Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第1号

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特集 ICD-11とDSM-5の最新動向と国際的な診断基準の問題点
DSM-5の最新動向
松本 ちひろ
東京医科大学精神医学講座
上智大学総合人間科学研究科心理学科
精神神経学雑誌 116: 54-60, 2014

 2013年5月に第166回米国精神医学会議が開催され,発刊を迎えたDSM-5に関し多数のセミナーやシンポジウムが開催された.本稿では,わが国においても広く用いられてきたDSM-5の前身にあたるDSM-IV-TRからの変更点を中心にDSM-5に関する最新情報を紹介した.DSM-IV-TRからの大きな変更点として,統合失調症の亜型分類廃止,双極性障害における特定用語の対象となる臨床症状の増加,抑うつ性障害における死別基準の除外基準の削除,広汎性発達障害の再概念化などを紹介した.またこれらの変更点から,カテゴリカルからディメンショナルな診断への移行,それに伴う特定用語(Specifier)の多用,医師の裁量拡大が全体の傾向として挙げられた.また,DSM-5作成に際し寄せられた批判を紹介するとともに,今後診断分類システムに求められるあり方について考察した.

索引用語:DSM-5, 分類, 診断基準>
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