Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文全文

第120巻第5号

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総説
自閉スペクトラム症の感覚の特徴
高橋 秀俊, 神尾 陽子
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部
精神神経学雑誌 120: 369-383, 2018

 本総説では,自閉スペクトラム症(ASD)の感覚の特徴について,臨床での影響や評価法,支援法などに関する既往の文献を概観し,今後の研究の方向性について論じる.ASDの方の多くは非定型的な感覚の特徴を有すると考えられ,ASDの最初期の報告ですでに記述されていた.ASDの感覚の特徴に対する認識は近年高まっており,最近はASDの中核的な徴候の1つに含まれている.非定型的な感覚の特徴は患者や支援者を悩ませ,ASDで問題となる他の症状や行動にも影響する.年齢や自閉症の重症度は非定型的な感覚の特徴の重症度に影響し,6~9歳の児童期や自閉症の診断を有するもので,最も重篤であると報告されている.ASDの感覚の特徴は,親面接式自閉スペクトラム症評定尺度(PARS)や発達障害の特性別評価法(MSPA)といったASDに関する包括的評価尺度でも簡便にチェックできる.感覚プロファイルのように感覚の特徴に特化した評価尺度を用いれば,ASDの非定型的な感覚の特徴に関して,より多くの情報が得られる.ASDの感覚処理の神経生理学的指標は,診断や支援のモニタリングに有用なASDのバイオマーカーとして,非定型的な感覚の特徴の生物学的病態解明につながるであろう.ASDの感覚の特徴の問題への支援として,個々のニーズに合わせた環境調整や感覚統合療法などがある.これらの支援の有効性は経験的に知られているが,その効果を適切に評価するには,さらに研究が必要で,薬物療法など非定型的な感覚の特徴がもたらす問題の軽減のための他の方法も研究される必要がある.以上のように,非定型的な感覚の特徴は,ASDの研究デザインや臨床実践において考慮すべき重要な要素である.今後の研究は,ASDの病態解明に加え,有効な支援法に関しても新たな道を拓くであろう.

索引用語:自閉スペクトラム症, 感覚特徴, 感覚処理, 聴覚過敏, 驚愕反応>

はじめに
 近年,発達障害はわれわれの社会の大きな課題となっており,児童に限らず,成人の発達障害にも就労支援を含め多方面でのサービスの拡充がますます求められている.発達障害のなかでも,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorders:ASD)は,精神神経発達障害のなかで最早期の生後まもなくから症状が現われ,社会的相互作用の質的障害,コミュニケーション障害,反復的・常同的行動を伴う想像力の障害をさまざまな程度に伴い,ライフステージを通してさまざまな局面で社会生活や家庭生活に深刻な支障をきたす40).最近は,ASDの有病率は2%程度で,いわゆるcommon disorderの1つと考えられている40).ASDは疾患異種性が高く,他の発達障害や精神障害の合併も多い.また,統合失調症や気分障害をもつ成人の精神障害患者の自閉症特性は健常成人に比べ有意に高いという報告もある44).そのため,ASDは精神医学上極めて重要な障害の1つであり,ライフステージを通した地域連携のなかで,児童精神科医療だけでなく一般の成人精神科医療においても,ある程度の対応が期待されている.残念ながら,ASDの中核症状に有効な薬物は現段階ではなく,ASDでは早期から医療だけでなく教育や福祉などとの連携が必須で,ASDの認知やコミュニケーションの弱さを考慮した周囲の働きかけの内容や生活環境(学校や家庭)の見直し・調整がなされている.ASDの病態解明および支援法の開発に対する社会の要請はさまざまな領域において極めて大きく,これまでの基礎的・臨床的研究を飛躍的に進展するための新たな方策への期待が大きい.
 ASDの感覚の特徴に対する注目がますます増している.ASDにおいては,対人認知や言語,意思決定などの高次認知障害のみならず,より早い段階で処理される低次知覚や情動の異常など多領域における脳機能の非定型性について以前から指摘されていたが11)34),米国精神医学会の精神障害の診断基準であるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition(DSM-5)2)のASDに関する改訂後の大きな変更点の1つとして,中核症状である反復的・常同的行動を伴う想像力の障害の領域のなかに感覚過敏/鈍麻というこれまで診断基準に含められていなかった項目が初めて含められて以後,ASDの感覚の特徴の問題が大きな注目を集めるようになった.非定型的な感覚の特徴は,Kanner, L.による自閉症の最初の報告のなかで自閉症児に認められる特徴的な行動の1つとしてすでに記述されており35),以後もしばしばASDで報告されている20)43)
 ASDの感覚の特徴の問題を論じる際に用いられる用語は研究領域などによって異なるが,一般的には感覚過剰反応〔感覚過敏(sensory over-responsivity,hyper-sensitivityなど)〕,感覚低反応〔感覚鈍麻(sensory under-responsivity,hypo-sensitivityなど)〕,感覚探究(sensory seeking behaviorなど)に大きく分類されることが多い23).感覚過剰反応では,特定の感覚刺激に対して苦痛を感じたり,過度に否定的な反応を示し,そのような感覚刺激をしばしば回避したり,過度に警戒したりする.例えば,特定の衣類あるいは衣類のパーツ(タグなど)に対して触覚の過剰反応がある場合,そのような衣類を身につけることを過度に嫌がったり,落ち着かなくなったりする.感覚低反応では,通常は反応を示すような感覚刺激に対して,気づかなかったり,反応が遅かったりする.例えば,温痛覚の低反応がある場合,熱いストーブのように通常は激しい痛みをもたらすようなものを触り続け,外傷がもたらされる.感覚探究では,特定の感覚に関する経験を強く望んだり,没頭したりする.例えば,自分の指のにおいを繰り返し嗅いだり,食べ物でないものを繰り返し口に入れたりする.ASDでは,このようなさまざまな感覚の特徴が非定型的であることが報告されている23)52)
 感覚の問題を扱う場合,生理学的・生物学的視点が必要になることがあるが,このような視点は医学・医療以外の領域では見逃されてしまう場合も多い.後述するが,感覚の特徴の非定型性は,周囲の人だけでなく本人も気づいていない場合がある.DSM-5では,感覚の特徴の問題が見逃されると操作的にはASDの診断がなされないケースが生じうるので,感覚の特徴の問題という重要な視点を支援者が見逃さないよう,細心の注意を払う必要がある.
 ASDの感覚の特徴に関しては,最近いくつかの総説が欧米で発表された8)23)51)52)54)55)73).本総説では,精神医学領域において今後重要性が増すであろうASDの感覚の特徴の問題について,一般の成人精神科医療に従事する場合にも知っておいた方がよい内容を挙げ,感覚の特徴が日常生活にもたらす影響や評価法,支援法など既往の文献を概観し,今後の研究や臨床実践の方向性について検討する.

I.感覚の特徴が日常生活にもたらす影響
 非定型的な感覚の特徴の問題がASDにおいて認められる頻度は,調査の対象の年齢や診断などによっても異なるが,標準化された感覚の特徴に関する尺度を用いて評価された場合,69~95%と推定される23).このような非定型的な感覚の特徴は患者本人だけでなく,家族や支援者も悩ませる23).非定型的な感覚の特徴は,視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚・固有覚などさまざまな感覚で認められる42).特にASDの非定型的な聴覚処理特性に関しては,頻繁に報告され48),聴覚過敏の頻度は,ASDの15~100%と報告される20).そのため,ASDが疑われる場合,非定型的な感覚の特徴の存在を疑い,どれか1つの感覚の特徴が非定型的であった場合,他の感覚も非定型的ではないかと疑い,本人や家族,教育や福祉など他領域の支援者などから情報収集することが望ましい.
 ASDの感覚の特徴の問題は,さまざまな臨床特性と関連することが知られている.感覚の特徴の問題と社会的コミュニケーションや限局的反復的行動(restricted and repetitive behaviors)といったASDの中核症状との関連も多く報告されている23)51).この他,ASDに併存して問題となる症状や行動のうち,感覚の特徴と関連が報告されているものに,不安,注意の問題,自傷行動,問題行動・不適応,睡眠障害,消化器症状などがあり23)52),支援を要する場合もあることが知られている56)
 ASDの感覚の特徴の問題は,乳幼児期から重要とされる.自閉症の同胞研究17)では,乳児期の感覚の特徴の問題の有無が,後の自閉症診断に影響した.なかでも,感覚過剰反応は支援者に気づかれやすく,一般児童でもASD児でも,不安との関連が頻繁に報告されている23).ASD児では,感覚過剰反応は,不安症状が出現する以前より認められ,不安の予測指標になりうるという報告もある21).感覚の特徴の問題は,乳幼児期の言語発達や不適応行動の問題と関連するという報告も多い52).したがって,乳幼児期より感覚の特徴に注目し,早期に対応することは,その後の言語発達や適応に影響するさまざまな行動など,社会的予後の向上に役に立つ可能性が考えられる.
 ASDの感覚の特徴の問題の重症度に影響する要因として,年齢や自閉症の重症度が知られている.ASDの感覚低反応や感覚過剰反応の問題は,発達早期より8歳頃まで,特に聴覚・味覚・触覚・嗅覚において顕著に認める52).Meta-analysisによると,0~3歳,3~6歳,6~9歳,9歳以上の4群に分けた場合,出生後年齢が上がるに従い,ASDと定型発達との間で感覚過剰反応と感覚探究の問題の違いが大きくなり,6~9歳でピークを迎え,9歳以上で低下することが報告されている5).この時期は,わが国では就学移行期~低学年の時期に相当し,ASDの感覚低反応や感覚過剰反応の問題は学習面の配慮を行う際に重要となる.また,年齢以外の要因として,自閉症の重症度と感覚の特徴の問題との関連も報告されており,ASDのなかでも自閉症の診断を有するもので,最も感覚の特徴の問題が重篤であると報告されている5).したがって,自閉症特性が重篤な場合,感覚の特徴の問題の存在を疑うべきである.
 先述のmeta-analysis5)では,ASDと定型発達との差は,感覚低反応で最もeffect sizeが大きく,この傾向は年齢群によらなかった.幼児期には感覚低反応が定型発達や他の発達障害と比べASDに特徴的とする一方で,成人期には感覚過剰反応が特徴的とする報告も多い52).幼児期と成人期とで,このような違いが生じる要因としては,感覚情報処理の発達的変化の存在も可能性としては推測されるが,一方で,児童期には保護者による他者評価が中心であるのに対して,成人期には自己評価がほとんどであるため,評価方法の違いというアセスメント・バイアスの可能性も指摘されている52).本章で紹介した知見のほとんどは,主に質問紙などを用いて児童期に感覚の特徴を他者が評価したもので,感覚過敏に関しては評価尺度間である程度一貫した指標で評価されるが,感覚低反応と感覚探究は同じ指標のなかに含まれて評価されたり,「アイ・コンタクトの回避」などASDの中核特性を項目として含めたものもある5)14)24).乳幼児期に認められる行動上の特徴としての感覚低反応は重要であるが,その原因となる生理学的背景については,よく知られておらず,今後の研究が期待される.

II.感覚の特徴のアセスメント
1.質問紙や行動観察に基づくアセスメント
 ASDの感覚の特徴のアセスメントは,今後研究的にも臨床的にも重要性が増すと考えられる.臨床や研究において国内外で用いられることが多い標準化された評価尺度を対象の年齢で大まかに分類し,表1にまとめた.これらは,日常生活上の行動を質問紙などで評価するものや,課題遂行中の対象者の様子を行動観察して評価するものが中心である.感覚の特徴の評価は,親面接式自閉スペクトラム症評定尺度テキスト改訂版(Parent-interview ASD Rating Scale-Text Revision:PARS-TR)22)や発達障害の特性別評価法(Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD:MSPA)16)など保険収載されているような包括的評価尺度にも含まれるが,ここでは,感覚の特徴のアセスメントに特化したもののみ扱う.PARS-TRやMSPAといった包括的な評価尺度などで,非定型的な感覚の特徴の存在が疑われ,感覚の特徴に関する情報をより詳細に得たい場合このような尺度を用いるとよい.このような尺度の評価項目を知っておくと,患者や家族の訴えから非定型的な感覚の特徴を疑うポイントとなるキーワードがわかり,感覚の特徴を問診する際に役に立つ.ただし,表1に挙げた尺度の多くは,主に一般の児童や成人を対象に標準化されたものであり,ASDを対象に標準化されたものではないため,カットスコアを利用する場合,注意を要する23)
 非定型的な感覚の特徴は,最近になるまでASDの中核症状に含まれていなかった2)ためか,国内外において青年・成人を対象とした感覚の特徴の評価尺度は多くはない.これは,非定型的な感覚の特徴が8歳前後に最も顕著である5)52)ことを考えると当然であるが,多くのASD成人においても感覚の特徴の問題を認め10),感覚の特徴の評価に対するニーズは大きい.各尺度の適用年齢は定められているが,ASDをもつ場合,自己の特性や状態を自覚(セルフ・モニタリング)することが得意でない場合も多く,また知的障害を有する場合も少なからずある.そのため,実際の使用は,対象の状態像によって判断し,成人であっても児童用に開発された他者評定尺度を用いた方が的確に対象者の感覚の特徴を把握しやすい場合もある.
 以下に,感覚プロファイル(Sensory Profile:SP)シリーズについて簡単に説明する.SPシリーズは,臨床や研究においてよく用いられる感覚の特徴の評価尺度で,日本語版24)25)28)も標準化および信頼性72)・構成概念妥当性25)が検討されている.SPの英語オリジナル版13)は適応が3~10歳となっているが,日本語版28)に関しては3~82歳まで標準化されており,成人においても使用可能と考えられる.SPとThe Adolescent/Adult Sensory Profile(AASP)6)とは,児童用と青年・成人用,他者評定と自己評定といった違いはあるが,ともに行動反応・自己制御の次元(感覚刺激に対する行動反応のタイプ:積極的反応か消極的反応か)と神経学的閾値(感覚刺激への反応の起こりやすさ:高閾値か低閾値か)の2つの次元において,低登録(消極的反応・高閾値)・感覚探究(積極的反応・高閾値)・感覚過敏(消極的反応・低閾値)・感覚回避(積極的反応・低閾値)の4つに区分して集計・評価される.例えば,聴覚に関係する項目としては,「話しかけても聞いていないようだ」(低登録)・「変な音を好んだり,その音を出そうとしたりする」(感覚探究)・「まわりがそうぞうしいと気が散ったりうまく活動できない」(感覚過敏)・「音を避けるために両手で耳を覆う」(感覚回避)などがある.SPやAASPを構成する項目は,味覚・嗅覚・運動・視覚・触覚・活動レベル・聴覚などのセクションにおいて,日常の経験に対する反応を記述したもので,そのような反応を示す頻度を5段階で回答する.すなわち,感覚の特徴の問題に起因すると考えられる行動異常の出現頻度を評価したものであり,感覚の特徴の問題に対する全体的な評価には有効であるが,その行動を誘発する刺激など環境要因を特定するものではなく,実臨床では,行動の前後に対象者にもたらされる環境の変化についても情報収集し,より正確な環境要因も含めた評価を行うことが必要である26)
 前章でも少し触れたが,感覚の特徴のアセスメントに限らず,あらゆるアセスメントでは,評価者によるアセスメント・バイアスについても慎重に検討すべきである.SPのような質問紙は簡便に実施できる利点はあるが,評価者のバイアスが避けられず感覚といった主観に関連した症状を見落とす可能性は十分考えられ,この点に関しては,Sensory Integration and Praxis Tests(SIPT)のような直接の行動観察の方が優れているとされる23).ただし,行動観察の場合,教示に従えることが前提とされるため,知的障害を有する場合には難しい23).さらに,日常生活における行動に基づいてアセスメントを行う場合,環境面のアセスメントも必要不可欠である26).非定型的な感覚の特徴の存在が疑われた場合,そのときの状況(音・明るさ・におい・温湿度など)に関しても把握しておくことが望ましい.そのためには,多職種地域連携に基づき,普段の本人の生活環境をよく知る家族や支援者からの直接の情報収集は重要である.
 また,次項とも関連するが,感覚の問題の影響は,精神症状や行動,生理学的反応,脳機能,脳構造などさまざまな次元にまたがるため,感覚の問題について考える場合,どの次元の問題なのか意識する必要がある.これは,基礎と臨床との橋渡し研究(translational research)における外的表現型〔エクソフェノタイプ(exophenotype):精神症状や行動など)と内的表現型〔エンドフェノタイプ(endophenotype):神経生理・神経心理指標など〕との関連にもつながり,精神医学上,重要な視点である63).感覚の特徴を評価する場合,似たような用語が異なる専門領域において異なる定義で用いられているため,混乱が生じていることも指摘されている51)52).例えば,感覚過剰反応・感覚過敏と一言で述べる場合でも,それぞれ異なる状態像を指す場合もあり,英語ではsensory over-responsivity,hyper-sensitivity,hyper-responsivity,hyper-reactiviyなどいくつかの用語が存在し,厳密には異なる概念を示す.また,先述のように評価尺度によっては,感覚低反応と感覚探究は同じ指標のなかに含まれて評価されたり,ASDの中核特性が項目として含まれたものもある.このあたりの整理は今後わが国においても必要となるであろう.

2.神経生理学的アセスメント
 近年,神経生理学的検査を用いて定量的客観的に感覚の特徴を評価する試みが国内外で注目されている.従来より精神医学にはbio-psycho-social modelがあるが,わが国では生理学的・生物学的視点は医学以外の領域からはもたらされにくく,多領域連携が必要な発達障害臨床においては医学が大きく貢献できる領域の1つである.
 ASDの神経生理学的研究では聴覚に関する報告が多い4)43)52-54)63).聴覚は,神経回路が明確で,評価方法も確立しており,ASDの非定型的な聴覚処理特性についても,ある程度コンセンサスが得られている.一方で,視覚では,ある程度研究されているもののまだ一貫した結果は得られておらず4)43)52),他の感覚モダリティでは研究自体が少ない.そのため,以下,主に聴覚を中心に神経生理学的アセスメントとしてASD研究においてよく用いられるものについて概説する.
1)聴覚性驚愕反応
 聴覚性驚愕反応(acoustic startle response:ASR)とは,突然の強い聴覚刺激により瞬目や体幹・上肢を屈曲させるような動きが喚起される全身性の反射的運動反応に加え,恐怖や不安などの情動反応や立毛筋反射・頻脈・呼吸促迫などの自律神経症状を伴う反応であり,ヒトを含む多くの動物種で観察される生理的反応である59).通常,ヒトでは聴覚性瞬目反射(acoustic blink reflex)における眼輪筋の筋電図を用いて評価されることが多く,これまで精神医学領域においても膨大な基礎・臨床研究の蓄積がある59)60)63)64)
 最近,微弱な刺激に対するASRの反応の増大やピークの潜時の延長など,ASRの基本的なプロフィールがASD診断や自閉症特性と関連することが報告された58)62)66)68).ASD児では定型発達児と比較して,通常のASR検査で用いる105 dB程度の強い音ではASRの大きさに有意差がないのに対して,85 dB以下のレベルの音に対して有意に大きいASRを示した.ASRは通常80~85 dB以上の音圧で誘発されること39)が知られているが,63%のASDが,80 dB以上の音圧に耐えられず36),18%が聴性脳幹反応検査で70 dB以上のクリック音に耐えられなかったという既報50)とも矛盾しない.そして,微弱な刺激に対するASRの大きさやピークの潜時といった指標は,1年後にも比較的安定した指標であった69).また,75~85 dBの音圧の刺激に対するASRの大きさは,保護者が評価した聴覚過敏とも有意に相関を示した70)
 ASDの感覚の特徴の問題は,日常生活において不快な感覚刺激を回避するコーピング・スタイルが定着してしまうと,行動面だけから評価することが難しく,自己評価や他者観察による評価だけでは見落とされる可能性があり,より定量的客観的な評価方法として,神経生理学的アセスメント法開発への期待は大きい.聴覚性驚愕反応を聴覚過敏の指標として用いることで,他者評価や自己評価に代わり聴覚過敏性を評価できる可能性も報告されている38)70).例えば,ASD児と定型発達児の保護者が質問紙で評価した聴覚過敏は,ある程度強い音に対するASRの大きさとは関連したものの,より弱い音に対するASRの大きさとは関連を示さなかった70).また,一般成人においては,複数の強さの音を聞いたときにASRが誘発される音の強さは,不快感を自覚する音の強さとは有意な相関を示したものの,自己評価した感覚過敏の程度とは相関を認めなかった38).したがって,普段の子どもの行動をよく知っている周囲の人でも日常生活の行動面からだけでは,弱い刺激に対する生理学的な聴覚過敏性に気づきにくく,また,ある程度回避的なコーピング・スタイルが確立した成人では,生理学的な聴覚過敏性を自覚することが難しいことが示唆された.そして,発達障害を有するものは,1回の不快な感覚刺激に対して即座に行動に影響がみられるとは限らず,遅延して行動に影響がみられたり,繰り返し刺激を受けた後に行動に影響がみられる場合があることも知られており13)18),刺激に対する行動の評価だけで感覚の特徴を評価することには限界があり,生理学的な評価法の開発が必要である.微弱な刺激を含む複数の音圧の音刺激を用いてASRの基本的なプロフィールを生理学的に系統的に調べる方法は,ASDの聴覚過敏性を客観的定量的に評価できる1つの手法となりうると考えられる.ASRを聴覚過敏の評価に用いた動物実験も,欧米で最近報告され7),モデル動物での橋渡し研究の進展が期待される.感覚低反応や感覚探究に関しては,このような神経生理学的研究はほとんどなく,今後はこれらの感覚の特徴に対する神経生理学的な指標の開発が期待される.
 知覚処理機能は乳児期に急速に発達し,前頭前野の成熟が始まると,その構造的結合性のもとに,後に芽生える自己意識や社会性の成立の基礎としてさらに発達するが,聴覚系の神経回路の発達は他の感覚系よりも遅く,出生後も髄鞘化が進み生後2歳程度で完成し,生後経験する環境音からの刺激が長くその後の神経発達や認知機能に影響することが,基礎的・臨床的研究から報告されている1)7)37)45).今後の研究の蓄積により,聴覚過敏の発達的変化に関する病態生理や新規支援法の開発につながることが期待される.
 一方,ASRの制御機構であるプレパルス・インヒビション(prepulse inhibition:PPI)は,ASDに関しては一貫した結果は得られていない62)64)66).PPIは前頭葉を介した高次の自動的,不随意的な抑制システムである感覚ゲーティング機構(sensory gating system)の指標と考えられ58),8~10歳で成人と同レベルに達し60)64),思春期以降に好発する精神障害の1つである統合失調症では,PPIの減弱が有力なエンドフェノタイプ候補として,よく知られている58)61).ASDは,疾患異種性が高く,児童期から高率に他の精神障害を併存し53),ASDの児童では,PPIの減弱が,情緒や行動上の問題と関連するという報告もある66).前頭葉が成熟する前の乳幼児期にすでに感覚の特徴の非定型的症状が現れるASDにおいては,PPIのような高次レベルのASRの制御機構よりも,より低次レベルのASRのプロフィールの非定型性が病態と関連があると考えられる.
2)事象関連電位・事象関連磁場
 脳波あるいは脳磁図を用いて聴覚刺激による脳波事象関連電位や事象関連磁場の,いくつかの誘発成分がこれまで研究されてきたが,ASDにおいて現在最も研究されているのは,N100あるいはN1などと呼ばれる,聴覚刺激提示後100 msec程度以内の潜時にみられる反応である54)65).ASDでは定型発達と比較し,これらの成分の振幅が減弱し,潜時が延長しているという報告が優勢である54)65).N1同様に100 msec未満の潜時をもつ聴覚性瞬目反射についても,同様にその潜時が延長しているという報告が多い66)67).さらにASDモデルマウスにおいても,N1類似成分の潜時の延長が多く報告されている46).このような潜時の比較的短い反応を検出するためには,脳波や脳磁図などの時間分解能の高いモダリティでなければ難しい.特に脳磁図は電極を頭皮に装着する必要がなく,触覚過敏を有するASD児でも施行可能で,静粛性からも聴覚系の検査に有用であり,今後ASDの研究や臨床における脳磁図の普及が期待される.
 N1のような潜時の比較的短い反応は,聴覚刺激が提示されて聴神経から脳幹,聴覚野に至るまでの段階の反応を反映する成分である46).この段階ですでに聴覚情報処理の非定型性がASDで認められるのであれば,その後の前頭葉に至るまでの高次の聴覚情報処理機能においても非定型的な反応が認められることは容易に考えられる.しかしながら,このような高次の経路がASDに特徴的な非定型性を示すかどうかは,現段階では一貫した結論は得られていない.例えば聴覚性ミスマッチ陰性電位(mismatch negativity:MMN)は130~300 ms程度の潜時で前頭部から中心部にかけて記録される陰性電位で,聴覚皮質における感覚記憶機能を反映するとされ,脳内神経基盤として一次・二次聴覚野と両側の前頭前野背外側部などが想定され,統合失調症との関連がよく報告されている32).しかし,ASDに関しては,振幅・潜時ともに結果は混沌としている31)54)63).ASDの場合,統合失調症といった精神疾患を含む多くの併存症に影響される疾患異種性の高い障害であることに加え,ASD特性は定型発達からASDまで連続して分布することが報告されており9)33),このことが既報におけるASD診断特異的なMMN特徴に関する一貫しない結果につながっていると考えられる.
3)脳律動活動
 ヒトの脳波には,アルファ波(8~13 Hz)をはじめとしてデルタ波(1~4 Hz),シータ波(4~8 Hz),ベータ波(13~30 Hz),ガンマ波(30~60 Hz)など,分布や周波数などが異なるさまざまな律動脳波が存在していることがよく知られている.近年特に注目されているのがガンマ帯域活動(gamma band activity:GBA)である27)49).GBAは主に運動や感覚刺激による脳内の情報処理過程における局所的な神経ネットワークに関連した活動として注目され,NMDA受容体やGABA系の機能との関連が報告されてきた.近年ではヒトにおいて脳波・脳磁図などの時間分解能の高い方法論を用いることにより,GBAは一次感覚の情報処理だけではなく,注意・記憶などの高次の認知機能処理においても脳内の異なる領域間の複雑な情報処理協調に関連することが示唆されるようになった.
 ASDにおいては,安静時脳波基礎律動におけるデルタ,シータ,ベータ,ガンマのそれぞれの帯域のパワー値の増強,アルファ帯域のパワー値の減弱という知見が優勢である54).また,ASDにおいては,視覚あるいは聴覚で誘発された(induced)GBAの異常は,位相が固定された(phase-locked)活動が低下しているという知見が主であり,これは親族においてもみられる31)63).一方,誘発された成分については,減弱あるいは増強ともに報告があり,一貫していない.GBAのような高周波数成分の測定は,髄液・頭蓋骨における減衰を受けない脳磁図の方が脳波よりも適しているため,今後,脳磁図によるさらなる知見の蓄積が待たれるところである.

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III.感覚の特徴に対する支援方法
 ASDの感覚の特徴の問題への支援として,個々のニーズに合わせた環境調整に加え,感覚統合療法のように,前庭覚・固有覚・触覚などの感覚に対する支援を通じて他の感覚系にも働きかけるような支援法があり23)29)30)55)73)74),専門外であっても一度は耳にしたことがあるかもしれない.これらの支援の有効性は経験的に知られているが,効果検証した研究は少なく,さらに研究デザインの問題(被験者数の少なさや追跡期間の短さなど)から,その効果を適切に評価するには,さらに研究の推進が必要である23)29)30)55)73)74).ASDの感覚の特徴に対する薬物療法の報告はほとんどなく23),薬物療法など非定型的な感覚の特徴によりもたらされる症状を軽減するための他の方法も今後研究される必要がある.
 現段階では,ASDの感覚の特徴の問題への支援方法として,適切に効果が検証された方法は存在しないが,感覚の問題は発達早期から認め,言語発達や社会適応に影響するため,非定型的な感覚の特徴を認めた場合,何らかの対応を早期に考える必要がある.精神医学はbio-psycho-social modelで考えることが多く,医学は生物学的視点を求められることが多いが,支援を考える場合,安易に薬物療法を導入すべきではなく,個々の患者のおかれている状況をしっかり評価したうえで,生物学的な視点だけでなく,多角的な視点から総合的に検討する必要があり,多職種による地域連携が重要である.
 例えば,過敏な感覚は,生体への侵害刺激を敏感に捉えるという意味で,それだけで有害なものではなく,特にアラーム音の検知は,日常社会生活を営むうえで欠かせない.また,過敏な感覚であるがゆえに,たぐいまれな才能を発揮する者がいることはよく知られている.いずれにしても,非定型的な感覚の特徴そのものを問題とすべきではなく,無理な支援は禁物であり支援ニーズの評価が重要である.感覚過敏に対応する場合,ASD本人や家族,他の支援者と相談しながら,可能な限り先の見通しがもてるように,スモール・ステップでゆっくり少しずつ知覚刺激の頻度や強度を変え,その都度効果判定しながら少しずつ対応していくことが重要である.
 感覚の特徴の問題に対する支援のポイントを国内外の総説23)29)30)55)73)74)を参考に表2にまとめた.以下,これらについて概説する.

1.感覚の特徴を周囲の人に正しく理解してもらう
 感覚の特徴を含めASD特性を周囲の人に正しく理解してもらうことは,ASD支援の基本である.環境調整などを行うにしても,周囲の人の理解なしには不可能である.周囲の精神障害や発達障害へのスティグマなどに影響されることもあるので,対象者の感覚の特徴に対する理解が得られるよう,具体的な説明を心がけるべきである.このことは,感覚過反応,感覚低反応,感覚探究など,どのような感覚の特徴を有するかによらない.段階的にスモール・ステップで感覚刺激および感覚刺激に遭遇する状況に慣らして適応的な行動へと導く場合も,その経過においては周囲の配慮が必要である.家族のなかには,家族自身のASD特性が高いケースもあり対象者の非定型的な感覚の特徴に気づいていない場合もあろうし,学校現場では,数年ごとに異動が繰り返される校長などの管理職の影響も大きい.継続した切れ目のない支援を行うためには,慎重で丁寧な多職種地域連携の共通理解に基づく本人および家族への対応が必要になる.

2.普段から情動の安定化を図る
 感覚過剰反応がみられるASD者の場合は,不安が強くなると感覚過剰反応がさらに顕著となることが多い41)ため,普段から不安を軽減し,情動の安定化を図ることが重要である.ASDを有する場合,見通しがもてない状況では情動が不安定になることが多いため,先の見通しがもてるように,スケジュールを視覚化して教えてあげるなど工夫するとわかりやすい.また,周囲との人間関係がよくない場合,その改善も重要である.したがって,感覚の特徴の問題を扱う場合も,社会的コミュニケーションの問題に対する支援と並行しながら進める必要がある.

3.不快感や不適応行動を誘発する感覚刺激を低減するよう環境調整を行う
 環境的な要因がASD者の適応を妨げる感覚の特徴の問題の誘因となる場合,環境調整をすることになるが,先の見通しが立てにくいASDでは,急激で大きな環境の変化に適応しにくい場合があるため,環境調整を行う場合も,スモール・ステップで少しずつ実施することが望ましく,まずは丁寧な生活環境のアセスメントから行うべきである.このことは,感覚過反応,感覚低反応,感覚探究など,どのような感覚の特徴を有するかによらない.最近の神経生理学的研究から,定型発達では特に問題にならない強さの音に対してもASDでは過剰反応につながる可能性が示唆されている62)64)66)68)が,聴覚過敏を患者本人や家族が自覚的・他覚的に気づいていないケースは多いと考えられる38)70)ため,患者や家族だけでなく,多職種による地域連携により,本人が普段過ごしている生活環境をよく知っている地域の支援者から情報を得ることは重要である.われわれの生活環境は,年々都市部に集中する傾向にあり,日常生活における聴覚刺激・視覚刺激ともにますます増加している.実際に測定された等価騒音レベルとして,飲食店内で60~70 dB,鉄道や航空機のなかは80~85 dBにも達する57).近年,オープンプランという壁がない教室や保育室が増えており,そのような環境の等価騒音レベルは80~90 dBにも達することが報告されており47)71),ASDを有さない児童や職員も相当な負担を感じている可能性がある.言語発達の未熟な幼児期には,不快感を言語で表出するのは難しいため,支援者はASDのある児童や成人の感覚の特徴の問題について普段から意識しながら対応する必要がある.

4.不快感や不適応行動を誘発する感覚刺激を低減するツールを用いる
 感覚の特徴の問題への対応として,不快感や不適応行動を誘発する感覚刺激を遮断できるようなツールを用いることは,最も簡単な方法であるが,限界もあるため,メリットとデメリットを考え慎重に用いるべきである.視覚刺激に過敏な場合,サングラスをかける場合もあるが,学校や職場などで用いる場合,周囲の理解が必要である.聴覚過敏がある場合,耳栓やノイズキャンセラーなどを用いることもあるが,触覚過敏も併存している場合,長時間使用は難しく,また,アラーム音の聞き逃しは危険である.最近は使用感のよい耳栓の開発も進められており,今後の工学系の進歩が期待される.

5.本人の対処行動のバリエーションを増やし,適切な代替行動の獲得を支援する
 不快な感覚刺激のなかには回避できるものもあれば,アラーム音など回避できないものもある.また回避してばかりだと,回避的な傾向が定着する可能性も考えられる.そのため,少しずつ対処行動のバリエーションを増やすことを検討することになる.適応的な対処行動の獲得という成功体験をスモール・ステップで積み重ね,それを切れ目のない支援により将来につなげていくことは重要である.例えば,作業療法の領域では,センソリーダイエット(sensory diet)という方法があり,感覚探究行動を完全に抑止するのではなく,求めている感覚刺激をより社会的に受け入れられやすい形で効率的に得られるように,感覚刺激が入る活動を日常生活のスケジュールに組み込むことで,不適応的な感覚探究行動を,より適応的な代替行動に置き換え,社会生活を過ごしやすくする.例えば,水遊びをやめない子どもに皿洗いや風呂掃除などの水仕事を手伝ってもらったり,授業中にうろうろしてしまう子どもに休み時間にトランポリンで跳ぶ時間を設定したりすることなどである30).また,他の刺激に集中していると,不快な感覚刺激への反応が軽減されることがあるため,不快な感覚刺激から注意をそらす方法を導入することが有効な場合もある.いずれにしても,日常生活のスケジュールを大きく変えることは,患者本人だけでなく家族や周囲の支援者にとっても負担が大きくなる場合があるため,効果判定をしながら少しずつスモール・ステップで対応することになる.

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おわりに
 本稿では,ASDの感覚の特徴に関する既往の研究について概説した.ASDの感覚の特徴の非定型性は,ASDの中核特性やさまざまな併存障害と関連して乳幼児期から認め,早期の発見および支援が期待されるが,現段階ではエビデンスが確立した支援法はなく,今後の研究の進展が望まれる.特に感覚低反応や感覚探究に関しては,神経生理学的研究もほとんどなく,今後の生理学的評価法の開発が期待される.現時点では,多職種による地域連携を活用しながら,患者のおかれている状況を十分に把握したうえで,可能な限り少しずつスモール・ステップで対応することが重要である.
 感覚の特徴の評価は,従来,行動に基づく外的表現型(エクソフェノタイプ)のアセスメントが中心であったが,感覚の特徴の非定型性を患者本人や家族が自覚的・他覚的に捉えることには限界がある.今後,ASRの基本的プロフィールやN1など事象関連電位に着目した神経生理学的アセスメントは,ASDの診断や支援のモニタリングに有用となるかもしれない内的表現型(エンドフェノタイプ)あるいはバイオマーカーの開発が,ASDの非定型的な感覚の特徴の病態解明や新規支援法の開発につながると期待される.さらに,このような指標を,思春期以後に好発する統合失調症のような精神障害のエンドフェノタイプの候補であるPPIやMMNなどの神経生理学的指標と組み合わせることで,併存精神疾患に対する早期発見および早期支援への応用が期待される54)64)
 以上のように,非定型的な感覚の特徴に注目することは,ASDの研究デザインや臨床実践において重要である.今後の研究は,ASDの病態の全容解明に加え,有効な支援法に関しても新たな道を開くであろう.

 編  注:編集委員会からの依頼による総説論文である.

 本稿執筆に関しては,JSPS科研費(23890257,24591739),精神・神経疾患研究開発費(23-1,26-1),厚生労働科学研究費補助金(H19-こころ-一般-006,H20-こころ-一般-004,H26-精神-一般-017)ならびに独立行政法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の助成を受けたものである.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

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