Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第2号

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教育講演
第109回日本精神神経学会学術総会 教育講演
日本精神神経学会のCOI指針の現状と今後のあり方
三國 雅彦1), 栗原 千絵子2), 宮岡 等3)
1)国際医療福祉大学病院精神科
2)放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター
3)北里大学医学部精神科
精神神経学雑誌 116: 144-150, 2014

 日本精神神経学会では,2011年5月「臨床研究の利益相反(COI)に関する指針」およびその細則を作成した.本指針は,臨床研究を適用対象としているが,学会内の各委員会の判断で基礎研究を対象とする場合がある.学会に設置した利益相反(COI)委員会では,1年間を試行期間とし,その後は本格実施として指針の運用を行った.学術総会,学会誌での発表では,指針に従ったCOI開示を求めた.役員・委員などは理事長にCOIを申告するが,試行期間中の1年間は作成に携わった4委員会(COI,薬事,研究倫理,編集)のみに,本格実施後は全役員・委員会委員・学会事務局員に対し申告を求め,COI委員会において審査を行った.本格実施後の審査では,申告対象者382名のうち,COIなしと申告された者298名,あっても委員において回覧する必要のない程度とされた者35名(計329名,87%),委員において回覧が必要とされた者31名(8%),催促にもかかわらず申告されない,申告拒否,などの問題があった者18名(4.7%)という集計結果が得られた.他の疾患領域では,COIと関連して深刻な科学的不正を疑われる事例が発生しているので,今後,本学会におけるCOI指針の運用,啓発について,さらに検討していきたい.

索引用語:利益相反, 臨床研究, 臨床試験, 研究倫理, 科学的不正>
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