Advertisement第118回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第124巻第5号

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資料
自治体立精神科病院に入院した新型コロナウイルス感染症患者の特徴について
北村 立1), 来住 由樹2), 田中 究3)
1)石川県立こころの病院精神科
2)岡山県精神科医療センター精神科
3)兵庫県立ひょうごこころの医療センター精神科
精神神経学雑誌 124: 300-307, 2022
受理日:2022年1月26日

 【背景および方法】自治体立病院は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の治療について,各地域における中核的な役割を担っており,精神疾患をもつ人に対しては自治体立精神科病院がその任にあたっている.自治体立精神科病院におけるCOVID-19患者への対応を明らかにするため,2021年2月に全国自治体病院協議会の会員病院に対しアンケート調査を行った.【結果】対象は精神科病院40施設,総合病院精神センター9施設であり,44施設から回答を得た(回答率89.8%).32施設でCOVID-19対応病床が準備され,16施設で計481名(うちFコード以外5名,詳細不明3名)の患者を受け入れていた.診断カテゴリーはF2が187名(39.5%),F0が174名(36.8%),F7が48名(10.1%)の順に多く,入院前の居所は精神科病院が215名(45.5%),自宅106名(22.4%),高齢者施設70名(14.8%)などであった.一般のコロナ病床から転院したのは32名(6.8%)であった.新たに措置入院となったのは3名,緊急措置入院は6名で,精神保健福祉法によらない入院が116名(24.3%)あった(詳細不明の3名を除く).感染症が重症化したため転院したのは41名(8.5%)であった.【考察】改めて精神科病院や高齢者施設でのクラスター対策が重要であると認識した.精神科病院においても感染防止対策チームの設置が望まれる.今回の結果は,感染症に罹患した精神疾患患者の医療提供体制を構築する際に有用と考える.精神保健福祉法の運用上の課題が明らかになったので,感染症法との関係も含め,早急な議論が必要である.

索引用語:新型コロナウイルス感染症, 自治体立病院, 精神科病院, 感染対策チーム, 地域精神医療>
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