Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第9号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 大人のADHDの診断はどのようにあるべきか?
成人期ADHDの臨床像
飯田 順三
奈良県立医科大学看護学科人間発達学
精神神経学雑誌 117: 763-767, 2015

 従来ADHDは子どもの疾患であり,成人するにつれて自然に症状は消失していくと考えられていた.しかし成人しても実は機能的寛解は10%程度であり,児童期にADHDであったものは青年期に至ってもその75%は症状が継続していることがわかってきた.疫学調査でも成人期ADHDの世界的有病率は3.4%という報告がある.成人期のADHDの特徴は不注意症状が中心となり,多動・衝動性は時を経るにしたがって減弱するか,異なった形で発現する.また小児期から症状が持続しているために,ADHD特性が本人の個性となっていて疾患の症状とは考えにくくなっている.このように成人期においてもADHDを念頭において注意深く診断すべきであるが,ADHDに認められる症状は他の多くの精神疾患でもよくみられる症状でもある.そのために丁寧に鑑別して過剰診断にならないように気をつけなければならない.

索引用語:成人期, ADHD, 臨床像, 鑑別診断>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology