Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第7号

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特集 神経症性障害と抑うつ―その相互作用と臨床的意義,治療について―
社交不安症と抑うつ―その相互作用と臨床的意義,治療について―
朝倉 聡
北海道大学保健センター・大学院医学研究科精神医学分野
精神神経学雑誌 118: 501-508, 2016

 社交不安症(SAD)は,有病率が高いことが指摘されており,典型的な発症年齢が10歳代半ばと早く,後にうつ病が併存してくることが多いことは重要だと考えられる.SADへの早期の治療的介入は,その後に発症してくる可能性のあるうつ病の予防という観点からも重要である.SSRIによる薬物療法は,SADの治療および併存する抑うつ症状に対しても有効と考えられる.また,SADを併存するうつ病についてはその抑うつ症状が非定型病像をもつか,双極性障害のうつ病相である可能性はないかなど注意深く検討し,治療的対応を考えていく必要がある.SSRIにより治療反応性がみられない症例についての対応は今後の課題であろう.

索引用語:社交不安症, うつ病, 双極性障害, 治療>
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