【目的】本研究は,精神科救急医療体制の強化を目的として300床から188床へと段階的にダウンサイジングした山梨県立北病院における20年間(2002年4月~2022年4月)の構造転換過程と,その間に実施した組織的退院促進が長期在院者動態および病院機能に与えた影響を明らかにすることを目的とした.【方法】入院基準日から1年以上経過した患者を長期在院者と定義し,長期在院者データベース,退院支援会議資料,病院統計資料,診療録を用いて後方視的に検討した.【結果】20年間で長期在院者428名が退院,new long–stay(NLS)272名が発生し,差し引き156名減少した.これにより112床(37.3%)の減床が可能となった.長期在院者比率は68.1%から13.8%へ低下し,平均在院日数は226日から60.5日へ短縮した.さらに入院5年以上の割合も有意に減少し,長期入院の固定化は大幅に改善した.一方,急性期包括病床は0床から93床(49.5%)に増加し,可動病床数は127床(2002年4月のベースライン値)から167.3床(後半10年間の平均値)へ増加した.同じく,年間入院者数は419名から746.1名へ増加しており,減床下でも新規入院受入能力は向上した.【結論】2015年以降,救急入院要請に対し満床を理由に応需できなかった事例は認められず,当該地域の精神科救急医療ニーズに対する安定的受入機能が維持されていた.これらの変化は,長期入院中心の体制から急性期機能を重視した体制への移行を示すものであった.一方で高齢の長期在院者は減少したが,NLSは一定数発生していた.
https://doi.org/10.57369/pnj.26-110
受付日:2026年1月5日
受理日:2026年4月22日
はじめに
2002年という年は,わが国の精神科医療に大きな変化の予兆がみえてきた年である.この年に,「精神科救急入院料」の施設基準が新たに規定され,個室中心で一般医療と同等の手厚い人員配置(医師配置16:1)のできる治療体制が制度として具現化し,地域の精神科ニーズに即応できる急性期に特化した医療31)がわれわれの手の届くところに登場したからである.この動きを受けて,山梨県立北病院(以下,当院)では,院長を中心に既存の病棟を精神科急性期治療病棟入院料算定病棟(以下,急性期治療病棟)(60床)から精神科救急入院料算定病棟(以下,救急入院料病棟)(39床)に2段階でリニューアルする機能強化事業を開始した.細かな経緯は別の文献を参照していただきたいが4),当院では2005年10月に救急入院料病棟が稼働開始し,次いで2013年5月に2つ目の救急入院料病棟が加わり,現在の診療体制が完成した*1.
救急病床を増やしながらダウンサイジングする方法は,減床分の人員が確保でき,しかも経営基盤を損なわないことから精神科病院の変革の一手法となっているが22)25),大規模なダウンサイジングを行うのは容易ではない.精神科救急入院料病床の比率が総病床の2割を超える病院群(2020年4月時点で,全国に39施設)のうち,35施設の回答による調査においては,過去15年間のダウンサイジングは平均22.3%であった.これら病院群は,機能強化のためのダウンサイジングを積極的に実施していると考えられるが,減床率は,国全体の精神病床減床率(11.1%)の2倍29)にとどまっていた.
さて,公立病院として精神科救急などの役割を強化する場合,長期在院者をどう減らしていくかが課題になる.当院の場合,できる限り転院を避け,地域移行か施設入所により長期在院者の退院促進を行い,約3年間で長期在院者を100名減らし,病床削減の当初目標値(100床)を達成する計画を立てた2).そして,院長の強いリーダーシップのもと,長期在院者の動向を病院管理部門でマネジメント17),長期在院者への適正な薬物療法の推奨3)14-16)18-20)23),多職種チームによる退院支援16),および,退院後の訪問看護,デイケア,地域施設との連携による地域支援体制の拡充などを行った4).途中,2006年から病院敷地内に民間の退院支援施設A*2(以下,施設A)が開設されたことも追い風となった30).
このような当院の組織的退院促進についてはすでに10年21),15年22)の経過報告を行っているが,さらに5年が経過し,2つのdecade間(2002年4月から2022年4月にかかる20年間の前半10年間を1st decade,後半10年間を2nd decade)でデータを比較したところ興味深い結果が得られたことや(当院にとって2nd decadeは,2013年5月に2つ目の救急入院料病棟が稼働して以後の10年間であり,積極的なダウンサイジングが一段落し,病床削減という具体的な目標が達成されたあと,病床数を維持して運営された時期と重なる),当院の経験は,救急医療に軸足を移した精神科病院の変遷をたどれる構造転換の一事例と思われたことから,2002年4月から2022年4月にかかる20年間に当院から退院した長期在院者の概要や病院統計数値について報告したい.
I.方法
1.用語の定義
本検討においては,患者や病床を以下のように呼称している.
・長期在院者:入院基準日*3から1年以上経過した患者
・長期化予備群:入院後およそ9ヵ月を超過しても退院していない患者
・新たな長期在院者(new long—stay:NLS):調査期間中に入院が長期化して1年を超えた患者
・急性期包括病床数:精神科急性期治療病棟の病床数と精神科救急入院料病棟の病床数を合計したもの
2.対象と調査期間
長期在院者を対象とし,2002年4月から2022年4月の20年間について長期在院者データベースにもとづき,調査時(前年のデータが出揃う毎年4月24日)における長期在院者の人数,バックグラウンド,入院期間,退院先,バランス(増減数)について1年ごとの推移を調査した.
最終調査時(2022年4月24日)になお入院中で,退院に至らなかった長期在院者については,長期在院者退院支援会議資料および診療録にもとづき,治療状況,行動制限の状況,入院形態について調査した.死亡退院については,診療録にもとづき,身体合併症による死亡の場合,死亡年齢と病名,自死または事故死の場合,死亡年齢,入院期間,死亡場所(院内・外泊先・離院先)を調査した.
3.使用データと抽出項目
1)長期在院者データベース(以下,データベース)
概要:著者が管理する長期在院者登録用シートで,長期在院者の管理および退院支援会議資料の作成に活用している.ここに登録される情報は,長期在院者および長期化予備群(以下,予備群)のID,氏名,性別,生年月日,入院基準日,病棟,担当医コード,退院日(または会議開催日*4),退院先で,年齢と入院期間は自動計算される.
抽出項目:データベースに登録された情報のうち,毎年の調査日における長期在院者の人数,NLSの数および退院登録された患者の性別,退院時年齢,入院期間,退院日,退院先を調査対象とした.
2)長期在院者退院支援会議資料(以下,会議資料)
概要:会議参加者に毎月配布される資料で,長期在院者もしくは予備群に関して以下の記入欄が設けられている.
・氏名
・性別
・年齢
・入院日数および入院年数(会議開催日時点)
・病棟
・担当医
・担当ワーカー
・治療状況(clozapine,mECT,持効性注射製剤)
また,退院の進捗にかかわる事項を書きとめた自由記載欄があり,病状,治療困難な要因(重複診断の有無や虐待歴など),薬物治療や個別的支援の内容,行動制限の状況,個室長期使用の有無,外出・外泊の実施状況,退院先候補(自宅・施設など),重篤な身体合併症の状況,キーパーソンの有無やかかわり,経済的問題,今後の課題などが簡潔に記載されている.
会議資料は,協議内容が毎月上書き更新され,最新の情報が翌月の会議資料に引き継がれている.
抽出項目:会議資料から治療状況および自由記載欄を調査対象とした.
3)病院統計資料
概要:当院が毎年発行している統計資料で(2006年度までは『病院概況』,2007年度以降は『病院年報』),病床数,スタッフ数,院内各セクションの診療実績などが掲載されたものである.
抽出項目:病院統計資料から,年度当初の登録病床数(精神病床数および急性期包括病床数),年間入院者数,平均在院日数,スタッフ数および沿革を調査した.
4)診療録
概要:患者ごとに作成される紙ないし電子式カルテのことである.
抽出項目:診療録から,入院形態を調査対象とした.死亡退院については,身体合併症による死亡の場合,死亡年齢と病名,自死たは事故死の場合,死亡場所(院内・外泊先・離院先)を調査対象とした.
4.指標の算出
本検討においては,以下の3つの指標を算出した.
・長期在院者のバランス(増減数):「前年のNLS」から「前年の長期在院者退院数」を減じた値
・長期在院者比率:「調査時の長期在院者数」をその年の「4月の平均在院者数」で除した値
・1年後残留率(NLS発生率):調査時の「前年の新たな長期在院者数」を「前年の年間入院者数」の1年度前の値で除した値
5.統計解析
20年間を前半10年(1st decade)と後半10年(2nd decade)に区分し両群を比較した.比較にはJMP(Ver.11)を使用し,数量データについては2標本t検定,名義尺度についてはχ2検定(Pearson)を行った.
6.倫理的配慮
本調査は,当院倫理審査委員会にて承認が得られている(管理番号2024—9).
II.結果
2002年4月から2022年4月にかかる20年間で,長期在院者428名が退院した(表1).10年ごとの退院者数は,2002年4月から2012年4月の10年間(1st decade)が277名と多く,2012年4月から2022年4月の10年間(2nd decade)は151名に減少した(P=0.0078).428名中,長期在院者として当院を2度退院したものが37名,3度退院したものが4名おり,長期在院者の実数は383名であった.
1.バックグラウンドと入院期間(表1)
退院者の性別(女性の数)は,1st decadeと2nd decadeがそれぞれ90名(32.5%),54名(35.8%)で,女性の比率に差はなかった(P=0.4938).退院時平均年齢も53.5歳,52.7歳で差はなかった(P=0.5895).また,65歳以上の人数についても72名(26.0%),37名(24.5%)で差はなかった(P=0.7354).
20年間の退院者428名の退院時年齢は若年者から高齢者に広く分布しているが,50歳代が120名(28.0%)と最も多く,次いで60歳代:97名(22.7%),40歳代:71名(16.6%)であった(図1).65歳以上は109名(25.5%)で,退院者の4人に1人が高齢者だった.
一方,平均入院期間については,1st decadeと2nd decadeがそれぞれ10.3年,6.1年で,2nd decadeの退院者の入院期間は1st decadeに比べて約4年短縮した(P=0.0002).5年以上入院者の人数も135名(48.7%),37名(24.5%)で,減少した(P<0.0001).
20年間の退院者428名を入院期間の短い者から順に並べると図2のようになり,最小値(症例001)1.0年,25パーセンタイル値(症例107)1.5年,中央値(症例214)3.1年,75パーセンタイル値(症例321)12.5年で,最大値(症例428)は58.3年だった.入院期間の分布(図2)では1年以上5年未満が256名(59.8%)と最も多かったが,入院期間5年以上が4割を占め,10年以上の長期入院が125名(29.2%)であった.
2.退院先(表2)
在宅に移行した者は,20年間で合計125名(29.2%)と3割を占めており,1st decadeは79名(28.5%),2nd decadeは46名(30.5%)であった.
施設(精神障害者居住施設,施設A,高齢者施設,知的障害者施設,救護施設など)に移行した者は,20年間で合計199名(46.5%)と約半数を占めており,内訳は,それぞれ42名(9.8%),72名(16.8%),50名(11.7%),28名(6.5%),7名(1.6%)であった.また,1st decadeでは,それぞれ32名(11.6%),41名(14.8%),42名(15.2%),18名(6.5%),4名(1.4%)で,2nd decadeでは,それぞれ10名(6.6%),31名(20.5%),8名(5.3%),10名(6.6%),3名(2.0%)であった.これらのうち精神障害者居住施設は,地域内の複数の施設をまとめているが,施設Aは1施設のみの集計である.施設Aが当院の長期在院者の有力な退院先になっていることが確認できる.高齢者施設に退院した者は,1st decadeの最初の3年間で20年間の半数(26名;52.0%)が入所に至っていた.また,知的障害者施設に退院した者は,高齢者施設に及ばないものの,1st decadeの最初の3年間で20年間の4割(12名;42.9%)が入所に至っていた.
転院(精神科,内科など,他県)した者は,20年間の合計が91名(21.3%)で,内訳は,それぞれ75名(17.5%),14名(3.3%),2名(0.5%)であった.また,1st decadeでは,それぞれ42名(15.2%),9名(3.2%),2名(0.7%)で,2nd decadeでは,それぞれ33名(21.9%),5名(3.3%),0名(0.0%)であった.2011年度と2012年度に精神科への転院が10名以上と多いのは,2013年度に開設された2つ目の救急入院料病棟の改築工事のため一時的に病棟の一部を閉棟したことによる影響である.
死亡などで退院した者は,20年間の合計が13名(3.0%)であった.内訳は,身体合併症による死亡が8名(1.9%),それ以外の理由による死亡などが5名(1.2%)であった.
身体合併症による死亡8名の内訳は,老衰2名(91歳,88歳),悪性腫瘍2名(83歳,74歳),イレウス関連2名(73歳,66歳),突然死2名(66歳,58歳)であり,8名のうち7名は65歳以上,そのうち5名は精神科的病状が重く退院困難,2名は高齢者施設への入所を頑強に拒んでいた.
それ以外の理由による死亡など5名の内訳は,自死3名(院内1名,離院先2名),自死か事故死か不明1名(外泊中の自宅)のほか,県外への単独外出時の失踪1名が含まれていたが,これらはすべて1st decadeに集中していた.この5名の年齢と入院期間は,自死(院内):60歳代;1.3年,自死(離院先):50歳代;15.9年および70歳代;14.3年,自死か事故死か不明:30歳代;2.2年,失踪:60歳代;1.1年であった.
1st decadeの退院者277名および2nd decadeの退院者151名の退院先をまとめると図3のようになり,2nd decadeにおいて施設が減り転院の比率が増加しているが,退院先(在宅,施設,転院,死亡など)のχ2検定(自由度3)では,1st decadeと2nd decadeの2群に差はなかった(P=0.1104).
3.長期在院者バランスシート(表3)
前年のNLSの合計の数は,1st decade,2nd decadeでそれぞれ151名,121名であった.年間入院者数の平均が660.7名から746.1名に増加し(P=0.0139),各decadeのNLS発生率は2.3%から1.6%に低下しているものの,2つのdecadeにおけるNLS発生数に差は認められなかった(P=0.1707).また,長期在院者退院数は,1st decade,2nd decadeでそれぞれ277名,151名で,退院数は減少した(P=0.0078).
20年間のNLS発生数と長期在院者退院数は,それぞれ272名,428名となり,156名のマイナスであった.2018年4月以降の5年間は発生数と退院数がいずれも10名程度で推移し,2020年4月調査では,はじめてNLS発生数が長期在院者退院数を上回りバランスがプラスに転じた.
調査時の長期在院者数は,2002年4月時点の173名から1st decade,2nd decadeの平均で82.6名,24.0名と減少し(P<0.0001),2018年4月以降の5年間は20名程度で推移している.これにより長期在院者比率は,ベースライン値68.1%から1st decade,2nd decadeでそれぞれ42.4%,16.9%と減少し(P<0.0001),2018年4月以降の5年間は10%台前半で推移している.
4.総病床数,急性期包括病床比率および可動病床比率(図4)
当院の総病床数は,1966年9月の移転竣工以来,約40年間にわたり300床を維持してきたが,2005年の救急入院料病棟開設に伴い264床(2005年11月),230床(2005年12月),開放病棟廃止に伴い200床(2007年4月)へと段階的にダウンサイズされた.さらに2つ目の救急入院料病棟開設に伴い,192床(2013年4月),その後も病棟の増改築や個室化によりダウンサイジングが進展し,2020年4月調査時以降188床で運営されている.
急性期包括病床数は,2002年4月調査時のベースライン値0床だったが,2003年度の急性期治療病棟(60床)から,2005年度に救急入院料病棟(39床)が開設し,次いで2008年度の急性期治療病棟(45床)から2013年度に2つ目の救急病棟(48床)が開設して合計93床になった.これらの結果,20年前は0床(0.0%)だった急性期包括病床比率は,2020年4月調査時以降5割(49.5%)に達している.
一方,総病床数から「調査時の長期在院者」の数を減じた「可動病床」,すなわち新規の入院対応に利用可能な回転している病床のベースライン値は127床で,退院促進の進展により最大196床まで増加したが(2005年4月時点),2005年度から病床が段階的に削減された結果,2008年4月時点には122床まで減少した.しかし,その後再び増加に転じ,2nd decadeは平均167.3床で推移した.結果,20年間で総病床数を112床減らしても,当院の2nd decadeの平均可動病床数は,ベースライン値(127床)より40床増加し,総病床数に対する可動病床比率も20年前の42.3%から91.0%に増加した(図4).
5.年間入院者数,および平均在院日数
年間入院者数のベースライン値は419名だったが,1st decade,2nd decadeの平均は660.7名,746.1名で,この20年で有意に増加した(P=0.0139)(表3).これにより平均在院日数はベースライン値(226日)から大幅に減少し,1st decade,2nd decadeの平均在院日数は109.2日から72.3日に短縮し(P=0.0006),2020年4月調査時以降,60日台で推移している.
6.退院に至らなかった長期在院者
最終調査時になお入院中で,退院に至らなかった長期在院者は17名おり,このうちデータベースの登録が2度目となる者は7名(41.2%)で,前回の入院期間は平均4.9年であった.また,登録が3度目以上となる者はいなかった.17名の平均年齢(49.2歳)は長期在院を経て退院した者(表1)の退院時平均年齢(53.2歳)と遜色なく,65歳以上の長期在院者は1名(5.9%)であった.今回の入院期間は平均5.5年,入院期間が5年以上のものが6名(35.3%)おり,入院形態は,医療保護入院15名(88.2%),任意入院2名(11.8%)で措置入院はおらず,任意入院,医療保護入院各1名を除く15名は個室使用者で(うち3名は隔離室),医療保護入院の11名(64.7%)に行動制限(隔離11名,拘束0名)が行われていた.
治療状況では,clozapine適用可能性のある患者が15名(88.2%)おり,内訳は,調査時clozapine投与中の者4名(26.7%),副作用により中止した者6名(40.0%),不適応の者3名(白血球数低値2名;13.3%,年齢65歳以上1名;6.7%),同意撤回した者1名(6.7%),担当医の方針で導入しない者1名(6.7%)であった.mECTは13名(76.5%)に実施されていた.
会議資料によると,病状不良の背景には虐待歴や重複診断(知的障害や発達障害の合併)があり,改善の目処がたっていない例や,たとえ改善しても家族の高齢化や反対により自宅への退院は困難と分析され,退院の目処がたっている者はいなかった.
7.常勤スタッフ数
当院の2002年4月時点の医師,看護師,コメディカル〔精神保健福祉士,psychiatric social worker(PSW)・作業療法士・心理師〕の常勤スタッフ数はそれぞれ9名,114名,9名(4名・3名・2名)だったが,2012年4月には12名,98名,18名(8名・6名・4名),2022年4月には21名,119名,26名(12名・7名・7名)に増加した.医師,看護師,コメディカルの増加は,2002年4月時点と比較すると,2012年4月に1.3倍,0.9倍,2.0倍,2022年4月に2.3倍,1.0倍,2.9倍となり,コメディカルの増加が最も大きかった.また,医師,看護師,コメディカルを合計したスタッフの総数は,2002年4月時点が132名,2012年4月が128名,2022年4月が166名と推移し,1st decadeでは,スタッフ総数はわずかに減少し,2nd decadeで1.3倍に増加していた.
III.考察
1.救急医療体制を強化した当院の現況
当院の20年間の推移を調査したところ,救急病床は総病床数の約半数を占めるようになり(49.5%),平均在院日数は60日台へ短縮,長期在院者の比率は68.1%から13.8%と大幅に低下していた.1st decadeにおける長期在院者のバランスは-126名で,これにより当院は112床のダウンサイジングが行えたが,2nd decadeにおける長期在院者のバランスは-30に縮小し,2016年4月以降のバランスは出入ゼロに近い人数で推移していた.また,当院では総病床数が300床から188床にダウンサイジングしても,救急病床の高い回転率により新規入院者への対応の余力を十分確保できていることが示された.
一般に救急病床は1年あたり7回転といわれているため8),当院の場合,2022年4月の可動病床数(171床)なら最大1,197名の新規入院に対応できる体制を確保していると推計できる.病床数を112床削減しても2002年4月のベースライン値に比べて可動病床を40床増やすこともできている.
これらの結果は,当院が救急医療体制の機能強化を行ったことにより,長期入院中心から短期治療・地域移行が行える医療体制に構造転換できたことを示したものである.山梨県精神科救急システムの24時間化が2015年2月に開始されて以降,救急入院要請に対し満床を理由に応需できなかった事例は皆無であり,当該地域の精神科救急医療ニーズに対し安定的な受け入れ機能を維持できていることを示唆している.急病や急性憎悪の際,24時間の救急医療体制が安定的に機能していることは利用者の安心につながるサービスといえるが,救急医療体制の強化には,日頃の診療や支援を通して患者の安定的な療養を支え(例えば,自院通院中の患者の時間外診療に責任をもち救急医療体制の当番病院に負担をかけない),地域包括的な連携・支援体制やアウトリーチを充実すること(入退院支援部門の設置,訪問看護ステーションや訪問診療の実施,危機介入が行える多職種モバイルチームなど)も重要になる.平田は,急性型病棟にはタイムリミットが設けられており,在宅医療・ケアの水準を向上させなければ運用できないため,精神科医療の重心を入院から地域へシフトさせる強力な牽引力になると指摘している7).これらをふまえると,当院の経験した構造転換は,救急医療の実施にともなう必然的な変化であったと考えられる.
以上から,当院における精神科救急医療体制の強化は,単に救急急性期の機能強化にとどまらず,長期入院中心の医療からの脱却を推進するものとなった.当院の経験は,救急急性期医療を機能強化した精神科病院の構造転換の実例であり,今後の検討に資する報告と考えられる.
2.長期在院者の退院促進の成因
本研究の分析から,当院における長期在院者の退院促進は,(i)施設への入所推進,(ii)施設Aの開設と活用,(iii)長期在院者に対する多職種による組織的マネジメント,(iv)適正な治療体制(mECT,clozapineの導入)の整備という複数の要因に支えられたものであることが示唆された.退院促進開始後の最初の3年間に入所が進んだ施設は,地域内に点在する高齢者施設ないし知的障害者施設であり,当院の特定の意欲の高いケースワーカーが施設訪問を繰り返し行い開拓してきたものである.退院後に施設Aを利用した患者の再入院率は17.2%と報告されており30),地域への移行を支える有効な資源として機能したと考えられる.退院促進における院内の多職種連携は,長期在院者の担当多職種スタッフを中心に退院促進プランがケースごとに具体化され(例えば,早期に家族と話し合う,施設Aの見学と体験,持効性注射導入,など),その計画の妥当性や進捗状況については月1回の多職種による「長期在院者退院支援会議」により継続的に協議され担当多職種スタッフにフィードバックされた.長期在院者の数は具体的な数値目標に基づいて管理した17).さらに,2007年10月より麻酔科医招聘によるmECTの実施体制(週3回で1回あたり最大5例まで)を整備し,例年,年間600回程度を実施,また,治療抵抗性統合失調症治療薬clozapineには治験から参加し,2009年の上市以降使用経験を重ね,2022年8月15日時点のクロザリル患者モニタリングサービスへの登録患者数は164名であるなど5)24),統合失調症患者への治療選択肢を拡充したことが退院促進の背景に機能していたと考えられる.
長期在院者の退院促進の取り組みを開始した2002年4月当時の当院は県立病院の立場であり,公務員削減の政策により救急入院料病棟を新たに開設するとしても職員数の増加は認められなかった*5.そのため,当院では開放病棟を1つ廃止して職員を捻出しなければならなかったが,2005年10月に1つ目の救急入院料病棟を開設,2010年7月に医療観察法病棟(5床)を開棟しても,1st decadeのスタッフ総数は増加していなかった.しかし,2010年4月の地方独立行政法人化により,2nd decadeでは,スタッフ数が38名増加していた.
当院スタッフの数は,新たな施設基準取得のための増員,もしくは,サービス利用者数の変化に応じたものであったが(精神科デイケアと訪問看護),2002年からの20年間では,小さいものも含めると,2つの救急入院料病棟開設(2005年10月および2013年5月),デイケア定員の拡大・縮小*6,医療観察法病棟(5床)開棟(2010年7月),児童・思春期精神科入院医療管理料取得開始(2017年5月)がスタッフ数の増減に関係していた.PSWについては,これ以外にも,2013年2月の県の精神科救急相談窓口業務一部受託により1名増員されたが,欠員や訪問看護のステーション化(2019年4月)により人数を減らし,2022年4月は12名と,ピーク時(2015年,2017年の15名*7)より3名減少している.退院促進においては,PSWの役割が大きいといえるが,当院の退院促進事業は当時の現有スタッフの働きや工夫に頼って事業が進められたものである.
これらの結果は,退院促進が組織的なマネジメントのもと17),効率的に人員を動かし,制度的基盤(施設Aのような地域資源)と医療的基盤(mECT・clozapineの実施体制)の三位一体で成立していることを示唆する.また,施設Aが立地条件や福祉的運営方針により退院のハードルを下げ,患者・家族・スタッフすべてにとって地域移行を容易にした点は注目される.
先行研究においても,地域移行を促進するためには多職種チームによる包括的な介入や,施設Aのような地域資源の存在が有効であると報告されている28).また,統合失調症の治療抵抗性に対するclozapineやmECTの有効性も広く確認されており,本研究結果はそれらの知見とも一致する.
以上より,長期在院者の退院促進・地域移行を組織的に推進するには,長期在院者の退院支援のプロセスを管理する仕組みを病院内に整備する必要があり,医療・福祉のスムーズな連携,および医療的基盤を強化することが重要である.
3.NLSについての検討
本研究では,当院において医療体制を強化したにもかかわらず,NLSの総数が1st decadeに151名,2nd decadeに121名と一定数発生し,2つのdecade間で減少していないことが認められた.1st decadeのNLS 151名については,統合失調症圏が大半を占め,以下のいずれのグループも平均年齢は50歳前後(47.2歳,50.6歳)でグループ間に差はなかったが,約半数(65名:55.1%)が入院1年経過時点でも退院のめどが立たない「中核群」であり,それ以外の「退院検討群」に比べると入院初期から抗精神病薬の多剤大量投与を必要とする治療反応性不良な群であることが確認されている6).
これらの結果は,NLSが必ずしも「新しい」長期入院者ではなく,むしろ罹病期間が長く,治療反応性が乏しい中高年の統合失調症患者を中心に形成されることを示唆している.つまり,患者本人の臨床的困難さに加えて,家族の高齢化(いわゆる8050問題)により在宅復帰が困難になるなど社会的要因も影響していると考えられる.そのため,NLSの発生は患者本人の病状だけでなく社会的背景や支援体制の不足を反映した必然的な現象とも位置づけられよう.
先行研究では,統合失調症の長期在院者の退院支援を阻む理由は多岐にわたることが指摘されており9),救急医療体制を強化してもNLSの発生は不可避であることが示唆される.
以上より,NLSの課題解決には,従来の急性期治療の充実だけでは不十分であり,治療反応性の乏しい統合失調症に特化した医療的介入に加えて,家族の高齢化を見越した地域包括的支援体制(在宅支援のさらなる充実および在宅に代わる退院先の確保など)が必要と考えられる.当院での経験は,精神科病院の入院においてNLSが「避けられない集団」として存在することを前提に,医療・福祉双方の視点から対応策を講じる必要性を示唆している.
4.高齢の長期在院者が少ない理由
令和3年度630調査10)によれば,全国の在院期間1年以上の患者(164,196名)のうち65歳以上が65.0%を占めるのに対し,当院では,退院に至った長期在院者428名のうち65歳以上は25.5%にとどまっていた(図1).さらに2022年4月時点の長期在院者17名のうち65歳以上は1名(5.9%)のみであった.すなわち,当院においては高齢の長期在院者が少ないという特徴が確認された.
この傾向は偶発的なものではなく,病状が比較的安定した高齢患者には施設入所を促してきた当院の方針を反映したものと考えられる.1980年代から,「高齢回復者」に対し,幻聴や奇異行動があっても「癖」として受け入れてくれる施設を見出すことで施設への退院を実現し,入所前には施設見学や試験外泊を導入するなどの今日的な退院支援プロセスがすでに実践されていたのである11).精神科病院を「終の棲家」27)としない当院の伝統的アプローチが,当院の高齢の長期在院者の少なさにつながっており,病院から施設への移行は実施可能な選択肢であることを示している.
当院の経験は,精神科病院が高齢患者の長期入院を必然とせず,地域内の施設と連携し入所を促進することで精神科病院の資源を精神科的治療に集中させうることを示唆している.病院や施設の役割は地域ごとに大きく異なる可能性もあるが,当該地域における自院の役割を明確にし,その役割や機能が維持できるような理念や方策を堅持することが求められる.
5.なお残る長期在院者という課題
最終調査時点において,退院に至らず入院を継続していた長期在院者は17名であった(表3).これにより長期在院者をゼロにすることは困難であることが課題として明らかとなった.これら17名の多くは,mECTやclozapineによっても十分な改善や安定化が得られなかったか,あるいはclozapineが中止された統合失調症圏の症例であり,重複診断や虐待歴に伴う心理的問題を抱えていた.また,暴力などの行動化リスクにより隔離を要するなど,入院患者のなかでもとりわけ重症度の高い集団と考えられた.
つまり,当院では2007年度にmECT,2009年度にclozapineを導入して以降,10年以上経過しているが,生物学的治療のみによって十分な病状安定や地域移行に至らない長期在院者の存在が明らかになった.このような重症度の高い集団には,トラウマインフォームドケアを含む心理的介入の普及啓発を推進し,bio—psycho—socialな視点に基づく入院治療体制のさらなる充実が求められる.
6.長期在院者の退院促進の意義
最後に,長期在院者の退院促進の重要性を,患者本人およびスタッフにとっての意義という観点から考察したい.
1)患者本人にとっての意義
本研究により,長期在院者の退院促進に際しては,患者本人の心理面・生活面の準備が重要であることが示唆された.長い入院を通して,病院しか居場所のなくなった者にとって退院促進は,病院から裏切られ,見捨てられる体験として受け止められることもあるかもしれない.当院では退院促進を開始するにあたり病棟説明会を行い,作業療法の枠内ですべての患者を対象に退院準備プログラムを繰り返し実施したが,当院の退院促進において,自死や事故が1st decadeに集中していた結果は,退院促進の進め方や支援体制のあり方について重大な課題を突きつけるものである.
大阪府退院支援事業の報告によると,支援対象者は退院後の生活が具体的にイメージできず,強い不安を抱く者が多く,自立支援員の訪問や面談が退院促進に有用であった12).つまり,退院後の生活がどういうものとなるのか繰り返し説明し,退院先を見学したり経験者の話を聞かせるなどの具体的かつ入念な準備が必要である.支援者は,3つのE,すなわち「education(心理教育)」「empowerment(力を引き出す)」「encouragement(勇気づける)」により患者の意思を後押しする形で退院促進を行うことが重要であり13),退院促進においては,これらの支援方針をつらぬき患者の不安に十分寄り添うことが必要である.
長期在院者の言葉を集めた『手記から学ぶ統合失調症』における長期在院者の証言では,精神科病院は「異世界」と化し,病人としてしか生きられなくなる実態が指摘されており33),入院と退院後の生活にはギャップが大きいことが確認できる.これらの文献と照らし合わせると,長い入院生活によるホスピタリズム26)への深い理解が退院支援には不可欠であると示唆される.退院を拒み続ける患者もいるだろうが,その気持ちの背後にある本人の思いを汲み取り,あくまで本人主体で,安心して退院できる場所を選択し,家族の理解や地域支援者,ピアの力とともに不安や困難を大勢で乗り越えていくプロセスを通じて,患者本人の意欲の高まりや自信の回復も図られるのではないか.長期在院者の思いに寄り添い,丁寧なプロセスを踏みつつ行われる退院促進の先には,患者のなかに「やっぱり退院してよかった」という大きな喜びとともに自分の人生に対する深い思いが生まれることも期待できる.
2)スタッフにとっての意義
スタッフにとって退院促進は「脱施設化」の支援でありその背後にはバンク・ミケルセンのノーマライゼーションの理念がつらなる1).「障害をもつ人も障害のない人と同じような普通の生活が営めるようにする」というノーマライゼーションは,日本の精神医療施策においては入院医療主体から当事者主体の,地域保健・医療・福祉を中心としたあり方へ転換する基本的な考え方として採用されている1).
当院の退院促進は,このことに言及した「社会保障審議会障害者部会精神障害分会報告書」(2002年12月19日発行)32)より一足早い同年4月に救急医療体制の強化をめざして開始されたもので,ノーマライゼーションを目的としたものではなかったが,本事業を進めるプロセスにおいて,病院では院長の方針説明,退院促進の成果への評価システム,病棟職員による退院者への継続的訪問,退院患者のおはなし(語りべ),シンポジウム開催などの8項目にわたる具体策を実施し14)スタッフの意識変化をはかった.スタッフは入院時から退院を前提としてかかわるようになり,長期在院者に対しても工夫次第でほとんどの者が退院可能なことや,病院は本来的に治療の場であることを理解した(治療して退院させることが自分たちの本来の業務である).
長期在院者の入院期間分布(図2)を見ると,当院に数十年にもわたって入院していた患者の多いことが確認できる.長期在院者の退院後の再入院やリスクについては慎重に検討することが必要と考えられるが,さまざまな治療や支援が利用できる現状にあってなお長期在院者の退院をためらい(入院していたいと言う患者を危険にさらしてまで退院させることはない),入院を継続させる方針をとるという考え方に対して,精神科医療従事者は患者にどんな正当性を主張できるのだろうか.
7.方法論的限界
本検討は単一施設における後方視的研究であり,対照群を設定していないため,得られた結果をただちに一般化することはできない.
また,当院は県立精神科病院として,治療困難例の転院や地域で対応困難な症例を受け入れる役割を担っており,退院促進においても他院への転院が選択肢となりにくく,民間の病院を含む他の医療機関とは長期在院者の構成や退院先の選択に差異を生じさせる可能性がある.
さらに,当院では公的病院として比較的安定した経営基盤のもと,スタッフの確保,mECT治療機器の導入,麻酔科医師の招聘,clozapine導入に伴う検査体制整備など,一定の医療資源を投入することが可能であった.一方で,長期在院者の退院促進に伴う減収を許容しうる体制であった点も含め,こうした条件はすべての精神科病院に共通するものではない.
以上より,本研究で示されたダウンサイジングと精神科救急医療体制強化の関連については,医療機関の機能や役割,経営状況,地域資源を考慮したうえで解釈される必要があり,今後は複数施設を対象とした検討や前向き研究による検証が望まれる.
おわりに
本稿では,精神科救急医療体制を強化するために300床から188床にダウンサイジングした当院における,過去20年間(2002年4月~2022年4月)の変遷,ならびにその間に組織的に実施した退院促進による長期在院者数および退院先の推移について報告した.
20年間の長期在院者退院数は428名,NLS発生数は272名であり,長期在院者数の増減バランスは-156名となった.この結果,112床(減床率37.3%)のダウンサイジングが可能となった.2002年当時と比較すると,2022年4月当初の長期在院者比率は68.1%から13.8%へ,平均在院日数は226日から60.5日へと大きく減少した.また,急性期包括病床数は0床から93床へと増加し,総病床数を112床減らしながらも,可動病床数を40床(127床から167.3床)増加させることができた.
さらに,長期在院者のバックグラウンド(性別,年齢,入院期間),退院先(在宅移行,施設入所,他院転院,死亡),および増減バランスについて,前半10年(1st decade)と後半10年(2nd decade)で比較した.その結果,2nd decadeでは入院5年以上の者が半減し,退院先の構成が変化していた(施設内訳やその他の理由による死亡).一方で,NLSの発生は依然として認められ,2nd decadeにおいては長期在院者の増減バランスが縮小することが確認された.
当院の20年間を振り返ると,2002年に精神科救急入院料算定病棟の開設を具現化するにあたり,院長をはじめとするスタッフがその方向性を共有し,退院促進を前提とした新たな医療提供体制の構築に踏み出したことが,その後の変化の契機であったと考えられる.当初は達成困難に思われた目標であったが,象徴的な患者の退院が進むにつれ,退院促進がスタッフの実践的達成感や職務意識の形成につながり,「治療して退院につなげること」が日常的な価値として共有されるようになった.
長期在院者の退院促進にあたっては,地域スタッフとの連携のもと,ホスピタリズムに起因する不安に寄り添いながら,安心・安全に進めていくことが重要である.高齢化が進む日本の精神科医療においては,退院促進が困難な症例も少なくなく,無理な退院促進を断念せざるを得ない場面も想定される.しかし,病院以外の選択肢を視野に入れ,長期在院者の生のあり方を共同的に検討していく姿勢が求められる.
訪問医療や遠隔医療技術の進展により,精神科医療は地域へのサービス拡充が可能となりつつある.精神科病院のマンパワーや経験は,精神科救急医療体制の維持にとどまらず,地域のアンメットニーズへと活用の幅を広げる段階を迎えている.そのためには,精神科病院のあり方について,さらなる検討と体制整備が必要であろう.
なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.
1) 安西信雄: 脱施設化再考―「社会的入院」患者と精神科リハビリテーションの役割―. 精神保健研究, 49; 99-103, 2003
2) 藤井康男: ダウンサイジングと悪魔の囁き. 精神医学, 46 (7); 672-673, 2004
3) 藤井康男: 精神科病院のダウンサイジングと治療技法の進展. 臨床精神薬理, 7 (9); 1407-1423, 2004
4) 藤井康男, 宮田量治: 山梨県立北病院のダウンサイジングと機能強化. 病院・地域精神医学, 50 (1); 5-14, 2008
5) 藤井康男, 宮田量治, 長谷部真歩: 重症入院患者の薬物療法治療指針に関する研究: 6施設による統合失調症197例のクロザピン導入前後の入院期間の変化 (分担研究報告). 厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業 (精神障害分野)「精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究」(研究代表者: 安西信雄) 平成26年度総括・分担研究報告書. p.147-157, 2015
6) 藤井康男, 宮田量治, 山下 徹: 山梨県立北病院において, 10年間で新たに長期化した151例についての報告 (分担研究報告). 厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業 (精神障害分野)「精神障害者の重症度判定及び重症患者の治療体制等に関する研究」(研究代表者: 安西信雄) 平成25年度総括・分担研究報告書. p.97-105, 2014
7) 平田豊明: 精神科救急医療の目指す地平. 精神経誌, 113 (2); 183-188, 2011
8) 平田豊明, 兼行浩史, 来住由樹ほか: 精神科救急医療の包括的評価および医療・行政連携推進のサービスの質向上と医療提供体制の最適化に資する研究. 令和2年度厚生労働科学研究費補助金 (障害者政策総合研究事業)「精神科救急医療における質向上と医療提供体制の最適化に資する研究」(研究代表者: 杉山直也) 分担研究報告書. p.41-89, 2021
9) 池淵恵美, 佐藤さやか, 安西信雄: 統合失調症の退院支援を阻む要因について. 精神経誌, 110 (11); 1007-1022, 2008
10) 厚生労働省: 令和3年度630調査. (https://www.ncnp.go.jp/nimh/seisaku/data/630.html) (参照2022-08-15)
11) 功刀 弘, 今村満子: 高齢在院患者の医療と福祉問題. 精神科Mook, 26; 59-70, 1990
12) 黒田研二, 藤田健三: 行政による退院促進支援事業. 精神科退院支援ハンドブック―ガイドラインと実践的アプローチ― (井上新平, 安西信雄ほか編). 医学書院, 東京, p.163-176, 2011
13) 三浦勇太: 退院支援の強化に向けたスタッフ教育―発想の転換に役立つ知識・考え方―. 精神科臨床サービス, 9 (3); 394-398, 2009
14) 宮田量治: そして45名いなくなった―長期在院患者の退院促進マネジメントと新規抗精神病薬の役割―. 臨床精神薬理, 7 (9); 1463-1472, 2004
15) 宮田量治: 長期在院患者の退院促進と抗精神病薬のスイッチング. 精神経誌, 107 (1); 75-81, 2005
16) 宮田量治: 退院促進のために必要な薬物療法改革. 精神障害とリハビリテーション, 10 (2); 115-120, 2006
17) 宮田量治: 長期在院者の退院促進における病院管理部門の役割 (分担研究報告). 厚生労働省精神・神経疾患研究委託費「精神科在院患者の地域移行, 定着, 再入院防止のための技術開発と普及に関する研究」(主任研究者: 安西信雄)平成18~20年度総括研究報告書. p.71-79, 2009
18) 宮田量治: 薬物療法の工夫. 精神科退院支援ハンドブック―ガイドラインと実践的アプローチ― (井上新平, 安西信雄ほか編). 医学書院, 東京, p.24-37, 2011
19) 宮田量治: 薬物療法の工夫―統合失調症の薬物治療改善マニュアル―. 精神科退院支援ハンドブック―ガイドラインと実践的アプローチ― (井上新平, 安西信雄ほか編). 医学書院, 東京, p.97-121, 2011
20) 宮田量治: 治療がうまくいかないとき, 薬物療法をどうとらえ, どう突破口を開くか―医師の立場から―. 精神科臨床サービス, 12 (1); 59-64, 2012
21) 宮田量治, 斉藤淳子, 柴原 慧ほか: 山梨県立北病院における長期在院者の退院促進・地域移行―10年間の取り組みについて―. 日本社会精神医学会雑誌, 22 (4); 531-538, 2013
22) 宮田量治: 既存病棟の大規模な改修・病床削減による救急医療体制の創出―ある自治体立精神科病院の経験―. 精神科救急, 20; 59-63, 2017
23) 宮田量治: 薬物療法ガイド, 標準的な統合失調症薬物治療ガイドラインとの比較による本薬物療法ガイドの位置づけ, 好事例病院の同定, 調査協力病院の背景, 「典型例」への治療/方策. 平成30年度厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業 (精神障害分野)「重度かつ慢性の精神障害者に対する包括的支援に関する政策研究」(研究代表者: 宮田量治). 薬物療法研究班 総括総合研究報告書. p.1-24, 2019
24) 宮田量治, 三澤史斉, 藤井康男ほか: 長期在院者の退院促進実績を有する日本の「好事例病院」におけるclozapine使用状況. 臨床精神薬理, 23 (1); 15-24, 2020
25) 水野謙太郎: 当院における病床削減の取り組み―クロザピン治療と精神科救急病棟の相乗効果―. 精神科救急, 20; 55-58, 2017
26) 西尾敦史: "脱施設"思想の系譜―病院・施設をめぐる言説・文献をとおして―. 静岡福祉大学紀要, 10; 91-103, 2014
27) 齋藤淳子, 佐藤真紀, 渡邉千文ほか: 山梨県立北病院における長期入院患者の退院5年後の転帰―5年後の転帰の実態について―. 病院・地域精神医学, 55 (4); 339-340, 2012
28) 佐久間 啓: ささがわプロジェクト6年間の経過から統合型地域治療システムを考える. 精神経誌, 111 (3); 324-329, 2009
29) 佐藤悟朗: 精神科救急病棟の病床数制限に関するアンケート実施報告. 精神科, 39 (2); 254-263, 2021
30) 柴原 慧, 石川一仁, 木村由美ほか: 期間限定の退院支援施設の有用性―山梨県立北病院から退院支援施設に退院した長期患者の経過―. 病院・地域精神医学, 56 (2); 139-141, 2013
31) 杉山直也: 杉山理事長からのご挨拶. 日本精神科救急学会ホームページ (https://www.jaep.jp/sugiyama.html) (参照2025-09-15)












*1 当院は救急入院料病棟開設にあたり2度の大規模な改修工事を行っている.1度目の改修工事(2005年2月着工):工事に先立つ2003年8月から稼働の急性期治療病棟の4人室を個室2つに分割し救急入院料病棟施設基準を満たせるように改修し,2005年10月から救急入院料病棟として稼働開始した.本改修工事では急性期病棟の長期在院者の移動先確保のため一般病棟の個室化も行われた.2度目の改修工事(2012年8月着工):アルコールユニットの増築を含み2008年8月から稼働の急性期治療病棟の個室化を進め2013年5月から2つ目の救急入院料病棟を稼働開始した.
*2 退院支援施設Aは,精神障害者を対象とした『障害者自立支援法』に基づく自立訓練,短期入所を提供する施設である.県により新築の当施設は当院建物に隣接し,長期在院者の退院にともなう関係者(本人,家族,病院スタッフ,施設スタッフ)の心理的ハードルを大きく低下させた.有期限(2年間,ただし3年に延長可)の利用期間内で福祉的観点から自立訓練が実施され退所先が決まる.
*3 入院基準日は,本検討独自のものであり,長期在院者の実質的な入院日を表す.長期入院者は,経過中,一時的転院(身体合併症の治療や検査のため)や一時的退院(施設利用体験のため)もあるが,このような退院では入院が維持されたものとして扱い,入院日を変更しない.ただし,長期在院者が自宅などへ退院したものの病状悪化などにより短期のうちに再入院した場合は,再入院日を新たな入院基準日とする.入院基準日は,病院外で過ごす時間の長短とは関係せず,実のある退院とみなせるかどうかにより規定する.
*4 データベースに会議開催日を入力することにより会議時点の入院期間が計算できる.
*5 閉鎖した開放病棟の余剰スタッフを救急入院料病棟,デイケア,訪問看護などに配置した.医師やコメディカルの増員は,看護師の異動や退職で減員した人数から充当した.
*6 当院のデイケアは1991年1月に開設され,2002年4月から大規模1単位(定員70名)で運営していたが,2005年4月より大規模2単位(定員100名),2007年4月より同2単位(定員120名)に拡大,その後,利用者の減少により,2012年4月に大規模2単位(定員100名),2019年5月に大規模1単位・小規模1単位(定員90名)に縮小した.
*7 当院ではPSWを最大15名配置していたが,その際の配置先は以下の通りである.救急入院料病棟:各2,その他の病棟:各1,医療観察ユニット:1,思春期ユニット:1,デイケア:2,外来:2,認知症疾患医療センター担当:1,精神科救急情報センター担当:1,訪問看護:1.