Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第6号

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教育講演
第112回日本精神神経学会学術総会
統合失調症の人が働くことを支援する―精神科医にできること―
池淵 恵美
帝京大学医学部精神神経科学講座
精神神経学雑誌 119: 428-434, 2017

 社会制度の変化により統合失調症の人の就労は近年改善したが,医療側の支援技術が追いつかず,雇用側・福祉側から医療への不満がある.重い精神障害の人に対しては,まず就職してそのうえで援助を受けながら仕事を続けていく「援助付き雇用」が一般就労には有用であることが,多くの研究報告によって明確になっている.これまでのエビデンスで効果があると推定されている支援方法には,就労支援を行うものと医療やリハビリテーションを行うものとが同一のチームで援助する方法などがある.診察室の中で精神科医にできる就労支援として,①本人の育った過程や価値意識を知り,どのような働き方(生き方)をしたいと思っているかを踏まえて支援する,②精神障害についての心理教育,③働く力を知るために実際の活動を共体験している専門家をはじめ,雇用側・福祉側との緩やかなチームを形成する,④症状の悪化を仕事や生活の変化と結び付けるための現場の情報収集などについて述べた.

索引用語:統合失調症, 就労支援, 援助つき雇用, デイケア, 就労支援機関>
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