近年，精神科でもチーム医療を求める声はますます強まっている．しかし，医師が自施設でそれをどのように進めればよいかはほとんど明らかにされていない．チーム医療には専門職間のコミュニケーションや協働が必須であり，効果的な多職種連携教育はそれを促進する．本研究の目的は，医師が各種の研修会を通して，自施設で多職種連携を，そしてチーム医療をどのように進めていけばよいかを明らかにすることである．今回，チーム医療を推進する人材を養成する研修を受講した看護師を対象にフォーカス・グループを行った．結果として，異なった専門職が集い，相互に学び合うことを意図したinterprofessional educationの研修構造が適していることが示された．また，受講者が現場で，職種間，部署間に起きる対立，葛藤，衝突，軋轢に遭遇していることも示され，連携を促進するようなシステム上の変化も意図する必要があると思われた．今後の研究への示唆，医師がチーム医療を進める上での注意点も合わせて考察した．