4週間の持続期間を有する持効性注射製剤であるゼプリオン(paliperidone palmitate)が本邦に導入されて6ヵ月間の推定投与例約11,000例において,32例の死亡例が市販直後調査で報告された.その半数の16例は広義の突然死(12例は狭義の突然死,4例は突然死の可能性),4例は悪性症候群関連の死亡,7例は自殺であり,悪性腫瘍,肺炎など重篤な基礎疾患を有する患者に本剤を投与してその後に死亡した例も存在していた.ゼプリオンの全死亡リスクについて他の調査との比較では高くはなかったが,突然死リスクは海外の調査との比較では高い可能性があった.欧米各国における多数の報告によれば統合失調症患者の平均寿命は一般人口と比べて10~25年短く,このmortality gapは自殺よりも,心血管系疾患などの身体疾患による死亡リスクがより強く影響している.突然死の少なくとも半数以上は,心筋梗塞などの心臓突然死によると推定されるので,mortality gapをもたらす最大の原因が,心臓突然死による死亡の差異である可能性が高い.今回のゼプリオン問題によって,わが国の精神科医療の中で,忘れられていた,あるいは無視されていた統合失調症患者の突然死問題が白日のもとに引きずり出されたことになる.これを機に,我々はこの問題に真剣に取り組むべきであり,実態を正確に把握した上で,死亡リスクを減らす努力をしなければならない.
はじめに
2012年8月にコンボ(特定非営利活動法人地域精神保健福祉機構)主催のリカバリー全国フォーラムで,精神科薬物治療の安全性を問うシンポジウムがあり,私も頼まれて話をすることになった.ここで,旧知の川崎市家族会の小松正泰さんから,5年間に会員子息24名(すべて統合失調症)が死亡し,その中で11名が突然死で,その死亡率は全人口と比べて6倍との発表があった35).この話を聞いて,私はギクリとしたが,まさかそんなことは…と,そのままにしてしまったのは不明の至りであった.これが今回のゼプリオン問題の序章なのである.
ゼプリオン(paliperidone palmitate)は2013年11月に本邦に導入され,4週間タイプの最初の非定型抗精神病薬の持効性注射製剤として大きな役割を果たすことが期待されていた.私はこの製剤の講演を行い,論文も執筆したが14),本剤が順調に定着しつつあると思われた2014年3月に,市販直後調査の中間報告として死亡例(7例)報告がもたらされた.4月4日には17例となり,4月9日に読売新聞に掲載され,さらに同日の「医療ルネッサンス」の記事には「薬物性心筋症」で突然死した統合失調症患者の経過が取り上げられ,川崎市家族会の高い死亡率データについてもふれられていた.4月17日には死亡例は21例となり,ブルーレター(安全性速報),添付文書の改訂,そして同日の厚生労働省のプレスリリース後に,各新聞社やテレビニュースなどのメディアで大きく取り上げられることになった.
当時,何人もの精神科医から「うちではゼプリオンの使用を中止している,先生の病院ではどうしているのか」との質問を受けた.私はこの問いに対して,確信をもてないながらも,「これはゼプリオンを中止しただけでは済まないような,大きな問題の幕開けなのかもしれない」と答えた.それは,小松さんの発表や,ようやく集まりつつあった最新の突然死文献が頭にあったからである.
なお,本稿は2014年の日本精神神経学会における緊急教育講演をまとめたものであるが,これについてはすでに臨床精神薬理誌に詳細に報告してあり,特に公開された死亡例の概要や文献的考察などについてはこの論文を参考にしていただきたい15).
I.市販直後調査
市販直後調査とは新医薬品の販売開始に治験段階では判明していなかった重篤な副作用などが発現することがあるため,販売開始から6ヵ月間について,特に注意深い使用を促し,重篤な副作用が発生した場合の情報収集体制を強化するために作られた制度である.調査期間は6ヵ月間であり,新しい薬が発売された場合,最初の2ヵ月間はおおむね2週間に1回,その後は月に1回,医薬情報担当者(すなわち営業担当者)が医療機関への訪問などによって,主治医からの情報などを書き留め,会社側に報告し,それをさらに独立行政法人医薬品医療機器評価機構(PMDA)へ報告することになる.
したがって,市販直後調査はプロトコールを定めての調査や研究ではない.そして,主治医からの報告と営業担当者の情報収集活動にこの調査の感度が影響するため様々なバイアスが入る.私はこのような調査があること,毎回その調査結果が医師に手渡されていたことをよく認識していなかったし,注目したこともなかった.実態としては,これまで公表された市販直後調査では,死亡例についても,その薬剤と関連があると判断されたものだけが公表されてきたようである.
今回のゼプリオン市販直後調査では,企業としてのコンプライアンスが厳格になった中で,メディアなどで注目が集まり,担当者も真剣に取り組んだ結果,すべてではないだろうが,死亡例がかなりの確度で集積されたことは間違いない27).本調査では本剤販売開始6ヵ月間の使用患者推定数約11,000例中の死亡例は最終的に32例となり,男女比は21対10(不明1),平均年齢は51.2歳であった.そして32例の半数である16例は広義の突然死(12例は狭義の突然死,4例は突然死の可能性),4例は悪性症候群関連の死亡,7例は自殺であり,悪性腫瘍,肺炎など重篤な基礎疾患を有する患者に本剤を投与してその後に死亡した例も存在していた.
ここで突然死の定義についてあらためて記載する.ICD-10では突然死を即死,あるいは発症後24時間未満の死亡で他に説明がないものと定義している.これは,このような死亡が,心臓突然死ともっとも関連しているからである.今回はこれを狭義の突然死とした.しかし実際の症例では,例えば単身生活をしていた患者では発見されるまでに24時間以上経過していると,この狭義の突然死に含まれなくなる.そのため,ゼプリオン市販直後調査ではそれまで死亡する可能性があるような疾患に罹患していない患者が突然死亡した場合も,広義の突然死としてカウントするという方法を採用した.このような方法は後述した大規模研究でも用いられている57).
II.ゼプリオン投与中の32例の死亡例は異例に多いのか?
1.検討方法と制約事項
図1に32例の死因について示したが,この死亡例数が異例に多いのかは重大な問題である.この点について本稿で採用した検討方法と,その制約についてまず説明する.
まず制約であるが,以下の検討は,推定されたゼプリオン使用例数や使用期間が正しく,市販直後調査ですべての死亡例が検出されたことが前提となる.ゼプリオンは1回の投与量として25 mg,50 mg,75 mg,100 mg,150 mgの5つの製剤があり,その投与方法は導入レジメンが基本とされている.このような製剤上の特性から,使用例数や使用期間の推定が可能になったが(経口薬では市販直後調査での使用例数の推定は不可能であり,ゼプリオンの結果との死亡リスクの比較は困難),あくまで推定値である.そして今回はかなりの確度で死亡例が集積されたとしても,それがすべてかどうかはわからない.これらの制約の中での比較であることをお断りしておく.
次いで検討方法について説明しよう.ある薬剤投与中の死亡リスクについて,例えば3ヵ月投与での死亡率と2年間投与での死亡率をそのまま比較することはできない.薬物治療の継続期間が異なる研究間での死亡リスクを比較するには,人年(person-years:p-y)の概念を用い,例えば1,000 p-yあたりの死亡について比較することが一般的である.例えば15/1,000p-yの死亡リスクがあるということは,統合失調症患者1,000例に対して1年間ある薬物治療を続けた場合,15例の死亡例があったことを示している.もちろん,いくつかの死亡リスクについての検討結果を比較する場合には,それぞれの対象群の背景要因(特に年齢や合併症などのリスク要因)を調整して死亡リスクの比較をするべきであるが,今回はゼプリオン投与群全体の背景要因が不明であるから,このような操作は不可能である.
ここでゼプリオンの使用期間が問題になる.今回のゼプリオン市販直後調査は6ヵ月の調査であるが,対象患者全員が6ヵ月のゼプリオン投与を受けたわけではない.この場合,平均使用期間を短く設定するほど,p-yに換算された死亡リスクは高くなる.ゼプリオン投与患者が全員,他のデポ剤からの切り替え(導入レジメンなし)をしたと仮定すると,その平均使用期間は5ヵ月と推定され,これをゼプリオン5Mと表記した.もしゼプリオン投与患者に全員,導入レジメンをしたと仮定して計算すると,平均使用期間は4ヵ月と推定され,これをゼプリオン4Mとする.ゼプリオン市販直後調査ではこのゼプリオン4Mの数値が採用されている.私は,これに加えて,もっとも厳しい想定として,平均使用期間が3ヵ月であった場合(ゼプリオン3M)も想定することとした.
2.比較した報告など
今回は一般臨床の中での死亡リスクであるので,比較する報告も一般臨床の中での薬物治療継続中の統合失調症患者の死亡リスクでなければならない.
まずZiprasidone Observational Study of Cardiac Outcomes(ZODIAC)57)を比較対象として選定した.Ziprasidoneは,QTc延長による心臓への影響がその認可の過程で問題となり,市販後に大規模な検証が米国FDAなどから求められた.そしてこのような問題が少ないとされるolanzapineを比較対照として1年間の検討が行われた.この研究では,一般臨床に近い検討をするために,抗精神病薬の併用も可としている.対象は18歳以上の統合失調症患者(n=18,154)であり,進行性致死性疾患などに罹患していた患者は対象から除外されている.今回,ゼプリオン市販直後調査と比較するにあたって,ziprasidone群とolanzapine群を足し合わせた群における薬物治療中の死亡リスクをこの論文に基づいて計算した.この論文にはすべての死亡,前述した広義の突然死,狭義の突然死,自殺などについても詳細に報告されているので,これらすべてをゼプリオンのデータと比較することができた.
次に採用したのはDenmarkで行われたnationwide register-based cohort study48)である.ここでは18~64歳の統合失調症患者に対して,olanzapine(n=15,774),quetiapine(n=18,717),risperidone(n=14,134)を1年間投与して詳細な検討が行われており,3つの抗精神病薬のいずれかを投与継続した場合の全死亡リスクの数値を比較対象とした.
3つ目は,山梨県立北病院での統合失調症受診患者の死亡調査である.北病院では外来看護部門が長年にわたって死亡患者リストを作成していた.これは病院での調査であるので限界があるが,北病院のような都会ではない地域に存在している精神科病院では,かなりの割合で死亡例を捕捉することができる.今回比較したのは,2013年4月1日から2014年3月31日の1年間に山梨県立北病院を受診し治療をしているすべての統合失調症圏患者(n=1,367)であり,年齢制限などはなく,悪性腫瘍などの患者も対象に入っている.これらの患者の1年間の受診期間合計も調査してp-yを計算した.1年間での死亡例は22例で,広義の突然死14例(狭義の突然死9例),悪性腫瘍などの身体疾患での死亡5例,自殺3例であった.突然死14例の中で北病院入院中の症例は1例のみで,13例は通院患者であった.この調査の詳細や薬物治療との関係などについては,別に発表した26).
3.比較結果
表1にゼプリオン市販直後調査と比較する3調査の調査方法や患者背景などをまとめた.
図2にゼプリオン3M,4M,5Mと3調査との全死亡リスク比較(1,000 p-y)を示す.これによればゼプリオン4M,5Mの全死亡リスクは,ZODIACやDenmark調査と比べてやや低く,北病院調査と比べると低い.ゼプリオン3MではZODIACやDenmark調査とほぼ同等であり,北病院調査と比べると低い.
図3には広義と狭義の突然死リスクを示した.広義の突然死リスクはゼプリオン5 MではZODIACと同等であり,北病院調査より低い.ゼプリオン4MではZODIACよりやや高く,北病院調査よりは低い.ゼプリオン3MになるとZODIACよりも高く北病院調査より低い.狭義の突然死リスクはゼプリオン3M,4M,5MいずれもZODIACより高く,北病院調査よりは低い.
図4には自殺による死亡リスクを示した.ゼプリオン4M,5MはZODIAC,北病院よりも低く,ゼプリオン3MではZODIAC,北病院とほぼ同等である.
III.公開された27例についての解析
ゼプリオン投与中に生じた32例中27例については,症例概要が公開されている.27例の死因は悪性症候群類似状態後の死亡4例,重篤な合併症での死亡4例,そして広義の突然死13例などであった.以下に症例番号が出てくるが,それぞれの症例については,別の文献(15),27))などを参照していただきたい.
1.悪性症候群類似状態後の死亡例
まずrisperidoneの3日間の投与後にゼプリオンの導入レジメンが行われ,悪性症候群が出現し死亡した例(症例20)が重要である.ゼプリオンを最初に投与する前に,どの程度の期間,risperidoneやpaliperidoneによる経口投与で効果や副作用について検討すべきかは議論があるが14),3日間は明らかに短いであろう.これで判断できるのは,risperidoneへのアナフィラキシー反応などに限られる41).次いで,拒薬・拒食の急性期症例へのゼプリオン投与後の死亡例(症例5)も重要である.このような状況の症例に対して,デポ剤投与の危険性については,繰り返して指摘されている12).症例5,20に共通しているのは,risperidoneやpaliperidoneによる十分な期間の経口投与による治療反応性や忍容性の検証が行われていない点である.添付文書には「一定期間経口paliperidoneやrisperidone製剤を投与」してこれらを行うことになっているが,この一定期間とはどの程度の期間なのかは明示されておらず,この点について検討やガイドラインの作成が必須である.
ブルーレターとともに行われた添付文書の改訂では本剤について「急激な精神運動興奮等の治療や複数の抗精神病薬の併用を必要とするような不安定な患者には用いないこと」と記載された.欧州でのゼプリオンの説明文書の使用上の特別の注意には,「急性症状が活発で興奮している患者や精神病の状態が重篤な患者への使用」として「ゼプリオンは急速な症状コントロールが望まれるような急性興奮あるいは重篤な精神病状態の対応には用いるべきではない」と明確に記載されている.この点について,私は講演をするたびに繰り返して指摘し,論文にも明確に記載して注意を喚起してきた14).ヤンセンファーマは本剤を急性期治療のある段階から使用開始させるという戦略をもって開発,認可のプロセスを進めてきたが,一方で急性期のデポ剤の使用のリスクについての対応が十分であったかは疑問である.遅まきながら添付文書の改訂で,この点についての記載が行われたことは評価したい.急性期での薬物治療においては,常に悪性症候群のリスクを念頭に置きながら,経口抗精神病薬への反応や臨床検査値などを考慮して慎重に判断すべきであり,特に身体状況が不良な急性期の拒絶症例にはデポ剤を用いるべきではない.
症例2については,持効性注射製剤への換算が問題になる.デポ剤への換算では,そもそも現在投与されている経口抗精神病薬の用量が適切なのか,副作用が出現していないのか,患者はその薬剤を本当に服用しているのかなどをもう一度評価してみることが望ましい.そして,持効性注射製剤使用中は錐体外路症状のチェックが常に必要であり,これが十分でなかったために悪性症候群が出現した外来症例を私どもも経験している70).
悪性症候群が出現すると,発症後30日以内の死亡がハザード比で1.88と有意に増加し,死亡率は8.4%であることがわかっている46).持効性注射製剤での悪性症候群リスクについては議論があるが13)69),持効性抗精神病薬は体から排除できないので,より入念な配慮が必要なことは間違いない.
ゼプリオンのブルーレター後の,添付文書の改訂で,用法・用量に関連する使用上の注意に「過去にパリペリドン又はリスペリドンでの治療経験がない場合には,まず,一定期間経口パリペリドン又は経口リスペリドン製剤を投与し,治療反応性及び忍容性があることを確認した後,経口パリペリドン又は経口リスペリドン製剤を併用せずに本剤の投与を開始すること」との記載が追加された.この下線部分について,悪性症候群や重症錐体外路症状防止の視点から,見解を述べておきたい.持効性注射製剤の導入では,そもそもstart low and go slowが大原則とされた12)29).特に反応性や副作用リスクが見極め難い症例には持効性注射製剤は少量から投与し,足りない分は経口抗精神病薬を補助的に併用し,徐々に持効性注射製剤を増量していく方法(漸減漸増法)がその導入の基本であった.このような方法をとると,経口抗精神病薬と持効性注射製剤の両方で処方量の調整が可能となり,特に前者では対応が早く行えるからである.ゼプリオンは導入レジメンをその使用開始方法の基本としているが,これにはrisperidoneやpaliperidoneの至適投与量が判明していることが前提であり,これが確立していない場合や,錐体外路症状のリスクが高い場合(例えば高齢者)などでは,少量のゼプリオン(例えば25 mg)を投与し,経口的にrisperidoneあるいはpaliperidoneを併用し,徐々に経口投与を減らして,ゼプリオン単独投与に持ち込む方法もありえる.おそらく,今回のゼプリオンの死亡例にrisperidoneやpaliperidoneが経口的に併用されていることがあったので,このような改訂に結びついたのであろうが,もう一度リスク/ベネフィットを詳細に検討した上で,見直していただきたい.
2.重篤な合併症患者における死亡
重篤な合併症患者に本剤が投与されその後死亡した症例が4例存在した.症例13,14,15では経口薬の服薬が困難であるために,ゼプリオンが用いられたと推定される.身体合併症で抗精神病薬の経口投与が困難な場合に,どのようにして抗精神病薬を投与するのかは,特に総合病院で合併症治療をしている場合に大きな問題となる.これらの症例が,合併症自体のために亡くなったのか,本剤がこれに関与したのかは不明である.しかし,身体的な病状の変化が想定される重症合併症例では,ゼプリオンなどの作用期間が長い持効性注射製剤は,投与量調整についての柔軟性が乏しいので,やはりその適応は慎重に考えるべきであろう.
3.突然死による死亡
公開されている27例中13例の広義の突然死例の中で,9例が狭義の突然死であり,4例は突然死の疑いとされた.突然死の疑いとされた4例中3例(症例3,4,23)は単身生活であり,症例29もおそらく単身と推定される.13例の突然死例の中で剖検が行われて死因が確定された症例はない.
これら突然死例で記載された死因の中には,嘔吐とこれに伴う気道閉塞が認められた症例が3例(症例11,17,29)ある.気道閉塞は後述する抗精神病薬導入初期の統合失調症の突然死報告でも比較的多い死因であるが,嘔吐がなぜ生じたのかはわからない.症例8は「大量服薬による呼吸不全」が死因とされた.その他にも心筋梗塞による死亡(症例10),脳卒中の疑い(症例11),心臓か肺動脈血栓塞栓症の可能性(症例24)などと記載されているが,いずれもこれらが正しい死因かどうかは剖検されていないことから確定できない.このようにしてみると,13例すべてが原因不明の突然死と考えられる.
4.突然死例と非突然死例の比較
突然死13例(男性8例,女性5例),非突然死14例(男性9例,女性5例)の死亡年齢分布を比較すると明らかに異なり,突然死例は50歳代に明確なピークがあり,非突然死例は各年代に1~2例ずつ分布している.また突然死例は13例中11例(85%)が通院例であるが,非突然死例の中の通院例は14例中6例(43%)である.
一方,ゼプリオンの使用開始にあたって導入レジメンを用いた割合は,突然死例では31%で,非突然死例では29%とほぼ同様である.またリスパダールコンスタからゼプリオンへの切り替えを行った症例は,突然死例では38%で,非突然死例では38%とこれも同じ割合である.
なお32例の死亡例全体について,ヤンセンファーマの市販直後調査で狭義の突然死とされた12例では,突然死・自殺例以外の13例と比較してchlorpromazine換算値が多いとの結果が得られた27).しかし,併用抗精神病薬の詳細は公開された症例の資料には記載されていないので,本稿でこの点について分析することは不可能である.
IV.抗精神病薬と突然死
1.抗精神病薬導入初期の報告された死亡例や突然死
1950年代にchlorpromazineが臨床導入され,1950~60年代はphenothiazine系薬物の時代であったが,これらの薬物が臨床で幅広く,そして大量に使われるようになってまもなく,死亡例や突然死例が報告され,phenothiazine deathsと呼ばれた49).これら50年以上も昔の報告をみると,抗精神病薬の影響も想定される気道閉塞や窒息10)19)67),身体疾患の潜在化64)71),抗精神病薬に関連すると思われる心臓の伝導系障害32),そして冠動脈疾患,心筋梗塞23)24)など現在でも繰り返されている問題が当時から認められていたことがわかる.そして剖検しても原因が判明しない死亡が統合失調症患者で多い可能性がある点20)24)28)53)も重要である.
2.抗精神病薬服用中の患者における心臓突然死リスクについての大規模調査結果
抗精神病薬投与と心臓突然死との関係に再び大きな注目が集まったのは,Rayらの2009年の大規模調査50)によってである.この調査は1990~2005年の米国Tennessee州におけるMedicaidでの抗精神病薬使用患者(30~75歳)の心臓突然死例を後方視的に検討したものである.調査されたのは定型抗精神病薬使用44,218例,非定型抗精神病薬使用46,089例であり,抗精神病薬を使用していない186,600例がコントロール群として設定された.コントロール群と比較して,定型抗精神病薬使用群ではadjusted incidence-rate ratios(IRRs)が2.00,非定型抗精神病薬群では2.27であることが明らかになった.すなわち,抗精神病薬を服用していると心臓突然死のリスクが2倍に高まるとの結果であった.さらに,この報告では抗精神病薬の用量が増えるに従って,心臓突然死リスクが高まるとの結果が得られたことから,抗精神病薬によるQTc延長と突然死との関係が大きな問題として取り上げられることになった.Rayらの報告では,多くの抗精神病薬は心筋細胞の再分極過程を抑制し,これがtorsades de pointes(TdP),心室細動,突然死に結びつくことが想定されている.そしてこの論文が掲載されたThe New England Journal of Medicine誌のeditorialには,抗精神病薬治療開始直後に心電図を行うことやQT時間が延長している場合には抗精神病薬を減量あるいは中止すべきこと,そして心電図の経時的な追跡を行うべきであることなどが述べられている56).
しかし,この調査結果などについてはAPAの委員会からの批判的な報告が公表されている39).ここではすべての患者にQTcを継続的に測定する方針の採用については時期尚早で,QTcはbiomakerとして不完全であること,QTc延長によるTdPの予見の特異性は低く,薬物によっては両者の乖離があることなどを指摘し,精神病患者へのガイドラインを遵守し,心臓の安全性チェックについては病歴や治療歴の聴取や十分な身体的診察,通常の臨床検査によるべきであり,その上で,QTc間隔が500 msec以上の場合や,あるいはベースラインから60 msec増加した場合はTdPのリスクが増加するかもしれず,当該薬物の減量・中止が望ましいとしている.
3.英国における精神科病院入院患者における突然死調査
原因不明突然死について,EnglandとWalesの精神科病院に1999~2005年に入院した精神科患者についての大規模な調査が行われた68).原因不明突然死は283例で,10,000件の入院あたり2.33の頻度で生じ,年間では平均41件で,21世紀になって明らかな増加傾向は認められなかった.突然死のリスク因子はbenzodiazepine〔オッズ比(OR):1.83〕,抗精神病薬の2剤以上の併用(OR:2.35),promazine(OR:4.02),diazepam(OR:1.71),clozapine(OR:2.10),心血管系疾患(OR:2.00),呼吸器系疾患(OR:1.98),認知症の診断(OR:2.08)などであり,投与されていた抗精神病薬(定型,非定型)の用量と原因不明突然死との間には,統計的に有意な関係は認められなかった.またデポ剤やthioridazineなどのQT延長に関係するとされた抗精神病薬に関しても,原因不明突然死との間に有意な関係は認められなかった.
4.Zucker Hillside Hospitalにおける突然死調査
Manuら40)は,Zucker Hillside Hospitalで19~74歳の患者に生じた突然死100例について調査した.この100例中48例では死因が判明し,52例は原因不明の突然死とされた.死因が判明した48例の中で主なものは,心血管系疾患が22例(急性冠動脈症候群15例,心不全2例,大動脈解離2例,心筋炎2例,心臓震盪1例),ガス交換障害17例(上気道閉塞5例,肺塞栓4例,気管支喘息2例,肺炎2例,特定されない呼吸障害4例),頭蓋内イベント5例(塞栓発作3例,脳出血2例)などであった.原因不明の突然死例と死因が判明した突然死例を比較すると,前者で脂質異常症,糖尿病,脂質異常症+糖尿病である割合が有意に高いことが明らかになった.また原因不明の突然死例の死亡年齢は49.7±13.0であり,21世紀になってからの原因不明の突然死の増加が指摘されている.
V.剖検による統合失調症突然死例の死因
突然死の原因を探る際に,剖検による死因の検討は欠かせないが,統合失調症患者の突然死について多数例の剖検結果をまとめた報告は極めて少ない.
最初に紹介するのは抗精神病薬導入当初の米国における報告24)である.これは1954~1959年に米国の29の在郷軍人病院において,40歳以上で死亡した白人男性統合失調症患者1,275例の剖検報告であるが,その中で死亡状況が明らかであったのは1,063例であり,この1,063例中の突然死は330例で,死亡状況が判明した症例の31%を占めていた.突然死の330例には事故死が5例,自殺が4例含まれているので,これらを除いた321例中238例(74%)が心血管系疾患による死亡で,心筋梗塞220例(突然死の69%),大動脈弁狭窄5例,肺性心5例,動脈硬化性心疾患4例,リウマチ性心疾患4例であった.突然死例の死因の2番目は呼吸器系疾患(10%)であり,気道閉塞による窒息15例,肺塞栓11例,肺炎5例,喘息1例であった.そして剖検しても死因が不明な突然死例は34例(11%)認められた.
次にRomaniaのBrasov市(人口277,000人)にある120床の公立精神科病院における調査がある25).この病院には1989~2011年末までに7,189例の統合失調症患者が入院したが,この入院中に突然死した患者は57例で,入院患者の0.79%であった.この57例中51例(89.5%)について剖検がなされており,年齢は55.9±9.4歳,男性は29例(56.9%),突然死までの統合失調症罹病期間は27.7±10.3年であった.この51例中32例(63%)が心血管系疾患で,心筋梗塞27例(突然死の53%),心筋炎3例,拡張型心筋症1例,心嚢血腫1例となっていた.次いで呼吸器系疾患11例(22%)で,内訳は肺炎6例,気道閉塞4例,肺塞栓1例であった.剖検しても死因が不明である症例は6例(12%)であった.
これらの報告をまとめると,統合失調症患者の突然死例の死因の6~7割は心血管系疾患であり,特に5~6割は心筋梗塞であること,1~2割は呼吸器系疾患であること,そして剖検しても原因不明の症例が1割程度認められることなどが明らかである.これら1割程度の原因不明の突然死はSweetingら58)らが述べているように心臓の伝導系障害による死亡の可能性がある.さらに,心臓の基礎疾患(潜在性のこともある)に,精神科の薬物治療の影響が加わって突然死が生じる可能性については,いくつかの報告があり11)21)25),今後の検討が必要な点である.
おわりに
欧米各国の多数の報告によれば統合失調症患者の平均寿命は一般人口と比べて10~25年短く2)5)18)37)42)43)47),この差異が近年さらに広がってきているとの報告もある5)45)55).このmortality gapは自殺よりも,心血管系疾患などの身体疾患による死亡リスクがより強く影響しており4)7)18)33),突然死の少なくとも半数以上は,心筋梗塞などの心臓突然死によると推定されるので,mortality gapをもたらす最大の原因が,心臓突然死による死亡の差異である可能性が高い.
ゼプリオン投与中に32例の死亡例があり,その半数は広義の突然死であったことをどのように考えたらよいのだろうか.これら突然死例の死因は不明であるが,そのかなりの割合は心筋梗塞などによる心臓突然死である可能性が高く,これにはメタボリック症候群の関与が推定される.もちろんQTc延長などの不整脈の問題も忘れてはならない30)51)52)59)63)65)66).
ゼプリオン問題と時を同じくして,世界的に精神科における突然死や死亡リスクが大きくクローズアップされ,欧米各国において重要なデータが次々発表されてきている5)6)8)34)60-62).統合失調症患者は,遺伝的に突然死やメタボリック症候群のリスクが高く1)17)22)38)54),問題が多いライフスタイル3)9)31)33)や抗精神病薬の影響,不十分な健診36)や身体的治療16)44)などによって死亡リスクが相乗的に高まると想定されている.しかし,統合失調症患者でも虚血性心疾患と診断されていた患者に限定すれば,統合失調症患者と一般人口の同疾患による死亡率の差は少なくなるというSwedenの研究結果7)からも,保健や医療を統合してこの問題に取り組むことの重要性が明らかである.
ゼプリオンで死亡リスクや突然死リスクが高まるのかどうかは今回の市販直後調査だけではわからない.繰り返すが,この点を明らかにするには,死亡していない症例も含めたゼプリオン投与全例への厳密な調査が不可欠である.そして,仮にゼプリオンのリスクが通常の抗精神病薬治療と同等であったとしても,それでこの問題を終結させてはならない.山梨県立北病院における統合失調症通院患者の突然死の多さに私は衝撃を受けている.これは私どもの病院だけの問題なのだろうか? 川崎の家族会の小松さんの指摘35)を無視してはならない.明らかに「ゼプリオンを使わなければいい」というような問題ではないのである.
いずれにせよ,ゼプリオン投与中の死亡例によって,わが国の精神科医療の中で,忘れられていた,あるいは無視されていた統合失調症患者の突然死問題(特に通院患者)が白日のもとに引きずり出されたことになる.これを機に,我々はこの問題に真剣に取り組むべきであり,少しでも死亡リスクを減らすように努力しなければならない.それこそが死亡された多くの方々に報いる最善の道ではないだろうか.
脚注
第110回日本精神神経学会学術総会=会期:2014年6月26~28日,会場:パシフィコ横浜
総会基本テーマ:世界を変える精神医学―地域連携からはじまる国際化―
緊急教育講演:ゼプリオン投与中の死亡例から,我々は何を学ぶべきか? 座長:三國 雅彦(国際医療福祉大学病院精神科/群馬大学大学院医学系研究科)
2013年11月に発売されたパリペリドンパルミチン酸エステル持効性製剤使用例において,因果関係は不明であるが2014年4月までに21例の死亡が報告された.そのため安全性速報が発出され,添付文書が改訂された.この事態を受けて,2014年6月に開催された第110回日本精神神経学会において,山梨県立北病院の藤井康男院長による,「ゼプリオン投与中の死亡例から,我々は何を学ぶべきか」と題する緊急教育講演が行われた.編集委員会では,この講演内容を掲載すべく原稿を依頼した.本稿の内容と記述は,著者自身が本文中に記すように,2014年10月に発表された臨床精神薬理学誌上の同著者の同名の論文と重複が多い.しかしながら,精神神経学会会員に広く知らせるべき内容であるため,緊急教育講演記録として掲載する.
精神神経学雑誌編集委員会
利益相反
ゼプリオン市販直後調査結果アドバイザリーボードの3回目(2014/6/2)に社外医学専門家として参加
講演料 日本イーライリリー株式会社,ヤンセンファーマ株式会社
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