Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第3号

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特集 向精神薬の多剤・大量療法からの脱却への道―清く正しく美しく―
向精神薬併用療法の薬物動態学的問題点
鈴木 映二
東北医科薬科大学医学部精神科学教室
精神神経学雑誌 119: 180-184, 2017

 薬の体内動態は患者間にばらつきが大きいが,同一患者であったとしても体内動態が変化する場合があり注意が必要である.その典型例が,薬を併用したときに現れる薬物相互作用である.向精神薬は一般に血漿タンパク結合率が高く,併用薬と競合して併用薬の効果を高める可能性がある.また,向精神薬は薬の代謝酵素を阻害する薬が多く,併用薬の血中濃度を高める可能性がある.逆に,代謝酵素を誘導して併用薬の血中濃度を低める薬もある.このような相互作用は,併用薬の数が増えるほど複雑になり,その結果を予想することが困難になるため,多剤併用は薬物動態学的には推奨されない.

索引用語:併用療法, 多剤併用, 薬物動態学, 向精神薬>
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