Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第123巻第11号

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特集 周産期における母親のメンタルヘルスと子どもの養育支援
妊産婦のメンタルヘルスの実態と支援の方向性
森川 真子
名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座
精神神経学雑誌 123: 732-739, 2021

 周産期は身体的変化に加え心理社会的変化も大きく,精神的な不調をきたしやすい時期である.母親のメンタルヘルスの不調は母親自身の問題のみならず,胎児や新生児の心身の発達,家族にも大きな影響を及ぼし,最悪の場合,児への虐待,母親自身の自死,子殺しなど重大な問題に発展する可能性もあるため,早期に発見し,対応することはもちろん,その支援体制を整えることが焦眉の課題となっている.特に周産期に新規で発症する場合よりも,精神疾患の既往がある女性の再燃,再発のリスクが高く,精神科医療の担う部分は大きいと考えられる.周産期のメンタルヘルスケアが重要であるということは,近年社会的にも認識されつつあり,国の対策も講じられてきている.例えば,産婦健康診査事業の強化や,自殺総合対策大綱においても,妊産婦への支援強化が重要施策として盛り込まれた.しかしながら,周産期は母子保健分野と子育て支援分野の両分野からの支援で成り立っており,支援には多くの機関がかかわることから,関係機関同士の連携が難しく,制度や機関により支援が分断されがちといった課題がある.この課題に対する対策はまだ解決されていない点も多いが,当院では専属の心理士を産科外来に配置し,精神疾患合併妊娠および精神的に不安定な妊婦が産科を受診する際に早期に発見し介入することができるよう産科と精神科との連携に努めている.本稿では,妊産婦のメンタルヘルスに関する実態と,支援の難しさ,また当院で行っている対策の一部を述べる.

索引用語:周産期, メンタルヘルス, 支援体制, 多職種連携>

はじめに
 周産期は,身体的な変化に加え,新しい家族や母親という役割を得たり,反対に今まで築いてきた環境や対人関係を失ったり,妊娠や育児を通して過去に養育された体験を想起して葛藤するといった心理社会的な変化も大きいことから,精神的な不調をきたしやすい時期といわれている.このようなメンタルヘルスの不調は,母親自身の問題のみならず,胎児および新生児の心身の発達にも影響を及ぼし,養育不全や児童虐待,さらには母親の自死,嬰児殺しにもつながる可能性があるため,周産期のメンタルヘルスの不調を早期に発見し,対応することはもちろん,その支援体制づくりは喫緊の課題となっている.

I.周産期における精神疾患の有病率・発症率・再発率
 どの精神疾患も周産期に発症,再燃・再発する可能性はもちろんあるが,今回は代表的なうつ病と双極性障害について示す.

1.うつ病の有病率・発症率
 既報の文献レビューが示す周産期うつ病の有病率はさまざまで,世界的に代表的な推定値はほとんどない.その背景には,診断方法が自己記入式質問紙であったり診断ツールを用いるなど研究によりさまざまで,そのため大うつ病エピソードを満たさない抑うつ状態やマタニティ・ブルーズが有病率に含まれていたり,社会経済状況によって有病率が異なるといったことが影響していると考えられている.そこで,101の研究からなる最新の系統的レビュー28)では,社会経済状況と診断方法を調整して有病率が算出された.結果,妊娠期と産後の期間有病率は,高所得国でそれぞれ9.2%および9.5%,低中所得国ではそれぞれ19.2%および18.7%と高所得国の約2倍であった.さらに社会経済状況が同程度の地域であれば周産期女性と非周産期女性の期間有病率の間に有意な差は認められなかった.これは高所得国である英米において周産期と非周産期とで有病率に有意な差がなかったという先行研究の結果とも一致していた6)18).これらのことから周産期であるかどうかよりも経済的な状況の違いが有病率に影響を与えている可能性が示唆され,世帯収入レベルが低い女性において大うつ病の有病率が高かったことを示した先行研究と一致した結果であった1)19).さらに,妊娠期と産後で有病率に有意な差がなかったという点も特筆すべき結果であった.発症率については,妊娠中または産後数週~数ヵ月の間に抑うつエピソードを発症する女性の割合は3~6%といわれており4),発症率・有病率について必ずしも周産期で有意に上昇するわけではないが,産後に抑うつエピソードを呈する女性のなかで,特に精神病性の特徴を伴う場合には,次の妊娠出産での再発率の上昇や,その後の家族計画に影響を及ぼしうること,さらに自殺や子殺しにもつながる可能性があることから,特に注意が必要な期間であるため,DSM-IV-TR3)では特定用語「産後の発症」が付された.さらに産後の抑うつエピソードの半数は出産前から始まっていることから,DSM-54)においては「周産期発症」に改訂され,妊娠期からの気分症状に特に注意喚起をしている.

2.双極性障害
 妊娠していない女性の有病率が2.3%なのに対し,妊娠期および産後12ヵ月の有病率はそれぞれ2.8%,2.9%と有意な差は認められなかった24).周産期の発症率に関する研究は少ないが,人口データベースの研究においては,妊娠期における新規発症の割合は低いといわれている13).ただし,留意すべき点として,産後うつ病と診断された女性64名のうち6名,つまり1割弱が産後6ヵ月以内に双極性障害と診断が見直されたという報告もあり,うつ病と思われていた女性のなかには双極性障害をもつ女性が含まれている可能性があることにも十分注意が必要である21)

3.既往歴のある女性の再発について
 うつ病については,産後4週間以内に半数以上,4ヵ月以内に9割が再発したという報告がある2).双極性障害については,人口データベースの研究において,妊娠期における再発の割合は低いものの,産後10~19日の入院リスクは通常の37倍,産後3ヵ月以内に入院治療を必要とした双極性障害の女性は22%にのぼったとの報告があり14),うつ病,双極性障害ともに既往歴がある場合には,産後3~4ヵ月,特に最初の1ヵ月は十分な注意が必要であることが示唆されている.

4.既往歴のある妊婦の薬物療法と再発率
 既往歴のある女性の妊娠に際しては,妊娠期の薬物療法と催奇形性との関係が懸念され,内服を自己中断するケースも少なくない.既往歴のある妊婦の薬物療法と再発率に関する研究では,うつ病については,妊娠期に薬物療法を継続した群における再発率は26%であったのに対し,中断した群では68%5),双極性障害では,薬物療法を継続した群の再発率は37%,中断した群では86%25)と中断した群で明らかに再発率が上昇した.これらのことから,妊娠期に薬物療法を中断することで再発リスクが上昇するため,妊娠に伴って内服を自己中断しないようあらかじめ話し合っておくことが必要である.

5.周産期のうつ病が母体や児に与える影響
 妊娠期のうつ病が母体に与える影響としては,妊娠期の母親自身のケアおよび食事摂取が不十分になる,流産,早産のリスク増加,産後では,不規則な授乳,不十分な睡眠により育児活動を損なう可能性がある8)20).児への影響として,胎児の活動亢進,心拍数の異常,新生児のコルチゾールおよびノルエピネフリンの上昇,ドパミンの低下,脳波上の変化,学童期は唾液コルチゾールの上昇,内在化および外在化問題行動,肥満と関連するといわれている9).産後に母親が抑うつ状態であると育児能力が低下し,母子の積極的な相互作用が乏しくなることにより,子どもの認知的および心理的成長に影響を与える可能性がある12)20)

II.周産期メンタルヘルスケアの重要性
1.周産期のうつ病と自死
 周産期メンタルヘルス対策の重要性がより注目されるようになった背景に,2016年の妊産婦の自死に関する報告が大きな影響を与えたと考えられる.もともと,自死が産後の死亡の20%を占めていること,周産期の自殺企図も5~14%と頻度が高いことは知られていた11).そこに,2005年から10年間の東京都内の調査において,周産期死亡者数89名のうち63名,つまり7割以上が自死であるという報告がなされた23).そのうち,産後の自死は40名(63%)であり,うち6割は精神疾患を有しており,その約3割は産後うつ病であった.先述のように,周産期におけるうつ病の有病率や発症率は非周産期と比べて有意に高いわけではないが,精神疾患の既往がある女性の場合,産後は再発のリスクが大いに高まるという報告と矛盾のない結果であった.また,産後に精神疾患なしとされた群の約半数で,育児の苦悩を抱えていたことが確認されたが,精神科受診を拒否していたということからその詳細は不明なままであり,精神科受診の敷居の高さや,早期に発見し受診につなげる連携システムの構築の必要性も明らかとなった.他国との妊産婦自死数との比較においても,出生10万人あたり,スウェーデン3.7名7),英国2名17)であるのに対し,日本は8.7名23)と高い値を示した.

2.周産期うつ病と児童虐待
 周産期メンタルヘルスケア対策が喫緊の課題であるもう1つの理由として,児童虐待との関連も挙げられる.厚生労働省発表10)による2018年度の児童虐待相談対応件数は16万件近くに上り,年々増加している.2017年度の死亡例は65名,うち心中以外の虐待死52名のうち0歳児が28名(53.8%)と最多で,特に月齢0ヵ月児が14名(50%)と高率であった.加害者は心中以外および心中による虐待死のいずれも実母が最多で,それぞれ48.1%,46.2%であった.心中以外の虐待死事件における実母の心理的・精神的問題では,養育能力の低さ26.0%,育児不安16.0%であった.また,心中による虐待死の背景として,2017年度は経済的困窮の61.5%が最多であったが,2016年度は保護者自身の精神疾患,精神不安が53.6%で最多であった.これらのことから,産後の母親の精神疾患や精神不安と虐待および虐待死との関連が示唆された.

3.対 策
 これらの事実から,周産期メンタルヘルスケア対策が早急に必要であるという認識が強まり,2017年度に2つの施策が示された.1つ目に,産婦健康診査事業(以下,産婦健診)の強化である.周産期の抑うつ状態評価尺度であるエジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburgh Postnatal Depression Scale:EPDS)を用いての産後1ヵ月の精神状態の把握は以前からなされてきたが,産後2週間時点でも産婦健診を実施し,より産後初期の精神状態を把握することを目的に,一部の自治体で助成がなされるようになった.2つ目は,自殺総合対策大綱において,妊産婦への支援の強化が重要施策として盛り込まれた.具体的には,関係機関の連携の促進や,特定妊婦や飛び込み出産に対する支援を強化するといったものである.特定妊婦とは,『児童福祉法』の条文では,「出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦」と定義されており,例えば,複雑な家庭内事情をもっている場合など,育児が困難と予想される妊婦を指す.このように,早期発見と支援の強化が重要であることが再認識され,その対策がなされた.

III.周産期メンタルヘルス支援体制における連携の困難さ
1.妊娠・出産などの支援体制の変化「子育て世代包括支援センター」
 周産期のメンタルヘルスをケア・支援することの重要性は認識されつつあるが,その支援体制においては,各機関の連携が難しいのが現状である.近年,少子・高齢化や核家族化が進み,晩婚化・晩産化,育児の孤立化など妊産婦等を取り巻く環境が変化してきており,これまでも妊産婦等へは,母子保健分野と子育て支援分野の両面から支援が実施されてきたが,支援には多くの機関がかかわることから,関係機関同士の十分な情報共有や連携が難しく,制度や機関により支援が分断されがちといった課題があった.また,各関係機関はそれぞれの支援にかかわる情報のみ把握する傾向にあり,妊産婦等の状況を継続的・包括的に把握できていないとの指摘があった.これらを踏まえ,厚生労働省では,母子保健施策と子育て支援施策との一体的な提供を通じて,妊産婦等の健康保持および増進に関する包括的な支援を行うことにより,地域の特性に応じた妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供する体制を構築することを目的とした「子育て世代包括支援センター」を整備し,きめ細かな相談支援などを実施している.

2.妊娠・出産等に係る支援体制の概要(図1
 わが国では,妊娠の届け出および母子保健手帳の交付を受けて,妊産婦健診,乳幼児健診など多様な母子保健事業が行われてきた.さらに,妊娠中および出産後の心身の悩みや子育ての不安などに対する支援の充実を図るため,2014年度には傾聴などによる不安の軽減などを行う「産前・産後サポート事業」,母親の身体的回復や授乳の指導などを行う「産後ケア事業」を妊娠・出産包括支援モデル事業として開始し,2015年度から本格実施されている.さらに,2017年度から前出の「産婦健康診査事業」を実施し,心身の健康状態などの把握を行い,産後の初期段階における支援が強化されている.また,女性健康支援センター事業として,予期せぬ妊娠やメンタルヘルスの問題など身体的,精神的な悩みを有する女性に対する相談指導も行われている.

3.連携不全の要因
 母子保健分野,子育て支援分野においては,連携の強化が進んでいる一方,妊産婦のメンタルヘルスケアの観点からは,まだまだ多職種での連携が十分とは言い難いのが現状である.その理由として,渡邉ら26)は3つの要因を挙げている.1つ目に,専門科の違いによる「精神科と産科」,都道府県が管轄する「精神保健福祉」と市町村が管轄する「母子保健」など各専門機関の間において横の連携が十分とれていないこと,2つ目に,妊娠期,出産期,産後とかかわる機関が異なり,支援が細切れになりやすいこと,3つ目に,母子の里帰り出産や家族の転居などで中心となる支援機関が変わってしまうことである.

4.連携強化のための取り組み
 今まで述べてきたように,母子保健と精神科医療との連携の重要性が明らかとなってきたことを受けて,連携を強化するための対策が講じられた.1つ目は先述の産婦健診の費用助成が開始されたことで,産婦健診で実施されたEPDSなどの結果は各市町村へ速やかに報告され,支援の必要な産婦を産後ケア事業につなげる体制が整備された.2つ目は,2018年度の診療報酬改定に伴い,ハイリスク妊産婦連携指導料が新設されたことである.指導料の算定要件の1つとして,産科,精神科および自治体の多職種で2ヵ月に1回定期的にカンファレンスを実施して,情報を共有し,連携して診療することが推進されており,当院でも実施している.このように,各専門機関が連携できるような取り組みが促進されている.

5.メンタルヘルス不調の妊産婦対応における医療・保健・福祉の連携
 母子保健は,保健師・産科医・助産師・看護師・小児科医をはじめとした多くの職種がかかわるため連携が難しいことが多く,「どのようなタイミングで精神科につなげばよいかわからない」という声が多く上がることを受け,日本周産期メンタルヘルス学会により,『周産期メンタルヘルスコンセンサスガイド2017』16)が作成された(図2).図内の「緊急性」とは,①希死念慮があり,本人がその気持ちを自分で抑えることができない,②精神病症状(幻覚・妄想など)が急に出現または悪化した,③自分や周りの家族・他人を傷つけてしまう危険性があることを指している.

6.多職種連携を難しくしているもう1つの問題点
 精神症状は精神科医療に携わっていない医療者にとっては評価が難しいことがある.周産期メンタルヘルスには,妊娠前,妊娠中からの精神疾患の再燃・再発も含まれるうえに,抑うつ症状のみならず,躁症状,不安症状,精神病症状など,多様な評価が求められるが,今回事業化されたのは,産婦健診における抑うつ症状の評価にとどまっているため,多職種では妊産婦のさまざまな精神的不調を早期発見することがまだ難しいと考えられる.つまり,さまざまな精神症状への対応の困難さが課題の1つといえる.

図1画像拡大
図2画像拡大

IV.名古屋大学医学部附属病院での取り組み
 当院では,2017年度より周産期メンタルヘルスを支援するための専属の心理士が着任した.下記のように,主に5つの業務を実施している.
 ①妊娠期の支援:ハイリスク妊婦との面談
 ②入院中の支援:コンサルテーション・リエゾン
 ③産後の支援:産婦健診での心理面談
 ④予防的介入としてのその他の支援:安産教室での心理教育
 ⑤多職種・多機関連携による支援:精神疾患合併妊産婦にかかわるカンファレンス

1.妊娠期の支援:ハイリスク妊婦との面談
 当院は総合周産期母子医療センターに指定されており,ハイリスク妊婦を多く受け入れている.ハイリスク妊婦とは,胎児異常,多胎妊娠,前置胎盤,妊娠高血圧,高齢初産婦など妊娠経過にリスクを伴う妊婦を指している.妊婦が産科を受診した際(主に初診日)に,産科外来で専属の心理士が面談を実施し,心理教育と精神症状の評価を行っている.出産や育児に関する不安や思い,特に胎児に異常がある場合には,診断の告知を受けて考えたこと,感じたことなども尋ねている.その他,パートナーや家族との関係,期待できるサポートなどについても聴取している.症状評価のために,英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)のガイドライン内で産後抑うつ症状の評価として推奨されている「うつ病に関する2項目質問」27)と,「全般性不安障害を評価するための質問(GAD-2)」を実施している.GAD-2は7つの質問項目からなるGAD-722)の最初の2項目を抽出したものである.③の産婦健診での心理面接でも産後の生活や,児への思いなども丁寧に聴取しながら状態を把握している.

2.入院中の支援:コンサルテーション・リエゾン
 入院中にも精神科医と心理士からなる周産期リエゾンチームでの活動を行っている.妊婦が産科病棟入院後,心理士が病室を訪室して面談を行い,積極的な介入が必要な場合には早急に精神科医につなげている.

3.予防的介入としてのその他の支援:安産教室での心理教育
 ハイリスク妊婦のみならず,すべての妊婦を対象に,妊娠5ヵ月の前期安産教室において,周産期メンタルヘルスに関する心理教育を15分程度で実施している.

4.その他,精神科医の取り組み
 病識がないケースや精神科受診に拒否的なケースも少なくないため,妊産婦が産科外来を受診した当日に対応するようにしており,場合によっては精神科医が産科に赴くなどして取りこぼしのないよう心がけている.

おわりに
 妊産婦のメンタルヘルスの実態と支援の方向性について述べた.母子保健と精神科医療との連携が重要であるという認識は広がってきているものの,実際の連携が十分にできているとは言い難いところもある.医療機関でできることとして,当院では産科を受診する妊産婦と専属心理士との面談や,地域支援機関とのカンファンレンスを実施することで,早期発見および早期からの支援・連携に努めている.これまで,産婦人科と精神科の両専門領域間の緊密な連携,協働のもとに作成されたガイドラインはなかったが,2020年5月に日本精神神経学会・日本産科婦人科学会によって,『精神疾患を合併した,或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド:総論編』15)が作成され,医療における対応の均てん化や強化への取り組みが進んでいる.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

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