Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第7号

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特集 児童から成人へのキャリーオーバーを見据えた精神医学の構築
精神医学の臨床研究における小児期から成人期への連続性と非連続性
桑原 斉1), 川久保 友紀2), 金生 由紀子2)
1)東京大学バリアフリー支援室
2)東京大学大学院医学系研究科こころの発達医学分野
精神神経学雑誌 116: 590-596, 2014

 小児期と成人期の脳の連続性,非連続性を問うたとき,脳の発達として一括りにして説明することは困難なようである.むしろ,行動,構造,機能,部位などの各水準,その構成単位ごとに,発達の過程にあるのか,完成をみた後に変化がない,あるいは老化の過程にあるのかという経過の中の位置づけの違いに非連続性があるともいえる.発達過程を見据えた臨床研究は経過によって変化する性質を前提にしているので,変化をしないことを前提にした臨床研究よりも難しいかもしれない.様々な構成単位によって変化の時期も異なるようで事態はさらに複雑であることが予想される.一方で,発達過程を見据えることで可塑性とその臨界点,適切な介入時期を見出すことができたなら,より合理的で効果の大きい介入戦略を開発することができるかもしれない.

索引用語:発達, 可塑性, 臨界点>
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