Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第2号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 公認心理師のこれから
公認心理師のこれから―医療・保健・福祉領域における役割―
宮脇 稔1)2)
1)大阪人間科学大学
2)全国保健・医療・福祉心理職能協会
精神神経学雑誌 119: 120-125, 2017

 公認心理師は医療・保健・福祉・産業・司法を含む汎用性の資格として誕生したが,本論文では医療・保健・福祉領域に限定して報告する.報告ではまず公認心理師誕生までの経過を述べ,次に医療関連領域における公認心理師法の特徴を示し,最後に公認心理師に期待する役割とそれに伴う業務について提言する.精神科医療・保健・福祉現場での専門職のかかわりは,入院中心から地域生活中心へと精神科医療が移行してきたことを受けて,医師を中心として治療する医療チームから,医師と連携して治療やケアにあたるチーム医療へ,そして多職種協働体制へと変化してきている.多職種協働体制における専門職は,スペシャリストとしての知識と専門的技能の発揮と,幅広い教養に裏づけられた経験に基づくジェネラリストとしての人間力を同時に求められる.こうした流れを受けて,公認心理師の心理査定,心理治療,心理教育といった業務に対する出来高に加えて,チーム医療や多職種協働現場における専門職としての必置性に対しても診療報酬による経済的基盤が保障されることを要望したい.半世紀を超えて医療関連領域の専門職として活動してきた心理職が,国家資格創設によって経済的基盤を整え,傷病者,クライエントや医療関連職種からのニーズや期待に応えて,正規職員としてそれぞれの現場で,質量ともに活躍できることを切望する.

索引用語:公認心理師, 医療・保健・福祉領域, 多職種協働, スペシャリスト, ジェネラリスト>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology