Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第11号

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特集 BPSDは誰が診るのか? 誰が診られるのか?
認知症の地域医療で精神科病院が担う役割
田口 真源
日本精神科病院協会
大垣病院
精神神経学雑誌 118: 849-855, 2016

 著者は日本精神科病院協会が平成23年度障害者総合福祉事業指定番号26番「精神科病院における認知症入院患者の退院支援及び地域連携に関し,被災地支援につながるモデル連携パスの作成に関する調査について」にかかわり,地域連携パス「オレンジ手帳」の普及と地域型認知症疾患医療センターの運営を通じて認知症の地域連携に取り組んできた.認知症における精神科病院の役割は入院治療に限定して語られることが多いが,実際には外来診療,重度認知症デイケア,認知症疾患医療センターなどのハード面だけでなく,精神科病院には介護施設や居宅系サービスに取り組んでいる病院も多く,地域の社会資源となっている.一方,ソフト面でも院内に認知症専門医,看護師,薬剤師,臨床心理士,作業療法士,理学療法士などの医療職と精神保健福祉士,社会福祉士などの福祉職がおり,地域で活動している多職種が連携できるよう,相談窓口となったり地域で相談できる専門職がみつからないときなどに支援する役割ももっている.また,現在,認知症モデルとアルツハイマー型認知症モデルの概念の混乱があり,アルツハイマー型認知症は認知症の一部であるにもかかわらず,同一のものと混同されている.特に,アルツハイマー型認知症の症候学を想定した中核症状とBPSDの硬直化した二者択一はそろそろ整理をする必要があるように考え,私案を提案した.

索引用語:地域連携のネットワーク, クリニカルパス, オレンジ手帳, ICT化, 認知症疾患医療センター>
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