Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第2号

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特集 オレンジプラン,中間年の検証,地域連携
東京都における認知症疾患医療センターの活動と早期発見・早期診断推進事業(アウトリーチ活動)の現状と課題
柴田 展人
順天堂大学大学院精神・行動科学
精神神経学雑誌 118: 91-97, 2016

 東京都では精神科病院を含む12の認知症疾患医療センターが活動している.筆者らが担当する区中央部は精神科病院,長期療養型病院が少なく,転院・転所に関する相談が多い傾向がみられた.都では高齢者単独世帯が,急速に増加すると予測されており,平成25年より認知症の早期発見・早期診断推進事業(アウトリーチ活動)が行われている.本活動では,認知症が疑われる事例の居宅を訪問し,認知症の評価,身体的状況を確認し,適切な専門医療機関受診,介護の支援を行うことが目的である.対象者は単身女性が多く,約半数は介護保険申請をしていなかった.認知症の早期発見の事例もさることながら,精神疾患の疑われる,いわゆる処遇困難事例の相談も多く,精神科専門医の役割が重要と思われた.新オレンジプランの中でも,認知症初期集中支援チームがすべての市町村で平成30年度から設置される.さまざまな職種と連携しながら,精神科専門医が認知症の地域連携に積極的に関与していくことが期待されている.

索引用語:認知症疾患医療センター, アウトリーチ活動, DASC-21, 地域連携, 処遇困難事例>
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