自殺未遂者の再企図防止は自殺予防対策において大きな柱である.滋賀県立精神保健福祉センターは自殺予防情報センターを設置し,2014年8月から,「湖南いのちサポート相談事業」を実施している.協力病院である圏域の救急告示病院に自殺未遂者が搬送されると,病院スタッフは自殺未遂者あるいは家族にこの事業の説明をする.支援同意が得られると,病院スタッフから自殺予防情報センターに情報が送られる.センタースタッフは自殺未遂者や家族に連絡をとり,相談支援を始める.自殺未遂に至った状況を整理し,圏域保健所,市担当課,その他の生活支援機関などと連携協力して支援を継続する.湖南圏域以外の県内圏域でも同様の行政連携事業が展開され,2015年度は県全体で100件以上の自殺未遂事例にかかわっている.滋賀県自殺未遂者支援体制検討会議も開催され,それぞれの圏域の特性を反映した事業を展開している.
救急告示病院と行政機関連携による自殺未遂者への相談支援
1)滋賀県立精神保健福祉センター
2)京都橘大学
3)済生会滋賀県病院
2)京都橘大学
3)済生会滋賀県病院
精神神経学雑誌
119:
414-421, 2017
<索引用語:自殺未遂者, 救急告示病院, 行政機関, 相談支援>