精神保健福祉士は生活の視点から相談援助を行う福祉専門職である.その業務は人と状況の全体関連性を踏まえ個と環境の相互作用に介入していくことになるため,本人への直接的な支援のみならず,周囲の環境に働きかける間接的な支援も不可欠となる.本稿では「精神保健福祉士業務指針及び業務分類(第2版)」における,精神保健福祉士の業務の定義と業務特性などを概観し,目に見える業務・見えない業務について取り上げた.そのうえで,個別のかかわりを大切にしながら,チーム医療に基づき地域のネットワークを構築していくことが,精神保健福祉士の重要な役割の1つであることを提示した.
日本精神神経学会 多職種協働委員会 企画 第8回
精神科臨床における精神保健福祉士の業務と役割
立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科(精神保健福祉士)
精神神経学雑誌
120:
609-615, 2018
<索引用語:福祉専門職, ソーシャルワーク, 業務指針, 権利擁護, ネットワーク>