Advertisement第115回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第120巻第4号

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教育講演
第113回日本精神神経学会学術総会
統合失調症の認知機能リハビリテーション
池淵 恵美
帝京大学医学部精神神経科学講座
精神神経学雑誌 120: 313-320, 2018

 統合失調症の人の生活の困難さの原因として認知機能障害がある.認知機能リハビリテーションは認知機能の直接的な改善,もしくは低下している機能を代償する方略の獲得をめざすもので,これまでの効果研究で認知機能の改善効果が実証されており,わが国でも追試が報告され,独自のプログラムも開発されている.介入方法はボトムアップ方式・トップダウン方式,反復練習・戦略学習・代償スキルの獲得など異なる理論があるが,統合失調症の学習障害を念頭に認知スキルの獲得がめざされ,そのスキルを実世界に持ち込む移転(transfer)練習が組み合わされることが多い.パソコンゲームが使われることが多く,仮想現実でのトレーニングによる利点がみられる.エビデンスのある援助付き雇用と組み合わせることで,一般就労率が改善するとの効果研究が報告され,わが国でも試みられている.当事者の希望や生きがいを尊重する精神障害リハビリテーションのなかでこそ認知機能の改善は生かせる.主体性の尊重や自発性を促すかかわり方が重要である.認知機能リハビリテーションを行っても,それを現実の世界に結びつけることを行わなければ,獲得した能力も時間の経過とともに失われてしまうことを忘れてはならない.

索引用語:認知機能リハビリテーション, 認知矯正療法, 統合失調症, 精神障害リハビリテーション, 認知機能>
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