Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第9号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 児童精神医学と精神分析という「隣人」たちの対話
神経発達障害の子どもが仲間集団体験をやり直す場を提供することの大切さについて
渡部 京太
広島市こども療育センター
精神神経学雑誌 121: 722-727, 2019

 児童精神科の治療では,ひとりの治療者が長くかかわりながら,その子どもにその時点で必要な治療技法を選択するマネジメントが必要になる.精神分析的な発達理論は子どもの治療を進めるときに,子どもに「足りない」ものは何かというヒントを与えてくれる.集団精神療法に参加していたメンバーは,同世代の仲間集団や家族から孤立しつつあったが,スタッフや参加メンバーから特別扱いを受けることを通して,グループに直接的に受け入れられたという体験やグループから大切にされているという安心感を体験していたと考えられた.思春期年代の長期にわたる不適応やひきこもりを示した発達障害児を対象にした集団精神療法のプロセスを報告し,発達障害の子どもが仲間集団体験をやり直す場を提供することの大切さについて考察を加えた.

索引用語:神経発達症, 集団精神療法, 仲間集団体験, ひきこもり, 特別扱い>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology