Advertisement第121回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第126巻第10号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
総説
刑事精神鑑定―裁判員制度施行後の動向も踏まえて―
五十嵐 禎人
千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門
精神神経学雑誌 126: 645-654, 2024
https://doi.org/10.57369/pnj.24-105

 刑事事件に関する精神鑑定の大半を占めるのは刑事責任能力鑑定である.本稿では刑事責任能力鑑定に関する基礎知識を解説した.刑事精神鑑定は,古くから司法精神医学の最重要課題の1つであり,『裁判員の参加する刑事裁判に関する法律』(裁判員裁判法)の制定・施行を契機として新たな議論がなされている.可知論と不可知論,刑事責任能力判断における精神科医と裁判官の役割分担について,最高裁判所の判例の動向をもとに最近の考え方を解説した.また,裁判員裁判制度をめぐり司法精神医学の側から提案された,鑑定書の書式,「7つの着眼点」「8ステップモデル」について,裁判員裁判法施行後の最近の実務の動向もふまえて整理した.さらに,司法の判断に資するために行われる今日の刑事精神鑑定は,可知論的なアプローチを基本としており,その実際についても解説した.

索引用語:裁判員, 精神鑑定, 刑事責任能力, 司法精神医学>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology