Advertisement第118回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第124巻第5号

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精神医学奨励賞受賞講演
第117回日本精神神経学会学術総会
精神疾患の大脳白質微小構造変化および統合失調症における脳予測性の障害についての研究
越山 太輔
東京大学大学院医学系研究科精神医学分野
精神神経学雑誌 124: 340-348, 2022

 第117回日本精神神経学会学術総会において2020年に発表したわれわれの5編の論文に精神医学奨励賞をいただいた.本論文では紙幅の都合上,そのうち2編の論文について報告する.まずMRI拡散テンソル画像を用いた精神疾患の大脳白質微小構造変化の研究について述べる.本研究では拡散テンソル画像を用いた大脳白質構造についての大規模解析を行った.そして統合失調症と双極性障害における白質領域の異常は似通った病態生理学的特徴をもち,自閉スペクトラム症と大うつ病性障害における異常は軽微であり健常者に近い生物学的特徴を有していることを明らかにした.これらの結果は,精神疾患の客観的診断法の開発に役立つことが期待される.次に,脳波計で計測される事象関連電位の1つであるミスマッチ陰性電位を用いて,統合失調症における脳予測性の障害について明らかにした研究について述べる.本研究では統合失調症におけるミスマッチ陰性電位の低下が,脳予測性に関連する成分の障害に由来することを明らかにした.これまでに,統合失調症ではミスマッチ陰性電位が低下していることが知られていたが,ミスマッチ陰性電位の低下が脳予測性の障害によるのか,慣れのメカニズムによるのか,結論が出ていなかった.本研究の成果は,統合失調症の病態の解明に役立つとともに,今後の治療法の開発に向けた研究への応用が期待される.

索引用語:拡散テンソル画像, 大脳白質微小構造変化, ミスマッチ陰性電位, 脳予測性, 精神疾患>
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