Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第1号

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特集 児童期の性同一性障害への対応について
児童思春期の性別違和における心理的支援―臨床心理士の立場から―
吉野 真紀1)2)
1)日本福祉大学子ども発達学部
2)関西医科大学精神神経科学講座
精神神経学雑誌 119: 35-41, 2017

 児童思春期の性別違和のある子どもたちへの心理的支援について,性同一性障害(GID)包括医療チームの一員として従事する経験と,学校現場におけるスクールカウンセラー(SC)としての支援の経験を踏まえ,臨床心理士の立場から考察した.成人のGID症例にみる特徴や心理検査結果から,その子ども時代を振り返り,周囲からの心ない言動などによる自己肯定感の傷つきへのケア,学校において強まる性別にまつわる葛藤の軽減,自己の性別違和と向き合い人生を選択する力の育みなど,児童思春期に必要な支援について述べた.具体的な心理的支援については,学校における事例を提示し考察した.心理臨床の専門家には,発達的な見立てをもちつつ,性別違和という悩みについて子どもたちが話せる身近な場所や関係を作り,家庭や学校と連携しながら支援する役割が求められる.

索引用語:性同一性障害, 性別違和, セクシュアルマイノリティ, 児童思春期, 臨床心理士>
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