Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第5号

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特集 ブレインマシンインタフェース技術による精神科的診断と治療の創造
強迫性障害の生物学的基盤とニューロフィードバック法による治療可能性
酒井 雄希1)2), 高木 優1)3)4), 田中 沙織1)
1)国際電気通信基礎技術研究所脳情報通信総合研究所数理知能研究室
2)京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
3)奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科
4)日本学術振興会特別研究員DC1
精神神経学雑誌 119: 323-331, 2017

 強迫性障害の確立された治療として,薬物療法と行動療法が有効とされている.しかし,約半数の患者においてはこれらの治療が奏効しないことが知られており,新たな治療法開発が急務である.強迫性障害の生物学的背景としては特に脳を対象とした知見が集積されてきており,脳情報のフィードバックにより脳状態の変容をめざす技術であるニューロフィードバックも,有望な治療候補の1つと考えられる.本稿ではまず,これまでに強迫性障害を対象に行われてきた脳波および機能的MRIを用いたニューロフィードバックの試みを概観する.加えて,新たな技術であるデコーディッドニューロフィードバック(DecNef)技術を紹介し,その先進性と強迫性障害治療への応用可能性に関して述べる.

索引用語:強迫性障害, ニューロフィードバック, バイオフィードバック, デコーディング, 機能的MRI>
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