Advertisement第116回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第6号

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特集 自殺ハイリスク者の支援について考える―ゲートキーパーがつないだ先の支援はどうなっているのか―
積極的かつ個別性の高いケース・マネージメント介入は,自殺未遂者の自殺再企図を抑止する
河西 千秋, 石井 貴男, 白石 将毅
札幌医科大学医学部神経精神医学講座
精神神経学雑誌 119: 422-427, 2017

 わが国の自殺予防対策において,ゲートキーパー養成が重視されてきた.しかし,多くの地域で,効果的なゲートキーパー養成がなされているとは言い難い状況がある.医療者もまたゲートキーパーの一員であるが,著者らは,2006年からその実務が開始された自殺対策ための戦略研究・ACTION-Jにおいて,医療機関を拠点としたケース・マネージメント介入が,自殺未遂者の自殺再企図を抑止できるか否かを検証し,結果として一定期間,高い自殺再企図抑止効果があることが明らかにされた.著者らが開発したケース・マネージメント・プログラムは,詳細な精神医学的・心理社会的評価を基盤に,未遂者の個別性に配慮し,精神医療へのつなぎを含むソーシャルワーク介入がその中心をなすが,介入のプランニングとコーディネート,導入,そしてその活用状況と効果について継続的にフォローをするなど,「丁寧なつなぎ」と「つないだ後のケア」がその真骨頂であった.また,患者のセルフ・ケアの涵養をも重視したものであった.このACTION-J介入モデルは,その後,厚生労働省によって事業化され,2016年度より,新規に診療報酬加算項目に導入された.ACTION-Jは,個別性の高いケアとつなぎの有効性についてそのエビデンスを明らかにしたが,これを手がかりにさらに新たな介入モデルや研究成果が派生し,自殺予防方略が発展していくことが期待される.

索引用語:ケース・マネージメント, ゲートキーパー, 自殺, 自殺未遂, 無作為化比較試験>
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