
 しかしながら,PNES診断確定後も精神科や臨床心理士などのメンタルヘルスの専門家を受診せずPNESが持続する患者も少なからずいる43).この問題の背景には,長年「難治性てんかん」として加療されていた本人・家族のPNES診断に対する反発や,積極的な治療の引き受け手の不足などがあると考えられる41)
 さらにPNESの診断確定後は身体科においては詐病のような扱いをされ,精神科医からは治療を敬遠される,積極的な治療の引き受け手のない領域“no man’s land”となる傾向がある41).そのため,診断が確定することで医療的なケアが受けにくくなるという逆説的な事態が起こりうる41)など,診断から治療へのシームレスな移行ができないことが問題となっている.

II.PNESの病態モデル
 PNESは単一の疾患ではなく,生物的,心理社会的にもヘテロな要因から発症・持続する障害であり,すべてのPNES患者の病態を説明できるような単一のPNES病因モデルは存在しない.しかし,PNESの診断・治療にはさまざまな診療科や多職種連携が必要であり,さらに患者にとっても理解しやすいような,共通言語となりうる大まかな病態モデルが必要である39)80).これまでに精神力動モデルや学習理論モデルなどさまざまなPNES病態モデルが唱えられてきた79)が,近年のPNES専門家のなかでは「①発症の基盤となる因子(predisposing factor),②発症のきっかけとなる因子(precipitating factor),③PNESを持続させる因子(perpetuating factor)がPNESの発症・慢性化には関与していて,それぞれの因子はさらに生物的要因,心理的要因,社会的要因が影響しあって規定される」というBPS-3Psモデル(biopsychosocialと,3つの因子の頭文字であるP)が支持されるようになっている(図126)39)48)49)69)70)
 Predisposing factorは,PNESの準備因子,素因となりうるものであり,てんかんや頭部外傷の既往,知的障害といった脆弱性,心的トラウマ,アレキシサイミア(失感情症),解離傾向などの心理的特性,幼少時の虐待の既往,劣悪な生育環境,いじめなどの社会環境的な問題が含まれる26)表1).
 Predisposing factorをもった個人に,precipitating factorが加わることでPNESは発症する(図1).Precipitating factorは必ずしも大きな負荷である必要はなく,「最後の藁」のようにそれ自体は些細な負荷であることが多い(「最後の藁1本がらくだの背を折る」という英語のことわざがある.軽い藁であってもらくだの背中に藁を積めるだけ積んでいった場合,遂には最後の1本の藁によってらくだの背骨が折れてしまう).抑うつや不安,心理的ストレスといった心理的問題や職場や家庭,学校などでのライフイベント,頭部外傷や開頭手術などの身体的侵襲が含まれる26)表1).なお,predisposing factorとprecipitating factorを厳密に区別することが困難なこともあるが,PNES発症から1年以上前の因子を前者,発症前1年以内の因子を後者と定義している研究が多い69)
 Perpetuating factorはPNES発症によって生じた,PNESを反復固定させる因子である(図1).PNESの患者は過剰な抗てんかん薬の治療によって身体機能が低下しており,さらには副作用に敏感になり,身体感覚に鋭敏となってさまざまな不定愁訴を訴えやすい26).前述のようにPNESの患者は頻回に救急受診をする一方で,救急の現場の切迫した場面や過剰な治療などでかえってPNES症状が増悪することがある.PNESの発症は患者を孤立させ抑うつを合併させ,このような内的な問題自体がPNESを引き起こしやすくする.さらに時にはいわゆる疾病利得を得ていることもある.これらの因子がperpetuating factorに含まれる(表1).
 このように多因子が複合的に影響しあってPNESを発症し慢性化すると考えられる.その生物学的基盤を解明すべく,さまざまな脳機能画像研究が近年積極的に行われており78),PNES患者においては①覚醒や感情,内受容感覚にかかわる領域(島皮質,前部帯状回,背外側前頭皮質,扁桃体など)や,②身体意識や知覚にかかわる領域(後部頭頂皮質など),③認知や運動,行動を制御する領域(側頭頭頂接合部,運動野,前部帯状回など)などの機能不全や各領域間のネットワークの異常があるなどの仮説が提唱されてきている61)
 しかし,これらの脳機能画像研究は抑うつ・不安や他の転換性障害といった精神神経症状を合併している症例が多いなど,必ずしもPNES特有の病態とはいえない点や症例数が少ないなどの限界60)があり,今後のさらなる知見の蓄積が望まれる.

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III.PNESの診断
 PNESの診断はてんかんを専門にしていない医師にとっても容易なものから,時にてんかん専門医においても鑑別に迷うものまで臨床症状が幅広く,成人PNESの場合は初発発作から診断確定まで平均7年,小児の場合は3年かかるといわれている65)
 てんかんの診断根拠が曖昧なまま,複数の抗てんかん薬の治療が年余にわたって続けられているにもかかわらず発作が抑制されずに頻回に救急受診している病歴や,発作症状がてんかん発作としては典型的でない場合などはPNESの可能性を考えるきっかけになる50)
 PNES診断のゴールドスタンダードは,長時間ビデオ脳波記録による発作の非てんかん性の確認である.記録された発作ビデオ脳波をてんかんの経験のある医師が解析することで診断確度はかなり高まる.2013年に国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy:ILAE)のPNES Task Forceより提案された診断確度水準50)でいうと,この場合はDocumented PNESになる(表2).長時間ビデオ脳波記録を施行していない場合,施行しても発作が記録できなかった場合は,PNES症状の目撃または動画による確認をする医師のてんかん診療経験によって,Clinically established,Probableとなる.経験のあるてんかん専門医は,動画の情報のみで,特に運動症状が主症状のPNESとてんかん発作を正確に鑑別することができることが明らかとなっている27)33).患者や家族の発作症状の証言は必ずしも正確でないこともわかっており75),可能な限り,発作症状を動画に撮影するよう家族や支援者に伝えておくのが重要である.
 医師が発作症状を目撃または動画による確認ができなかった場合はPossible PNESとなり,診断確度は一番低い.
 PNES診断は発作症候学と脳波の知識が必要であるが,今回は前者に話を絞って述べる.なお,PNES診断に関する発作症候学に関しては兼本の総説42)が詳しいので,基本的な考え方を身につける参考になる.
 発作症候学を学ぶうえで大事な点としては,PNESを診断あるいは否定できるような単一の徴候はないことを十分理解し,短絡的な診断は避けることである.さらにある種の発作がPNESであると確定診断がついたとしても同一個人における他のすべての発作がPNESであると即断することも避けるべきである41)

1.PNESとてんかん発作の鑑別のポイント(表3
 さまざまな臨床徴候がPNESとてんかん発作の鑑別に有用と考えられているが,そのなかでも発作中の首の横振り,非同期性の運動症状,発作中の閉眼,長時間の発作,発作症状の動揺,咬舌などの有用性が高い10)41)42)50).ただし,これらの臨床徴候といえども,その症状のみで直ちにPNESと診断するのは間違いであり,あくまでもPNESを疑う参考所見の1つとして扱うべきである41)42)50)
 けいれん性あるいは運動性の発作症状の際に頭を左右に横振りする動作はPNESである可能性が高い10)が,複雑部分発作の自動症でも観察されることがある.
 けいれん性の発作の場合,非同期性の運動症状(特に腕と足の位相のずれ)はPNESを疑う10)が,前頭葉てんかんの過運動発作の場合にも激しい運動症状が非同期性に出現することがある.前頭葉てんかんの場合,発作症状は常同的であり,短時間(5~45秒)で終わり,睡眠中に群発する傾向などの点でPNESと鑑別できる83).Brigo, F.らのシステマティックレビューによるとPNES患者の発作中の閉眼は感度58%,特異度90%,陽性尤度比は5.5,陰性尤度比は0.47であり,発作中の閉眼は有用性の高い徴候の1つと考えられる23)
 PNESは短い発作もあるがてんかん発作よりも長い傾向があり,時に極端に長い発作も起こる.Seneviratne, U.らによると,441人のPNES患者と341人のてんかん患者を比較した研究において,平均発作時間はPNESが148.7秒,てんかん発作が47.7秒であり,発作時間123.5秒を閾値とするとPNES診断の感度は65%,特異度は93%で,発作時間が5分を超える場合にPNESのオッズ比は24であった72).てんかん性のけいれん発作の場合は,「強直性」→「速い間代性」→「ゆっくりの間代性」のように規則的な起承転結があるのに対して,けいれん性のPNESのリズムは単調で変化がない,あるいはリズム変化が不規則ということが,表面筋電図やウェアラブル加速度計を使った測定で確認されている15)20)21).PNESの発作症状は途中で止まって,またしばらくして症状が再開するなどの,症状の動揺性があることなども特徴である84).けいれん性の発作症状の場合,発作後の咬舌を評価するのは,てんかん発作とPNESを鑑別するのに役立つ.PNESでも舌を咬むことがあるが,舌の先端部であることが多く,てんかん発作の場合は舌の外側を咬むことが多い.
 Brigoらのレビューでは舌外側の咬創は,てんかん発作において感度22%,特異度100%,陽性尤度比21,陰性尤度比0.79であった22).なお,発作で繰り返し舌の一側を咬む場合には同側のてんかん原生が示唆されることが知られている18)
 全般性強直間代発作のようなけいれん性発作があった場合には発作後の呼吸リズムも鑑別のポイントとなりうる.てんかん発作の場合はいびきを伴う呼吸のことが多く71),深くゆっくりとした呼吸を一定のリズムで行うのに対し,PNESの場合は浅く速い呼吸でリズムも変化することが多いなどの特徴がある11)

2.判断を誤るとPNESと誤診してしまうかもしれないサイン
 PNESに特異的とかつて考えられていた後弓反張は患者の約28%に認めたという報告38)がある程度であり,その診断的有用性を検証する報告が不足しており,現時点ではPNES診断には不十分なサインと考えられている50).解離様の精神症状で初発することもある抗NMDA受容体抗体脳炎において後弓反張が認められることもある13)16)ため注意が必要である.
 また発作に関連した受傷の有無でPNESとてんかん発作の鑑別が可能と考えられていたが,これを過剰に評価してしまうと誤診を招きかねない.Asadi-Pooya, A. A. らが行った前向き研究では211人のPNES患者のうち,およそ31%にあたる65人は発作に関連した何らかの受傷が観察された6).受傷の内訳としては咬舌が最も多く(13%),続いて顔面・頭部・四肢などの裂傷,打撲が多く観察され,なかには骨折や歯牙破損,熱傷などの重傷もあった6).さらにPNESに関連した受傷の有無で比較した場合,前者は診断確定まで平均7年,後者は平均4.8年と有意差を認め,発作に関連する受傷の有無を基準としたPNESとてんかん発作の鑑別の危険性に警鐘を鳴らしている6).PNESの診断確定に10年以上かかった症例と1年以内で診断がついた症例を比較した研究においても発作時の受傷のオッズ比は3.6であった12)
 かつて発作に関連した尿失禁はてんかん発作に特異的であり,PNESには観察されないと考えられていたが,発作に関連した尿失禁の頻度は低いもののPNES患者にも観察されることが明らかとなっており8)24)60),その存在の有無だけで鑑別するには不十分なサインと考えられている50)
 さらに,抗てんかん薬の反応がよかった時期の存在の有無でPNESとてんかん発作を鑑別するのも誤診を招きかねない.Alessi, R. らは,PNES患者において抗てんかん薬によってPNESが半分以下に減少した患者を47%に認め,11%の患者は発作消失を一定期間認めたと報告している3).さらに抗てんかん薬への反応の有無によって診断確定の期間を比較したところ,前者が平均10.6年,後者が5.6年と有意差を認めた.Oto, M.らは43%の患者は抗てんかん薬開始後に発作の改善を経験しており,プラセボ効果は他の疾患に比べて高いと報告し,その背景にはPNES患者の被暗示性の高さがあると考察している59)
 PNESの中核である転換性障害の患者は自分自身の症状の重篤さに比して無頓着な態度を示す(la belle indifférence)のが特徴という見解もかつてあったが,Stone, J.らのシステマティックレビューによると,la belle indifférenceは転換性障害の患者の29%で認めるが,器質的疾患の患者でも29%で認めており,診断的価値は乏しいと結論している74)

3.PNES診断における「心因」
 かつてPNESの中核をなす転換性障害の診断には「機能障害を説明できる神経学的異常の所見がないこと」と「症状の発生には心因が関係していること」が必要であった.その背景には安易に転換性障害と診断することへの警告の意味あいが含まれていた58).しかし,その結果多くの転換性障害の患者に対して精神科的治療が先延ばしとなり,過剰な検査が繰り返されるという事態に陥った.さらに,心因という診断基準は診断的に信頼性がないとの批判などもあり,DSM-5からは転換性障害の診断における「心因の存在」は診断基準より除外された58)
 これと同様に2013年にILAEのPNES Task Forceが発表したPNES診断に関する総説50)や,2009年の日本てんかん学会のPNES診断・治療ガイドライン41)においても,PNES診断における「心因の存在」の必要性に関しては述べられていない.むしろ後者においては「心因があるからという理由だけでPNESと診断してはならない」と安易な心因論を否定している.
 前述のように,PNESは多因子が複合的に影響しあって発症・慢性化するため,1つの心因に原因を帰結するのは難しい.さらに,自身の感情に気づきにくく,不安などに関連して起こる身体の変化を「外的な」発作と関連づけて考える傾向が強いなどのPNES患者自身の傾向もあり49),短い診察時間では心因が明らかにならないことも少なくない.
 つまり,心因の有無のみでPNES診断を肯定も否定もできないのである.

4.PNES診断における経過観察の重要性
 前述の通り,長時間ビデオ脳波記録はPNES診断のゴールドスタンダードである43)50)が,すべての症例に実施するのは現実的ではない.また,仮に長時間ビデオ脳波時に発作を記録しても,単純部分発作はそもそも頭皮上の脳波変化は乏しいため,意識減損のない発作症状の場合にはそれがPNESなのかてんかん発作なのかを脳波所見のみで鑑別するのは困難なことがある.それぞれの症例や医療機関の事情に応じてPNESが疑われた場合には後述のような治療的介入を始めるべきである.患者のなかには非典型的なてんかん発作を有している場合や非常に目をひくPNESの合間にてんかん発作が目立たない形で併存している場合もあるため41),治療的介入による変化を経過観察し,その都度診断を再検討するという姿勢が現実的である41)50)

表2画像拡大表3画像拡大

IV.PNESの治療
 著者の考える,本邦で実施可能と思われるPNES治療をフローチャートに基づいて説明する(図2).

1.ステップ1:診断告知(病状説明)
 PNES治療において診断告知はそれだけで治療の重要な要素であり,このステップのみでPNESが消失する患者もいれば救急受診がおさまる患者もいる30)55).一方で,このステップが不調に終わるとむしろPNESが増悪,あるいは「てんかん」の診断を求めて他の医療機関を受診するなどの反治療的な結果を招いてしまうことがある49)57).Reuber, M.らはPNESと診断後に一旦は中止した抗てんかん薬を,患者の40%が4年後には別の医療機関で処方され内服していると報告している66)
 患者と良好なコミュニケーションをとり診断受容を促し,精神科治療への橋渡しをするというこの重要なステップに関する具体的な説明の手順に関して検討した研究が複数ある49).これらの研究に共通する病状説明のポイント(表4)や前述のBPS-3Psモデルを参考にしつつ,診断根拠のレベルに基づきながら,患者それぞれの心理的動揺や理解力に配慮しながら前向きな態度で丁寧に説明することを心がける.てんかんを合併しているPNESの場合は,てんかん発作とPNESの区別について本人,家族や支援者に伝える.
 なお,この際に大事なのは診断告知の後も,たとえてんかん合併のないPNES患者でも一定期間はてんかん専門医の診察を継続することである.多くのてんかん専門医は,不必要な抗てんかん薬の漸減中止が完了するまでは自分たちの役割と考えているとの報告もあり,患者の精神科診療が安定するまでは併診が望ましい.
 PNES診断が比較的容易な患者や病歴の短い患者の場合は精神科医がこのステップを担うこともあるが,多くのPNES患者,特に長年「難治性てんかん」として加療されていたPNES患者の場合は,このステップはてんかん専門医が担うことになる.そのような場合には,病状説明の場にも精神科医が同席し,患者や家族の理解を促す役割を担うのが理想である.

2.ステップ2:標準的精神科治療および環境調整
 患者・家族の診断受容がある程度良好であるならばステップ2に進む.ステップ1でPNESが抑制された患者も治療継続がなければ長期的にはPNESが再発することがあるため,多くの患者はこのステップに進むことになる.前述のように,てんかん専門医との併診をスムーズにするためにもこのステップはてんかん専門医と同じ総合病院に勤務する精神科医が主力となるのがよいだろう(言うまでもないことであるが,すでにてんかん専門医と精神科医の連携体制が整っている場合はクリニックであろうと精神科病院であろうと問題はない).このステップは長期にわたって患者を支援するために大事な骨格となる治療の過程であり,その実践のためには精神医学的考察が必要となってくる.このステップにおける精神科医による実践的アプローチの詳細は別稿80)に記してあり,ここでは要点のみを述べる.
 多くのPNES患者は自ら進んで精神科を受診することは少ない.そのため,治療の初期には本人・家族の困りごとに関して積極的に問診しまずは治療関係の構築をめざす80)
 日本てんかん学会のガイドラインでは,知的障害のないPNESには精神療法,知的障害を合併しているPNESには環境調整がそれぞれの治療の主軸にあると述べている41)が,このステップではそのような患者背景に合わせて強弱をつけつつ,標準的な精神科治療と環境調整の両者をすべての患者に試みるべきである.
 言うまでもないが,標準的な精神科治療は精神医学的診察から始まる.PNESは抑うつや不安の合併が多く49),その他の転換性障害の既往や合併がある症例やパニック障害85)やPTSDの診断基準を満たす症例56)も少なからずいるため,これらの精神疾患の合併の評価は必要である49)
 PNESに合併した抑うつや不安はPNESにも悪影響を与えているため,症状が重篤な場合にはSSRIなどの薬物療法を施行し合併症が改善することでPNESも改善することがある.LaFrance, W. C. Jr.らはRCTを行い,sertralineを投与した群は45%の発作減少を認めたものの,プラセボ群(8%の発作増加)との統計学的有意差は検出されなかった47)
 精神療法はPNES治療の柱になるが,①PNESの起こり方や発作前の感情や身体感覚の変化への理解を深め,腹式呼吸などのコーピングで発作を回避する方法を身につけることや,②不安や怒りなどの不快な感情を適切に表現すること,③自己肯定感を高め活動性を上げていくことなどをそれぞれの患者のニーズに合わせて行っていくのがよいだろう57)
 PNES治療のもう1つの柱は環境調整であるが,perpetuating factorを標的とした支援を多職種連携チームで行うことから始める39)80).その際にはBPS-3Psモデルをカンファレンスなどで使用し患者の抱えている苦悩や問題について情報整理および情報共有を図るとよい.多職種連携チームアプローチは,孤立していて治療の初期段階で精神科治療から脱落する傾向の強いPNES患者14)にとっては複数の支援者の存在自体が治療的であり,治療アドヒアランスの維持につながる.さらには総合病院精神科医の負担の軽減につながり,長期的な支援を可能にする.安易な環境調整で根本的解決のない支援は,いわゆる疾病利得を強化してしまいPNESが患者の問題解決の手段となってしまい,PNESを慢性化させることもありうる86).そのため多職種連携チームは一定期間ごとにミーティングを行いPNESの抑制と適切な社会参加の促進という目標に対して環境調整が機能しているかどうかその都度話しあうのがよい.
 正確なエビデンスではないが,「PNESの大半は比較的アプローチしやすく,治療効果も高い」という専門家の意見57)77)もあり,多くの患者はステップ2の治療で十分な効果が得られると考えられる.

3.ステップ3:本格的な精神療法
 外傷体験が推測されるPNES患者には,むしろ本人と治療者との個別な治療関係が重要となる56)57).診察を通じて外傷体験の影響が明らかとなった場合には外傷体験に対しての専門的な治療ができる医師あるいは臨床心理士に治療を相談するもよい.
 その他にも専門的な精神療法をじっくり行う必要があると考えられる場合にはこのステップ3へと移行する.
 PNESに対する精神療法にはさまざまな手法が用いられるが,なかでも認知行動療法(cognitive behavior therapy:CBT)が近年注目を浴びている.
 てんかんの合併のないPNES患者に4ヵ月間のCBTを行ったところ中等度以上のエフェクトサイズで発作頻度を有意に低下させ,3ヵ月以上の発作抑制率のオッズ比は3.125であったとのRCTが2010年に報告された36).さらにLaFranceらは全12回のCBTを施行した患者においてPNESが減少(CBTのみで51%のPNES減少,CBTと抗うつ薬の併用で59%の減少)し,合併する抑うつも改善することを多施設RCTで証明している51).このようにPNESに対してCBTが有効であることは質の高い研究により証明されているが,これらの研究では知的障害を合併するPNESが除外されており,また効果判定期間が短いなどの問題がある.さらにCBT終結とともに精神科治療から脱落する患者群が少なからずいることも明らかとなっている81)
 このような事態を回避するためにもステップ2を担当する医師とステップ3を担当する治療者の間を患者がスムーズに行き来できるような体制(治療が落ち着いたらステップ2に戻り,本格的な治療が必要なときにはステップ3で一定期間治療をするなど)を作ることが望まれる.

4.PNESの救急受け入れ体制の構築および救急時の対応
 PNES患者は発作以外にもさまざまな理由で救急受診をする傾向がある.特に精神科治療の初期にはその傾向が強いため救急受け入れ体制の構築が必要である.例えば,Kanemotoらは知的障害合併のPNESの場合には「救急時には救急部受診ではなく精神科受診を勧める,予約外の診察の場合は最大15分以内」などの枠組みで診療にあたっている44)ように,各治療者の治療スタイルや病院の事情に応じた持続可能な枠組みのなかで治療にあたるとよいだろう.
 ここで誤解のないように伝えたいことは,PNESの患者は確かに救急受診することは多いが,いわゆる境界例とは異なり,診察時間以外の特別な面会や主治医が「生身の人間として」患者に接することを求めるような,枠組みのない主治医への接近は少ない40)
 「PNES重積状態」のようなPNES救急時においても医療者や観察者は動揺せずに支持的な態度で臨み,安全を確保して経過観察するというのが基本的な対応である.PNES患者は発作時に息こらえなどの症状によって酸素飽和度が下がることもあり,必要に応じて酸素投与する.注射の痛みや脱抑制によりPNESを増悪させることがあるため安易な抗不安薬の投与は控えるべきである.
 救急受診が重なると患者や家族,医療者にとっても負担となるので,患者や家族が実践できるような発作時の対応についてあらかじめ話しあっておくことが重要である.

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V.PNESの予後
 PNESの予後に関する疫学的データはまだ少ないが,既存の欧米の報告ではPNESが完全に消失する患者は少数(25~38%)であり,たとえ発作が消失してもその半数近くは就労できず,国や自治体からの支援が必要な状態が続くことが示されている34)66)68)
 しかし,患者背景や医療システムが欧米とは異なる,本邦における予後を調べたエビデンスの高い研究は現在までのところ存在しない.

おわりに―包括的なPNES診療の構築に向けて―
 PNESの診断についてはこの20年,治療についてはこの10年で多くの知見が明らかとなっている43).しかしながら多くの患者は適切に診断・治療されているとは言い難い状況が世界中で続いており克服すべき課題は多い43).その1つは診断から治療へのシームレスな移行が困難であることである43).この背景には,かつては,診断を受容しにくいという患者の要因やてんかん専門医の不適切な説明などが主たる原因と考えられていたが,最近になって治療を引き受けるメンタルヘルスの専門家の知識不足や誤解の影響に関しても論じられるようになってきている31)
 例えば,フランスの精神科医に対してPNESの知識を確認するアンケートを行ったところ,45%の医師は「PNESは周囲の注意を引き付けるために起きる」と回答し,PNESと「ヒステリー性格」の関連をいまだに重視する傾向が高いことが示された1).さらにRawlings, G. H.らによるシステマティックレビューによると,メンタルヘルスの専門家はPNES患者を治療するにあたって,①診断や治療に関する自信がない,②「精神対身体」の二元論で病因を考察し,PNESはもっぱら精神の問題であると考える,③PNESの患者はやっかいで扱いにくい,④患者を継続的に診療することに関して複雑な気持ちを抱えている,⑤PNESはてんかんに比べると重篤な障害ではない,などのネガティブな印象をもつ傾向にあることがわかった62)
 時にPNES診療の主体はてんかん専門医(神経科医)なのか精神科医なのかという二元論で考えられる37)が,これは間違いである.前述したように,PNESの診断には発作症候学や脳波(時には長時間ビデオ脳波記録などの高度な検査機器が必要となる)などの神経学的考察,治療には精神医学的考察がそれぞれ必要であり,多様な発作徴候や病態があるPNESを一人の医師が診断から治療まですべてを担うのは困難である.月並みな言い方になるが,PNES診療は診療科横断的な包括的なアプローチ,つまり診断から治療へのシームレスな連携が必要である.そしてそのような包括的PNES診療において,(てんかんを専門にしていない,多くの)精神科医は治療において中心的な役割を担うことが求められており,効果的な治療の実践のためにはPNESやてんかんに関する知識をアップデートし,自身のPNESに対する誤解や偏見を解消する必要がある.
 PNES患者は精神科医にたどり着くまでに多くの傷つきを体験しており,精神科医がまずは治療を引き受けるというポジティブな姿勢をもつこと自体が大きな精神療法になる.
 PNESを対岸の火事とせず一人でも多くの精神科医がPNES診療にかかわることが期待される.

 編  注:編集委員会からの依頼による総説論文である.

 なお, 本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

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