Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第4号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 精神保健福祉法の今後を展望する―保護者制度の廃止を見すえて―
新しい非自発的入院制度における入院患者の権利擁護
井上 雅雄
岡山パブリック法律事務所
精神神経学雑誌 116: 298-301, 2014

 新しい非自発的入院制度について,厚生労働省の「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」が,平成24年6月28日に発表した「入院制度に関する議論の整理」と,今回の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(以下「精神保健福祉法」という)の改正法とを比較し,入院患者の権利擁護の視点で新しい非自発的入院制度を考察した.非自発的入院における患者の権利擁護のための実体的要件と手続的要件を考察し,精神保健福祉法の改正を評価した.その結果,改正法は,患者の権利擁護のための実体的要件及び手続的要件を満たしていないことが明らかになった.改正法は,3年後の見直しを規定している.改正法の運用に注視するとともに,精神医療審査会の機能強化や代弁者(アドボケーター)の導入等について見直しに向けた取組が必要である.

索引用語:権利擁護, 非自発的入院, 保護者, 代弁者, 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology