Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第125巻第2号

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特集 これからの精神医療における精神分析的精神医学の役割
リエゾン精神医学における精神分析的精神医学
木村 宏之
名古屋大学大学院医学系研究科精神医学分野
精神神経学雑誌 125: 135-144, 2023
https://doi.org/10.57369/pnj.23-018

 リエゾン精神医学は,1902年,身体疾患患者に生じる精神症状に苦慮したニューヨークのAlbany Hospitalに精神科が併設されたことに始まる.ほぼ時を同じくしてFreud, S. により精神分析療法も始まった.1960年代,精神分析的精神療法(力動精神医学)を習得した精神科医によって,癌領域や腎領域など,さまざまな領域で力動的臨床が実践された.1977年にリエゾン精神医学が日本に紹介されて間もない1981年には日本精神分析学会主宰のシンポジウム「リエゾン精神医学と精神分析」が行われ,患者の無意識が医療スタッフに及ぼす影響や医療チーム内における集団力動について議論された.こうした機運の一方で,同時期に発表されたDSM-IIIで精神分析の視点が失われたことを機に,教育機関で精神分析的精神療法を学ぶ機会が少なくなっていき,リエゾン精神医学と精神分析的精神療法のつながりはほとんどなくなったようにみえる.しかしながら,実際の臨床場面では,身体疾患患者のグループダイナミクスに基づく力動的理解を医療チームで共有したり,身体疾患に苦悩する患者に個人精神療法を提供するなど,コンサルテーション・リエゾン領域で精神分析的精神療法が貢献していることは少なくない.また,1990年代以降,いくつかの身体疾患で,患者の精神症状が直接身体疾患の予後と関連することが明示され,精神科リエゾン活動は身体医学の側から重視された.日本では2000年以降,チーム医療が広く普及しているが,近年では,リエゾン活動(チーム医療)の治療効果に対するエビデンスが発信されている.日々の臨床実践でも,チーム医療における精神科医への期待は少なくない.このようなチームで実働できる精神科医になるためには,精神科専門医の技能を基盤にさらなる精神療法技能の習得が必要になるだろう.本稿では,リエゾン精神医学における精神分析について歴史的に概観し,現代における意義について検討する.

索引用語:精神分析, コンサルテーション・リエゾン, リエゾン精神医学, チーム医療>

はじめに
 リエゾン精神医学は,1902年,身体疾患患者に生じる精神症状に苦慮したニューヨークの総合病院に精神科が併設されたことに始まる.ほぼ時期を同じくしてFreud, S. により精神分析も発祥し,その後の精神療法の基盤になった.1940年代に,この2つの領域は心身医学を通じて重なりをもったが,1980年代,DSM-IIIで精神分析(力動精神医学)の視点が失われたことを機に,リエゾン精神医学と精神分析のつながりはなくなっていった.1990年代以降,いくつかの身体疾患で,患者の精神症状が直接身体疾患の予後と関連することが明示され,コンサルテーション・リエゾンは精神医学の一領域として確立されている.近年,チーム医療が広く普及した臨床現場では,身体疾患患者に関する集団力動を医療チームで共有し,チームが機能不全に陥った場合には精神分析的介入によって医療チームを機能回復させたり,あるいは,身体疾患に苦悩する患者に対して標準的な精神分析的精神療法を修正した精神療法を提供したりするなど,精神分析的理解の応用実践が貢献していることは少なくない.具体的に,チームの機能不全を考えてみたい.患者・家族からのクレームや医療的トラブルなど集団に想定外の大きな衝撃を受けたとき,ふだんは協力的で生産的な医療チームでも,相互コミュニケーションが少なくなったり,内心では否定的な感情をもったり,場合によっては猜疑的になったりする.そのため医療チームは,非協力的で非生産的となり機能不全を起こしてしまう.精神分析的理解に基づく応用実践では,医療チームに所属する精神科医が,このような状態に陥った集団に巻き込まれることなく力動を客観的に察知し,チームカンファレンスでチーム全体に働きかけたり,特定の個人が集団に大きな影響を及ぼしている場合には,話し合ってその個人の心情を回復させ,チーム全体を回復へ向かわせたりすることがある.また,身体疾患に苦悩する患者に対して精神療法を行う精神科医は,身体疾患の影響で診察室まで来られない場合にベッドサイドに赴いて面接を行ったり,面接中は,精神分析的理解を進めながら,あまりにも大きな喪失や絶望を患者が心身ともに受け入れがたい場合,柔軟に面接時間や頻度を調整したり,解釈せずに患者の防衛を強化したり支持したりと,精神分析の技法を修正したりすることがある.
 本稿では,リエゾン精神医学と精神分析の2つの領域について歴史的に概観し,身体疾患患者に対する個人精神療法および医療チームにおける精神分析的理解に基づく応用実践という2つの論点()について,その現代における意義と役割について述べる.

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I.歴史的変遷
1.創生期:精神分析学とリエゾン精神医学の始まり
 1860年頃から身体医学教育に精神科を加えるべきという気運が徐々に高まっていた.1902年,このような流れのなか,『American Journal of Insanity』のEditorだったMosher, J. M. がニューヨークのAlbany Hospitalに精神科部門を創設した49).11年後,Johns Hopkins Hospitalにも創設され,そのオープニングセレモニーでOsler, W. とMeyer, A. は,総合病院における精神科の重要性を強調した46).1923年,デトロイトのHenry Ford Hospitalに3番目の精神科部門が開設された.当時の身体疾患患者には精神疾患が約30%に認められ,多くの精神科コンサルテーションが行われた21).1934年,デンバーのコロラド医科大学附属病院にロックフェラー財団の支援によって精神科部門(Psychiatric Liaison Department)が設立された.1939年にBillings, E. G.6)は,4年間の臨床活動について報告し,「liaison psychiatry」という言葉を初めて紹介した.同じ1939年,心身相関に関する雑誌『Psychosomatic Medicine』が発刊され,その設立にニューヨークのDunbar, H. F.57)とベルリンからシカゴに移ったAlexander, F.4)の2人の精神分析医が深く関与した.その後,Alexanderは,アレキサイミアをはじめ心身に関して精神分析的理解に基づく多くの知見を発信した.このように心と身体に注目が集まった1940年代以降,身体疾患患者に対する治療について精神分析的精神療法からの貢献があった.ニューヨークのEissler, K. R. は,終末期の患者に対する精神分析的精神療法を応用した個人精神療法を行い,その成果として1955年に『The Psychiatrist and the Dying Patient』9)を発刊した.Eisslerは,同じ頃,治療者が精神分析療法技法の原則から一時的に逸脱することによって精神療法過程をかえって促進させるという考え方を提示している8)が,終末期の患者に対する精神療法の経験が影響していると推測される.その後,リエゾン精神医学は精神医学の一分野として徐々に確立され,第一人者の1人であったLipowski, Z. J. によって概念化43)45)された後,1960年代にかけて主に4つのモデルに集約された46)
 (i)患者の診断のみならずパーソナリティや身体疾患への反応を含む総合評価5)43)
 (ii)危機的状況に対する治療介入59)72)
 (iii)特定の患者に対する依頼者の個人的相談46)
 (iv)患者と臨床チームの集団力動に関する依頼17)47)
 その後,リエゾン活動の領域は臓器別や疾患別に分化していき,癌領域(サイコオンコロジー),腎領域(サイコネフロロジー),循環器領域,移植領域などに分化していった.2020年,Academy of Consultation-Liaison PsychiatryのGuidelines and Evidence-Based Medicine Subcommitteeは,臨床と研究の質を評価した最新の研究に基づくリエゾン領域に,嗜癖・救急・消化管・HIV・神経・腎臓・サイコオンコロジー・身体症状症・自殺・移植・女性を挙げている63)
 さて,1900年以降,リエゾン精神医学が始まった状況と同じように,精神分析療法の応用として,精神疾患患者に対し,精神分析医と複数のスタッフで構成された精神分析的な入院治療が開始された.岩崎25)によると,精神分析療法の応用は,以下のようにして始まり,展開していった.1926年にSimmel, E. はベルリンにTagel Sanatoriumを開設し,4人の精神分析医で30人前後の入院治療を行った.この入院治療では,チームを担うスタッフは専門家として独自に機能するのではなく精神分析医の機能の一部として動くように指示された.こうした精神分析療法の応用について,Freudは将来的にさまざまな条件に合うように技法を修正するという課題が生じると予想した.FreudはTagel Sanatoriumにも毎年2~3ヵ月療養をかねて訪問していたものの,精神分析療法の応用についてあまり興味をもたなかったようである.残念ながら,こうした試験的試みを行っていたTagel Sanatoriumは,5年後の1931年,ナチスドイツの迫害や経済的理由により閉鎖され,終了した.1925年,アメリカのカンザスで,Menninger一家により13床のMenninger Sanatoriumが開設され,その後,Simmelとも交流をもちながら,精神分析的な入院治療が行われるようになった.
 Menninger Sanatoriumでは,Simmelの影響を受けつつもTagel Sanatoriumとは異なり,スタッフを精神分析医の機能の一部とは見なさず,専門家の1人として独自に機能させた.そして,患者によって機能不全に陥った治療グループは,精神分析的理解と介入によってグループと患者の機能を回復させた.このような試みは,多職種の専門家が集まったチーム医療の始まりといってよいだろう.この2大パイオニア病院に続き,アメリカでは,Sullivan, H. S. のSheppard and Enock Pratt Hospital,Fromm-Richmann, F. のChestnut Lodge Sanatorium,Menninger SanatoriumスタッフだったKnight, R. P. やGill, M. M. らが活躍したAusten Riggs Centerで,イギリスでは1940年代以降,Bion, W. R. やBowlby, J. と交流があったMain, T. のCassel Hospitalを中心に展開していった.
 このように,病院における精神分析療法の応用には2つの流れがあった.1つはコンサルテーション・リエゾン領域で,Eisslerが行ったような身体疾患の治療中という限定的設定で行われる個人精神療法が実施される場合,もう1つは,精神疾患患者を対象に,精神分析的な入院治療が行われるという流れである.

2.日本における精神分析学とリエゾン精神医学の出会い
 日本の病院における精神分析的精神療法の応用は,1977年に岩崎が紹介した『精神分析的病院精神医学』25)により加速した.岩崎は,翌年,京都で行われた国際心身医学会のシンポジウムで「総合病院におけるLiaison Psychiatryの教育と心身医学の臨床」を発表し,その対象を精神疾患患者から身体疾患患者に広げた.1981年に日本精神分析学会はシンポジウム「リエゾン精神医学と精神分析」を企画し,精神分析的精神療法とコンサルテーション・リエゾンが日本において初めて出会うことになった.シンポジストの岩崎27)は「リエゾン精神医学の本質は,精神科医が他科の患者の診察・治療に直接関わることよりも,その患者をめぐる様々な治療関係(患者と各科の主治医との関係,患者と看護スタッフとの関係,患者と家族の関係等々)を対象とするところにある」とした.小此木54)は「リエゾン精神医学における精神分析的認識と方法」として,(i)精神力動的および治療関係的・状況論的な認識,(ii)パーソナリティ論的な認識,(iii)対象喪失および不安・情緒危機と悲哀の仕事を挙げた.小倉53)は,多領域のコンサルテーション実践について,小児科,内科,眼科,耳鼻科など病院内の連携にとどまらず,保健所,学校など病院外の連携に関する実践についても紹介している.柏木と辻は終末期癌患者について共同発表をした.柏木32)は患者の心理特性を紹介し,具体的に症例を提示し,辻70)は,患者に対するチームアプローチについて述べた.総合討論24)では,西園は他科と精神科がどう協力するかは技法上の問題であって患者が主体性を取り戻すことを援助することが大切だとした.土居は各科をケースワーカーが結びつけている状況を説明しつつ,組織のトップ同士がその必要性を認めているかどうかが重要であるとした.神田橋は,最も機能する組織は軍隊であるが,医学全体が軍隊に近い組織を作ってきた.そういうなかに登場したリエゾン精神医学は,一緒にせっせと作り上げていくようなイメージをもつチームが望ましいとした.本シンポジウムにおいて,岩崎と小倉は,患者をめぐる医療チームについて言及する一方で,小此木は患者個人の問題と患者をとりまく医療チームについて言及した.柏木と辻は,共同発表という形式をとりながら,患者個人と医療チームについてそれぞれが言及した.総合討論においても,西園は患者個人について,土居と神田橋は医療チームについて言及している.
 本シンポジウムにおいても,前述のLipowski46)が示した世界の流れと同じように,コンサルテーション・リエゾンにおける精神分析的理解に基づく応用として,身体疾患患者個人と患者の影響を受けた医療チームについて議論された.

3.日本における展開
 1980年代以降,日本における精神分析的理解に基づく応用実践は,主に精神疾患患者の入院治療で行われた.患者の病的な精神力動が周囲の対人関係,つまり患者にかかわる主治医やスタッフの関係性に影響を及ぼすが,その影響がオープンにならずに潜在化した場合,患者の精神症状の悪化につながると考えられた.したがって,主治医やスタッフは,スタッフミーティングによって関係性に対する影響を共有して機能を回復させることで,患者自身の精神症状を回復させるのである.このような入院治療の臨床実践について,岩崎26)は入院治療の臨床実践に関し,歴史的背景も踏まえつつ,病棟主治医や精神療法担当医や看護スタッフそれぞれの役割や意義について丁寧に説明している.Bion7)によると,集団には,目的の達成に向かう「作業グループ」と達成を阻害する「基底的想定グループ」が併存し,後者には集団がリーダーに依存状態になる「依存グループ」,集団に攻撃すべき敵と避けるべき敵がいるという信念をもつ「闘争-逃避グループ」,集団が2人のメンバーに救世主的な願望をもつ「つがいグループ」があるという.機能不全に陥った集団は,「基底的想定グループ」が優勢になるため,主治医やスタッフによるミーティングを中心に行うことによって医療チームとしての機能を回復していくとされる.舘66)や権16)は,精神分析的入院治療の臨床において,主治医がコンサルタント機能やリーダーシップをもち,スタッフミーティングを組織化する重要性を述べた.また,相田は,入院患者をめぐるスタッフの臨床実践3)のみならず,病院に存在するさまざまなグループを意識した病棟の心理的な組織化を重視した2).堀川も長年にわたり精神科病院で力動的チーム医療を実践し,「病院における『精神療法』を診察室のみの治療者・患者関係と捉えず,スタッフだけでなく患者も家族も隣人も地域社会も,(中略),入院生活の全てを『精神療法』という発想の元に工夫し続けてきた」と述べた23).狩野28)は,大学病院の精神科病棟における力動的入院治療を実践した.その後,98例の力動的入院治療について,教育的立場の精神科医,若手精神科医,看護師,患者の関連性について力動的視点から検討した31)
 一方,コンサルテーション・リエゾン領域における精神分析的理解に基づく応用実践では,岩崎が「精神科医が他科の患者の診察・治療に直接関わることよりも,その患者をめぐる様々な治療関係を対象」としたように精神科入院治療と同様の治療実践が行われた.コンサルテーション・リエゾン領域での臨床実態について,成田51)52)56)は総合病院の腎移植に対するリエゾン活動を中心に,精神科医の役割や精神療法的接近について述べた.また,狩野と橋本も,大学病院における精神科の役割19)29)30)について提示したり,身体的愁訴のある精神疾患患者の治療20)について報告した.また,菊地ら33)も総合病院における臨床活動を関係性に焦点をあてて報告した.木村らは大学病院で長期の精神科リエゾン活動(構造化した定期多職種ミーティング)を実践し,移植領域37)38)55)61)62)や頭頸部癌領域1)50)60)から得られた臨床知見を報告している.高野は,総合病院の救命救急領域において,自殺未遂患者の力動的マネージメント68)69)や自殺未遂患者の精神分析的精神療法67)について提示した.同じ領域で,木村34)35)は境界性パーソナリティ障害患者の行動化に関する救急医との連携に焦点をあてた精神療法例について報告をした.さらにHarada, K. ら18)や衞藤10)も,大学病院において救命救急センターと協働して自殺企図患者の予防活動に取り組んでいる.特に衞藤は精神分析的な理解に基づいた自殺予防のための心理学的アプローチについて提唱している11)

II.チーム医療
 かつての病院では,各部門が工夫をしながら連携し,患者のサポートにあたっていた.前述のシンポジウム「リエゾン精神医学と精神分析」の指定討論者の1人であった聖路加国際病院ソーシャルワーカーの深沢24)は「リエゾン精神医学について,ソーシャルワーカーの立場から話をしてみないかというふうに話がありましたときに,そのリエゾンと言うことばが今流行っているけれども,聖路加では昔からやっていたことだから,今までの経験を話せば良いんではないか」と勧められたと述べている.深沢が指摘するように,各診療科や各部門の連携やチーム作りは,それぞれの医療機関で実践されてきた.一方で,当時の医療体制では,こうした横の連携よりも医師主導によるトップダウン的な医療体制が中心であった.しかし,2000年前後に大きな医療事故が重なったことを機に医療安全が注目されるようになり,そこでは,医師を中心としたトップダウン的な医療体制のあり方が問題視された.その後,チーム医療が国の施策として推進されていった.2010年,厚生労働省は,チーム医療について「医療に従事する多種多様な医療スタッフが,各々の高い専門性を前提に,目的と情報を共有し,業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い,患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」とした(『チーム医療の推進に関する検討会報告書』39)).2012年には精神科リエゾンチーム加算が診療報酬として新設され,2014年には『地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律』が施行され,チーム医療は医療現場に加速度的に普及していった.
 さて,このようにチーム医療が普及するなかで,総合病院における精神科医の役割は変化していった.当初,コンサルテーション・リエゾンの仕事をする精神科医は,精神疾患や精神症状を呈する身体疾患患者のサポートを期待され,身体的治療に影響する精神症状を軽減するサポート役という位置づけだった.当時の小此木54)もコンサルテーション・リエゾンにかかわることについて「本業を離れて何か,よそ様の仕事の手伝いに出かける,といった心もとなさや迷いも潜んでいたように思う」と述べている.ところが,1993年,精神疾患が身体疾患の死亡率に直接影響を与えることが明示13)され,これ以降,精神症状や精神疾患が身体疾患に影響を与えているというエビデンスが発信されるようになった.Prince, M. ら58)は,「No health without mental health」と題した論文を『Lancet』に発表し,精神疾患が,身体疾患に罹患するリスクファクター,身体疾患治療アドヒアランスに与える影響,身体疾患の予後やアウトカムに与える影響について包括的に論じた.現在では「よそ様の仕事の手伝い」ではなくなりつつあるといってよいだろう.このようにチーム医療が発展するなか,それまでの患者を取り巻く医療チームの集団力動から,チーム医療そのものの有効性に視点が移行していった.プライマリー領域で2,605名の精神科疾患併存患者に対する専門的コンサルテーション・リエゾン(多職種チームによる介入)と他のケアを比較した結果,コンサルテーション・リエゾン治療モデルは,12ヵ月後の満足度とアドヒアランスを,通常ケアより改善させた15).また,高齢者の軽症うつ病に対する多職種チームによる介入は,通常治療と比較して効果的であった41).さらに,2017年のシステマティックレビューでは,癌患者の抑うつに対する多職種チームによる介入は,抑うつを軽減し,1年後も維持された42).このようなチーム医療のエビデンスでは,機能できる医療チームが想定されるが,臨床実践ではいつも有効に機能するわけではない.医療チームが機能不全に陥ったとき,集団機能を回復するための基本技能に,精神分析的理解に基づく応用実践が有用になる.
 ここで具体的な臨床場面を例示する.ある精神科医がある身体疾患を対象にした医療チームでリエゾン活動をしていた.あるとき,身体疾患患者に予想外の深刻な自殺企図が生じ,大きな混乱が生じた.通常は協力的で生産的な医療チームが,内心では精神科医を非難し,自殺企図について話題にしなくなった.その後,医療チームでは精神疾患を呈する患者を身体治療の適応から過剰に避けるようになってしまった.医療チームに所属する精神科医は,自殺企図が否認された状況で,自らが排除されているように感じた.そこで精神科医はまずは,身体医療チームの責任者と相談し理解を得たのちに,チームカンファレンスで精神医学的評価の有効性と限界について説明し,今後の改善点を明確にした.チームの雰囲気はすぐには変化しなかったが,段階的に医療チーム内で精神科医が機能できるように回復していった.
 以上のように,精神分析的理解に基づくリエゾン精神医学を実践するためには,治療者自身の心の動きを把握しつつ,同時に集団の動きを理解する必要がある.著者の個人的な見解であるが,治療者自身の主観的な心の動きについて客観的に理解できるような技能を習得するため,少なくとも1年程度の力動的精神療法のスーパービジョン(個人orグループ)をトレーニングとして受けることが望ましいと考える.日本精神神経学会専門医制度では,力動的精神療法について専攻医3年目に指導者のもとで経験するとされている.
 近年,このような精神分析的精神療法の応用実践について,関連学会の多くのシンポジウム,パネルディスカッションなど()でとり上げられており,コンサルテーション・リエゾンの立場からも話題提供されている.

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III.身体疾患患者に対する精神分析的精神療法
 身体疾患患者に対する精神療法の知見は,1955年にEisslerが『The Psychiatrist and the Dying Patient』を発刊した後も,継続的に報告された.例えば,Minerbo, V.48)は,終末期癌患者の精神分析的精神療法について報告している.週3回の精神分析的精神療法を施行していた患者は,5年目に癌に罹患した.その後,身体的治療の甲斐なく身体的状況は悪化し,最後の半年間は(治療者の直感的な提案で)電話での精神分析的精神療法に移行して死の前日まで治療を行った.Minerboは「精神分析療法は生産的であったのか」「真実が語られていたのか」と問題提起したうえで,心の痛みを伴うつらい死へのプロセスにおいても,患者にとって有意義であったと述べた.このような身体疾患をもつ患者に対する精神分析的精神療法の特徴として,『Oxford Textbook of Psychotherapy』73)では,(i)精神分析概念が身体疾患における臨床問題を再構成すること,(ii)身体疾患を機に患者の幼少期の体験が再燃すること,(iii)患者は依存的な状況に苦悩し権威との葛藤を矮小化すること,(iv)患者の主な葛藤は「信じること」「分離/見捨てられ感」であることなどを挙げた.
 近年,精神分析的精神療法のエビデンスは,うつ病を主な対象に,短期のみならず長期精神分析的精神療法も含め,確立されつつある12)40).最近,メタ解析64)で,精神分析的精神療法は薬物療法や認知行動療法と同等の効果があるとされ,さらに,最新のネットワークメタ解析14)では,薬物療法と精神療法を併用して急性期から提供したほうが効果を維持でき,提供する精神療法の種類では,認知行動療法と行動活性化療法に次ぎ,精神分析的精神療法は対人関係療法と並んで効果的とされた.一方で,身体疾患患者に併存するうつ病に関するメタ解析71)では,認知行動療法,対人関係療法,支持的精神療法などが効果的とされる.精神分析的精神療法については,エクスパートコンセンサスや症例報告/ケースシリーズにとどまっているが,現時点でも継続的にエビデンスは蓄積されている.最近,Heled, E.22)は,慢性疾患患者に対する精神分析的精神療法の文献的レビューを行ったうえで,欠損の感覚に影響を受ける慢性疾患患者(chronic illness and disability)について,先天的疾患と後天的疾患に分けて考察し,その回復に精神分析的精神療法は貢献できるとした.日本でも後天的な慢性身体疾患患者に対する精神分析的精神療法が報告されている36).また,Straker, N.65)は,終末期癌患者の精神分析的精神療法の文献的レビューを行って歴史的変遷について振り返りつつ,否認について対応し,不確実な予後を受け入れ,自尊心を高め,死の不安について探索することなどについて述べた.今後は,よりエビデンスレベルの高い知見が発信されることが期待される.

おわりに
 今回,リエゾン精神医学と精神分析学の2つの領域のつながりについて歴史的に概観し,その現代的意義と役割について述べた.精神分析的理解に基づくコンサルテーション・リエゾンについて述べた本稿は,先達による多くの臨床実践と知見に基づいている.すべてを網羅できなかったことは残念であるが,ご容赦いただけると幸いである.これからの精神医療において,精神分析理論や技能を応用した臨床実践がコンサルテーション・リエゾン領域のみならず,多くの領域に広がっていくことを期待する.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

 編  注:本特集は第117回日本精神神経学会学術総会シンポジウムをもとに衣笠隆幸(広島精神分析医療クリニック)を代表として企画された.

文献

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