Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第8号

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教育講演
第109回日本精神神経学会学術総会
産業現場に対し精神科主治医ができること,できないこと
井上 幸紀
大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学講座
精神神経学雑誌 116: 697-701, 2014

 急激に変化する社会構造の中で,精神科主治医が職場と連携できる可能性と限界について考える.精神科主治医は患者側に立ち疾病性に対応し,産業現場は安全配慮義務と危機管理のバランスを考えながら事例性を中心に対応する.主治医が処方や診断書を作成する権限をもつのに対し,産業医は様々な法令や指針,手引きに則り,適切な就労条件を整えるよう労働者や会社に指示をする権限をもつ.精神科主治医は労働者のメンタルヘルス不調に対し疾病性への対応は可能であるが,具体的な職場介入には限界がある.精神科主治医が産業医を含めた産業保健スタッフの立場や判断基準は異なることを理解し,国の手引きや指針を理解して産業現場と連携することは,メンタルヘルス不調を持つ労働者が健康的に働き続けるために重要となる.

索引用語:精神科主治医, 産業保健スタッフ, 疾病性, 事例性, 連携>
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