Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第3号

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特集 精神医療・精神医学に関するガイドラインの現状と問題点
日本医療評価機構によるMinds診療ガイドライン作成の手引きVer. 2.0―EBMの実践―
橋本 亮太1)2)
1)大阪大学大学院連合小児発達学研究科子どものこころの分子統御機構研究センター
2)大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
精神神経学雑誌 119: 158-165, 2017

 公益財団法人日本医療機能評価機構は,EBM(根拠に基づく医療)普及推進事業として,医療情報サービスMinds(マインズ)を運営し,「Minds診療ガイドライン作成の手引きVer. 2.0」を作成している.この手引きの方法論(Minds法)は,EBMに基づく診療ガイドラインを作成するということが基本理念となっている.その診療ガイドライン作成の全体像は,①作成プロセスの不偏性を担保するために三層構造の担当組織(統括委員会,ガイドライン作成チーム,システマティックレビューチーム)を構築し,②個人の判断の偏りを避けるためにCOIを明らかにして作成プロセスにおける判断と決定の根拠を記述し公開すること,③臨床上の問題(CQ)について収集し選択したすべての研究報告をアウトカムごと,研究デザインごとにまとめたエビデンス総体の評価を行うこと,④介入によってもたらされる患者アウトカムを期待される効果である「益」のみだけでなく,有害事象である「害」も含めて評価することとなっている.これらのMinds法の特徴を,実際にMinds法に従って日本神経精神薬理学会が作成した「統合失調症薬物治療ガイドライン」をその具体例として紹介し,さらにそのガイドラインの目的である教育と普及に関する研究であるEGUIDEプロジェクトについてもふれたい.

索引用語:ガイドライン, マインズ, EBM(根拠に基づく医療), 統合失調症薬物治療ガイドライン, EGUIDEプロジェクト>
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