Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第1号

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教育講演
第112回日本精神神経学会学術総会
本学会の指針に基づいた学術発表における利益相反の書き方
仙波 純一
さいたま市立病院精神科
精神神経学雑誌 119: 52-58, 2017

 本学会の利益相反委員会では学会員が関与する利益相反(COI)について啓発を進めているところである.本学会では学会誌として「精神神経学雑誌」(精神経誌)と“Psychiatry and Clinical Neurosciences”(PCN)の2誌をそれぞれ編集している.医学雑誌ではその内容に対して,誠実性と公正性が保証されていなければならない.不適切なCOI開示は研究の信頼性を疑わせる.発表者が特定の利益提供者との関係があれば,第三者からデータの解析や結果の解釈などが歪められているのではいかという疑義が差し挟まれる可能性がある.もし故意に利益関係を明らかにしなかった場合は,研究が公正に行われたとしても,社会的には疑惑の対象となってしまう.精神経誌は本学会の指針に則って申告対象となるCOIを投稿時に開示することを投稿者に求めている.ほとんどの場合は,企業からの謝金や講演料,研究費や奨学寄付金,寄附講座などについてであろう.ここで大切なことは,複数の著者がいる場合は,すべての著者についてCOI開示が求められることである.研究組織の長を含め,すべての著者が投稿論文に責任を負っていることに留意してもらいたい.利益相反の有無は,第三者の視点から判断することが重要である.一方,PCN誌は,多くの国際誌が基準としている国際医学雑誌編集者会議(ICMJE)の「統一投稿規定」に従い,COI開示を行うようになっている.すなわちここでのCOI開示は本学会のCOI基準とは別である.この規定では本学会の基準とは異なり,金銭的な関係において額の下限のないこと,非金銭的なCOIもあれば開示することになっている.

索引用語:利益相反, 医学雑誌, 日本精神神経学会, 精神神経学雑誌, Psychiatry and Clinical Neurosciences>
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