人工知能技術は,機械学習アルゴリズムとビッグデータ,そして計算パワーの増大により,近年著しく進歩した.人工知能技術は,脳科学ではデコーディングアルゴリズムとして利用されている.fMRIの安静時脳機能結合の研究から,疾患に特有の機能結合異常が明らかになり,人工知能技術を導入して,外部検証データに汎化するバイオマーカーが初めて開発された.このようなバイオマーカー,もしくはデコーダとfMRI実時間ニューロフィードバックを組み合わせると,将来の革新的治療法を提供できる可能性がある.
人工知能とビッグデータ―計算論的神経科学と精神医学―
株式会社国際電気通信基礎技術研究所/脳情報通信総合研究所
精神神経学雑誌
119:
313-322, 2017
<索引用語:人工知能, ビッグデータ, バイオマーカー, 機械学習アルゴリズム, ニューロフィードバック>