Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第2号

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特集 公認心理師のこれから
公認心理師に求められるもの―一般医療領域で働く心理専門職のために―
中嶋 義文
三井記念病院精神科
精神神経学雑誌 119: 98-104, 2017

 公認心理師は領域横断的資格であり,そのカリキュラムと試験の中で医療以外の領域もカバーしなければならない.一方で医療領域で働く心理専門職の数は最も多く,その意味でも公認心理師およびその候補生には医療領域の知識・技能は相当量要求される.本稿では,特に精神科領域に限らず一般医療領域で求められる知識・技能・態度とその教育・研修システムについてこれまでの経緯を踏まえ今後の課題について示した.公認心理師に必要な基本的な医療に関する知識・技能は,医療を規定している法律(医療法・医師法)に関する知識や,医療文化に関すること(保険医療の仕組みや地域包括支援など医療体制の知識,医療安全・感染制御の知識・技能),当事者(患者)すなわち非専門家/素人目線での医療知識である.一般医療領域においてはさらに,①多角的理解力,②力動理解と協働能力,③疎通困難な患者との疎通能力が求められる.公認心理師の水準,各職域領域の水準,専門領域,サブスペシャリティの水準が明示化されることで心理職の専門職性が確固たるものとなっていくであろう.公認心理師の連携の義務に鑑みて,すべての公認心理師に必要な資質として,OARすなわちO(開放性),A(利用可能性),R(責任性/専門性)が重要である.

索引用語:公認心理師, カリキュラム, 一般医療領域, 研修システム, OAR>
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