Advertisement第117回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第5号

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症例報告
特発性縦隔気腫を繰り返した神経性無食欲症の1例
徳満 敬大1), 鳩山 恵一朗2), 久保田 優花2), 阿佐美 健吾2), 大里 雅之2), 岡本 道孝2), 竹内 淳子1), 谷地森 康二1)
1)十和田市立中央病院メンタルヘルス科
2)八戸市立市民病院外科
精神神経学雑誌 118: 275-280, 2016
受理日:2015年10月30日

 症例は31歳の女性.肥満恐怖を背景に,カロリー摂取制限,過食嘔吐および下剤乱用を繰り返し,約5ヵ月で29 kgの急激な体重減少が進行していた.X年1月,長男の勧めで当科精神科外来を初診した.神経性無食欲症の診断で外来加療を継続していたが,体重および体型に関する自己認識の障害は改善せず,やせ願望を訴えていた.X年5月,自己誘発嘔吐後の胸痛,咽頭痛および呼吸困難感を主訴に,当科精神科外来を受診した.胸部単純X線写真,胸部CTにて縦隔気腫および皮下気腫が明らかとなった.致死的疾患である特発性食道破裂が疑われたため,食道外科手術が可能な高次医療機関に転院した.入院後,上部消化管内視鏡検査および食道造影検査にて特発性食道破裂が否定され,特発性縦隔気腫と診断された.保存的加療により縦隔気腫は消退したが,約8ヵ月後,自己誘発嘔吐後に特発性縦隔気腫が再発した.自己誘発嘔吐を行う摂食障害患者は,嘔吐を誘因として縦隔気腫を発症しうると考えられているが,嘔吐の持続あるいは再開により,縦隔気腫が再発するリスクも潜在的に高まると推定されるため,精神科臨床において注意すべき身体合併症として報告した.

索引用語:縦隔気腫, 神経性無食欲症, 自己誘発嘔吐>
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