Advertisement第121回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第127巻第5号

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総説
気分症患者における復職促進および判断基準の均てん化にむけて
吉村 玲児1), 坪井 貴嗣2), 佐渡 充洋3), 池ノ内 篤子1)4), 渡辺 洋一郎5)6), 佐々木 達也7), 井上 幸紀8)
1)産業医科大学医学部精神医学講座
2)杏林大学医学部精神神経科学教室
3)慶應義塾大学保健管理センター
4)産業医科大学認知症センター
5)横山・渡辺クリニック
6)日本CHRコンサルティング株式会社
7)名古屋学院大学法学部
8)大阪公立大学大学院研究科神経精神医学
精神神経学雑誌 127: 309-319, 2025
https://doi.org/10.57369/pnj.25-051
受付日:2024年9月25日
受理日:2024年12月19日

 本稿で著者らは,気分症患者の復職促進と基準均てん化について論じた.気分症は,経済的に大きな影響を与え,個人のQOLを低下させる最も一般的な精神疾患の1つである.しかし,職場や学校への復帰を促進するためのガイドラインはまだ十分に整備されていない.これを改善するための戦略について議論した.さらに職場復帰の基準を均てん化し,患者の回復を促進するために,臨床的回復,個人的回復,社会的回復の3つの側面からアプローチすることを提案した.復職支援プログラムの例として,慶應義塾大学マインドフルネス&ストレス研究センターのKEAPも紹介し,復職支援プロセスの重要性を示した.また,高齢期以降の気分症患者への支援や,職業適性の観点からの復職促進に関する法的問題点についても言及した.本稿が,気分症患者の職場復帰を促進し,その基準の均てん化に寄与することを期待する.

索引用語:気分障害, 職場復帰, 産業精神医学>

はじめに
 世界の疾病負担の14%は精神神経疾患によるものとされており,精神疾患が公衆衛生上重要な課題であることは明白である.健康改善や貧困削減に向けた主流の取り組みから精神保健が疎外される傾向があり,精神疾患の負担は,精神疾患と他の健康状態との関連性が十分に理解されていないなどの理由などから,過小評価されている可能性が高い.身体疾患と精神疾患の相互作用は多様であるため,精神の健康がなければ真の健康はあり得ない23).うつ病,双極症をはじめとする気分症は精神疾患の経済に与える影響を示すDALY(Disability-adjusted Life Year,障害調整生存年)指標でそれぞれ2位と5位に位置付けられている6).DALYは,疾病負荷を評価するための指標であり,病気や障害によって失われた健康な生活年数を測定するものである.この指標は,早期死亡による損失年数(Years of Life Lost:YLL,疾病や障害がなければ本来生きられたはずの年数を意味する)と障害による生活年数の損失(Years Lived with Disability:YLD,疾病や障害により健康な状態で過ごせなかった年数を指す),これらの要素を合計して算出される.また,米国の調査で労働力において,うつ病が労働コストに及ぼす影響は大きいことが示されている.うつ病による生産時間損失コストは,約5.6時間/週と推定されている.そして,コストの大部分は仕事中のパフォーマンス低下によって説明される.さらに,うつ病患者の自己申告によると過去12ヵ月間の抗うつ薬の使用率はわずか33%未満であり,抗うつ薬による治療効果の平均は中程度であったという証左がある28).リワーク施設の増加やリワークプログラムの充実,電話によるアウトリーチなどにより,気分症患者の復職率も改善してきてはいるが,復職してもすぐに再休職に入る患者も少なくはない1).気分症の急性病相や維持療法に関するガイドラインが日本でも整備され改訂を重ねている18)19).しかし,産業精神保健分野では,会社の規模や職種の違いあるいは休職,休職補償や復職基準が会社により異なるなどの事情から,気分症における復職判断は,精神科薬物療法などで整備されているようなガイドライン作成が困難であることが実情である.日本では大規模サンプルを厳密な方法で追跡・検証した研究もない.しかし,産業精神保健領域でも今後日本発の質の高い証左にもとづいた指標を作り上げていく作業が喫緊の課題の1つであり,産業精神保健現場からのニーズも大きい.1)気分症(うつ病・双極症など)自体が異種性の高い疾患あるいは症候群である,2)労働者が従事している職務内容や職場環境が異なる,3)個人の背景(性別・年齢・家庭・教育歴・職位・経済状況など)もさまざまである,4)産業保健の領域で厳密なランダム化比較試験を行うことの困難さ,5)個人情報の取扱いや守秘義務などがあるために,現時点では,科学的かつ大規模な研究が行いづらく質の高い結果を得にくい.このような状況下で,質が高く,一般化できる気分症における復職促進を図り,復職判断の均てん化を構築するにはどのようなことが必要なのであろうか? 将来的に,この問題は,すでに糖尿病(全国糖尿病患者データベース),心筋梗塞(全国急性心筋梗塞レジストリ)や癌(全国がん登録・統計情報センター)などで行われているように,気分症に罹患している勤労者の網羅的レジストリを行い,そのBIGデータを人工知能(AI)で解析することで,可能になるかもしれない.しかし,現状を考えるとすぐには実現不可能である.その前段階としてわれわれには何かできるのか,行うべきなのか.労働者の個別性や個人情報はどのように取扱われるべきなのか?
 本稿は2023年に開催された第119回日本精神神経学会学術総会(横浜)の産業保健委員会の指定シンポジウム「気分障害患者における復職促進および判断基準の均てん化に向けて」の発表内容を元にしたナラティブレビューである.さらに,特筆すべきことは本問題に対して,法律専門家の観点からも言及している点である.

I.うつ病当事者の復職促進および判断基準均てん化に向けて
 うつ病治療において,従来は症状の寛解や回復を目標としてきたことは異論のないところである.しかし,近年ではその治療目標として,症候学的なものだけでなく,機能的なものや就学・就労,そしてQOLや対人関係,当事者の満足度なども重視すべきではないかという意見が多くみられる.それと並行してリカバリーの概念やその多様性が語られており,具体的には,臨床的リカバリー(抑うつ症状や機能の改善)とパーソナルリカバリー(当事者自身が決めた希望する人生の到達をめざすプロセス),さらには社会的リカバリー(住居,就労,教育,社会ネットワークなど)という相互に関連した3つに区別されるのが昨今の傾向である.安定した就労をめざす治療や支援は,社会的リカバリーやパーソナルリカバリーの達成においても重要であろう.
 うつ病の有病率は高く,世界保健機関の報告ではうつ病患者は2015年時点で3億2,200万人に上ると推計されている40).最も多い発症年齢は青年期から40歳代半ばの働く世代であり14),労働者におけるうつ病の12ヵ月有病率は6.4%に上る10).うつ病が職域に与える影響は大きく,米国の調査では,年間約2億日の労働時間が失われ,170億ドルから440億ドルの経済的損失が報告されている38).わが国における調査でも2005年のうつ病の疾病費用は3兆900億円と試算され,そのうち間接費用が2兆99億円にも上り,医療費を中心とする直接費用を大きく上回っている26)
 うつ病当事者の復職促進および判断基準均てん化に向けた取り組みは,当事者のリカバリーにおいてはもちろん,社会全体で取り組むべき重要なテーマと考えられ,ここではわが国の現状や著者らの取り組みを中心に概観する.

1.休職中のうつ病当事者の復職促進と評価尺度
 うつ病の重症度と機能や就労との関係を示唆した研究を2つ紹介する.1つ目の研究では,うつ病当事者の社会機能を良好にするためには,ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton Rating Scale for Depression:HAM-D)を5点以下にすべきという結果である24).2つ目は,日本で行われた抗うつ薬に関する前向き観察研究を再解析した調査では,就業能力を維持するためにはHAM-Dを6点以下にするのが望ましいという報告である.従来のうつ病における寛解の定義が,HAM-Dが7点以下の状態が2~3週間持続することであることから考えると,症状を精緻に把握し残遺症状を可能な限り減じる試みは,機能や就労に対しても効果的であることが推察される.うつ病における評価尺度を用いた臨床的なケア(Measurement-Based Care:MBC)に関する系統的レビューとメタ解析が2021年に発表されたが,通常治療に比べMBCを行った場合のほうが重症度の低下や寛解の促進,服薬アドヒアランスの改善に有効であったとされており39),MBCはうつ病当事者の復職促進という点からも有用かもしれない.
 さらに,休職中のうつ病当事者の職場復帰の可否を判断する際は,症状のみの評価では十分ではない.復職に向けた社会機能の評価尺度として,職場復帰準備性評価シートが日本うつ病リワーク協会のホームページで公開されており,復職者やリワークプログラム参加者の就労継続の予測が可能であることが報告されている.また,抑うつ症状に加え,不安症状,社会機能障害およびQOLについて簡便に評価できる自己記入式評価尺度としてClinically Useful Depression Outcome Scale supplemented with questions for the DSM-5 anxious distress specifier(CUDOS-A)が2014年に発表されており40),時間が限られている外来診療などでは,こうした尺度を用いることも適切に復職の可否を判断するうえで有用である.

2.うつ病当事者の就労可否の判断基準均てん化に向けて
 日本におけるメンタルヘルスに伴う休職・復職の指針として,2004年に厚生労働省によって作成され,2009年に中央労働災害防止協会によって改訂された「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」12)や2017年に日本産業衛生学会関東地方会によって発表された「科学的根拠に基づく『産業保健における復職ガイダンス2017』」17)が挙げられるが,一方で,休職や復職に関する明確な指針や介入に関してコンセンサスが得られていない部分も多いという問題点がある.日本の臨床現場で行われている,うつ病当事者(正規雇用)への休職・復職に伴う判断や,うつ病の症状を有しながらも勤務している当事者への対応を明らかにする必要がある.そこで,著者らは精神科医177名(うち産業医も行っている群は23名,それ以外は154名の産業医ではない主治医群)を対象としてアンケート調査を行ったが,産業医群では非産業医群に比べて,配置転換については有意に同意しないという結果を得た.この結果の解釈は難しい.一般的には,職場の人間関係が悪かったり,適材適所ではなかったりした場合,配置転換を考えたほうが適応しやすいと考えられる.しかし,産業医群は,当事者の言うままに,配置転換に同意しても新しい部署でも適応できずに再休職となった症例を多く経験していたのかも知れず,このような産業医群のヒューリスティックバイアスから導かれた可能性も考えられよう.うつ病当事者の就労支援においては,抑うつ症状の重症度などによる疾病性の改善だけではなく,社会機能や求められる就労パフォーマンスなどの事例性も考慮した支援が重要である.MBCを用いた多面的な評価によりうつ病当事者の復職が促進され,また均てん化されているとは言い難いが復職判断基準について医療および職場で共通認識をもつことも重要であろう.その鍵となるキーワードがリカバリーであり,当事者・医療・事業所が三位一体となってその達成に向けて取り組むことが望まれる.

II.企業や大学における復職支援プロセスの実際
 世界の疾病負荷研究の結果によると,非感染症疾患の疾病負荷に占める精神神経疾患の割合は28%である.これは,がんの11%,心血管疾患の20%を凌ぐ甚大な規模である23).こうした社会的負荷のインパクトは,コストといった経済価値に換算するとより明らかとなる.つまり,本稿のIで述べたように,高いうつ病の社会的コストの半分以上が職場で発生する労働生産性低下によるものであるとされている26).このように,労働生産性低下によるコストが甚大25)になっている理由の1つにうつ病の再発率の高さがあると考えられる.このような状況を考えると,うつ病などで休職した労働者が復職する際には,単に症状が寛解しているだけでなく,就労に耐えうる社会機能が回復した状態で復職することが必要である.

1.職場復帰判断基準
 厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」12)では,職場復帰判断基準の例として,労働者が職場復帰に対して十分な意欲を示し通勤時間帯に一人で安全に通勤ができること,会社が設定している勤務日に勤務時間の就労が継続して可能であること,業務に必要な作業(読書,コンピュータ作業,軽度の運動など)をこなすことができること,作業などによる疲労が翌日までに十分回復していることなどのほか,適切な睡眠覚醒リズムが整っていること,昼間の眠気がないこと,業務遂行に必要な注意力・集中力が回復していることなどが挙げられている.こうした基準からも,職場復帰の可否を判断するには,単に症状改善の有無を評価するだけでなく,就労という社会機能を果たせるかどうかが評価の対象になることがわかる.そのためには一時点での判断ではなく一定の時間をかけて状態を確認し判断を行うことがより妥当な判断につながるのではないかと考えられる.

2.復職支援プロセスの一例(KEAP)
 慶應義塾大学マインドフルネス&ストレス研究センターでは,2009年より「Keio Employee Assistance Program(KEAP)」という復職支援プログラムを作成し,いくつかの企業でのべ900名以上に対してこのプログラムを実施してきた.ここでは職場復帰支援における1つの事例としてその概要を提示する.
に示すとおり,KEAPでは,復帰支援プロセスを,復帰準備期(主治医の診断書の提出から復帰判定まで)と,復帰後支援期(復帰後6ヵ月間)の2つの期間に分けて支援を行っている.
1)復帰準備期
 実施する企業によって2~4週間程度と一定の幅があるが,その間に複数回の面接を行い,(i)生活リズムの確認,(ii)仕事に準じた作業の実施,(iii)再発予防策の検討を行う.(i)の生活リズムの確認では,復職して通勤することを前提に就寝・起床し,始業時間とともに(ii)の仕事に準じた作業に取り組んでもらう.それ以外の活動も含め24時間の生活の状況を活動記録表に記録してもらい,職場復帰が可能な生活リズムが維持できているかを確認する.(ii)の仕事に準じた作業では,月曜日から金曜日の毎日,800字程度の新聞記事を2つ選定し,記事を写したうえで400字程度に感想をまとめるという作業を行ってもらう.こうした作業を通して,条件にあった情報を収集し選定する(記事の選定),注意力や集中力の維持(記事の写し),自らの考えを相手に伝える(感想の記載)といったどのような仕事でも必要になる基礎的な能力のリハビリテーションを行う.作業に加えて再発予防策の十分な検討を行うことで,復職後の再発リスクをさらに低下させられる可能性も高まる.そのために著者らは,アメリカ国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health:NIOSH)の職業性ストレスモデルを参考に,それぞれの要因についてどのような対応が可能であるか産業保健スタッフとも話し合いながら検討を進めるようにしている.こうした検討も経たうえで,復職が可能な状態になっているかを確認し,最終的な判断を行っている.
2)職場復帰後
 職場復帰後は,に示すとおり,半年間をめどに定期的に面談を重ね,体調の確認,再発予防策実施の支援などを行い,安定した就業を支援していく.企業により違いはあるものの,復職後2ヵ月程度は残業なしの状態で就業を開始し,その後徐々に残業制限を緩和し,半年経ったところで就業制限を解除することをめざす.
 このようにKEAPでは,復帰支援プロセスを標準化し,一定の時間をかけることで労働者の復職準備性の改善をサポートするとともに,「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」12)で例として挙げられている「職場復帰判断基準」を満たすかどうかの判断を行っている.また,復職後も定期的に面談を重ねることで安定した就業の継続をサポートしている.一方で,こうしたプロセスにもいくつか課題がある.具体的には,内省する力が乏しい事例の場合,再発予防策の検討が進展しにくいこと,職場改善などが必要な事例で介入に一定の限界があることなどである.こうした課題の解決が今後必要になると考えられる.

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III.初老期以降の気分症患者における職場復帰支援
 わが国では,少子高齢化が進み2025年には高齢化率が30%となる.高齢者の労働意欲は高く就業率は年々増加し,4人に1人が就業している.2021(令和3)年4月より,改正『高年齢者雇用安定法』が施行され,70歳までの就業機会の確保が努力義務とされた.65歳から70歳までの就業機会を確保するために,70歳までの定年引き上げ,定年制の廃止,継続雇用制度の導入などの措置が求められるようになり,今後,さらに高齢労働者が増加することが見込まれる.高齢者は加齢に伴う慢性疾患や老年症候群による症状に伴い,抑うつを生じやすく,気分症患者の32%が65歳以上である.

1.鑑別診断の重要性
 初老期以降の気分症の背景には,身体的要因や脳器質的因子による修飾,加齢による環境変化への適応力低下が存在すると考えられる.主訴が記憶障害であることも多く,精神科医は,気分症と認知症の鑑別を慎重に行う必要がある.うつ病の約半数で軽度認知障害の診断を満たす程度の認知機能障害を伴う.これまで,うつ病性仮性認知症は可逆的な病態と考えられていたが,長期に追跡すると認知機能低下のないうつ病に比べ認知症発症リスクが高い.うつ病は認知症の危険因子でありかつ,うつ病は認知症の前駆症状でもある.他にも,双極症や身体疾患を基盤として気分症や認知機能障害が生じることがある.したがって,初老期以降の気分症の診療,職場復帰支援では,認知症をはじめとした症状性・器質性精神疾患などとの鑑別を常に念頭におくべきである.

2.初老期以降の患者への就労支援
 先行研究で,初老期以降では,若い患者に比べて復職や就労継続の予後が不良であることが示唆されている.精神疾患を有する労働者では,高齢(50歳以上)で,障害の持続期間と復職に要する期間が長い4).うつ病では,高齢,身体合併症や精神科合併症の存在,重度のうつ病は低い復職率と関連する2)3)5).精神障害者を対象としたコホート研究で,復職可能性は,21~34歳,35~50歳に比べて50歳以上で低下すること,労働障害の再発リスクは,21~34歳に比べ,35~50歳,50歳以上で上昇すること,うつ病は,神経症性障害,ストレス関連障害,身体表現症よりも復職可能性が低く,この差は年齢とともに増加することが示されている15)
 認知症では,一般的に軽度認知障害から初期認知症の約10年間は自立した日常生活を送れ,合理的配慮により仕事の継続も可能であると考えられている11).しかしながら,認知症の診断確定時とその約2年半後の就労状況は,就労継続中(50.6%→11.7%),休職中(15.6%→10.4%),退職(24.7%→62.3%)と職場復帰のみならず就労継続できず,退職または解雇されているのが現状である8).認知症は進行性の疾患であるため,次第にできない仕事が増加する.状態に応じた就労継続や復職の支援だけでなく,就労継続が困難となった際の社会資源を情報提供することも必要となる.特に発症率は低いが,本人,家族,会社へ与える影響が重大な若年性認知症への対策は急務である.障害者雇用に理解があり,積極的な事業所や会社であっても,病気の進行が速く,業務遂行が早期に困難になる若年性認知症者の雇用継続には限界はある.しかし,医療機関から事業所への詳しい情報提供,関連機関との連携を行うことにより,長期的に支援が可能になるのではないかと思われる27)
 わが国では,雇用形態は男女ともに高齢になるほど非正規雇用が増え,年々その割合が増加している.高齢であることに加え,そうした不安定な雇用形態や低所得であることも復職後2年間の就労継続率の低下と関連している13).高齢者が非正規雇用に就く割合が増加していることは,年齢に伴う労働市場での脆弱性を示している.高齢者は,正規雇用に比べて雇用の安定性や福利厚生が少ない非正規雇用とされる傾向があり,これが経済的な不安定さや将来の生活の不安を増大させる要因となっている.あるいは非正規雇用や低所得は,仕事のモチベーションや生活の質に影響を及ぼし,その結果,復職後の就労継続率が低下する可能性などもある.別の研究でも臨時雇用や高齢であることが,うつ病による労働障害を長引かせ復職を遅らせることが示されており14),高齢かつ非正規雇用である労働者の復職は難しい.その他,休暇制度や経済的保証制度,例えば,傷病手当金や障害年金,老齢年金の受給の有無も復職の成否に関係する.このように,職場復帰は,疾患や年齢のみならず社会経済的要因の影響を受けると考えられる.
 初老期以降の気分症は,個別性も高いため,復職の判断基準を均てん化することは難しいが,判断のための評価項目やプロセスを均てん化することは可能かもしれない.復職を成功させるためには,精神科医が,鑑別診断を的確に行うことが非常に大切である.そして,復職やその後の就労継続支援は,本人の状態や職場の状況および特性,支援者の状況,社会的側面などをふまえ,関係者間で連携や協力をしながら,テーラーメイドケアで行うことが重要である.

IV.復職促進と判断基準均てん化を行う際の問題点―労働者の職業適性の視点から―
 著者らは,復職の成功とは,復職後に労働者が精神的にも身体的にも健全な就業生活を送れること,つまり労働者のウェルビーイング,そして,もう1つ重要なこととして,復職後に職場で期待されるパフォーマンスが発揮され,企業あるいは組織にとっても必要な存在になること,この2つの条件を満たすものであると考える36)

1.「就労可否判定」と「復職可否判定」
 復職の判断基準というのは,就労の可否,つまり働けるかどうかの判定基準の次の段階の基準であり「復職の成功のための判断基準」と位置付けるべきである.
 就労の可否判定においては,従来指摘されているように,状態の安定,日常生活における生活リズムの回復,適切な睡眠覚醒リズム,十分な就労意欲を示しているか,ひとりで安全に通勤ができるか,業務遂行に必要な注意力や集中力が回復しているか,あるいは決まった勤務日・時間に就労が継続して可能と思われるかといったことが重要なことは当然である.ただし,これは何らかの仕事ができるかどうかの基準,いわゆる復職準備性の判定基準である.
 本来の復職判定というのは復職が成功するかどうかの判定でなければならない.そのように考えると,本人の心身の健康状態と同時に,復職後の職場において期待される業務内容が数ヵ月以内におおむね遂行可能になるかどうかの判定をすべきである.つまり,復職判定に際しては,その労働者の状態が改善しているかを確認するのみならず,復職した後の職場で数ヵ月以内に職場が期待するパフォーマンスが発揮できるかどうかということを判断する必要がある.これらの確認には試し勤務制度が有効であると著者らは考えている.したがって,試し勤務制度をより充実させて職場で期待されるパフォーマンスの発揮や,本人と職場の両者が満足できることを確認する必要がある.

2.復職可否判定のために
 復職を成功させるためには本人の回復度は非常に重要である.そのためには,ストレス耐性とストレス強度の両方を検証する必要がある.つまり,復職後の職場環境,業務内容における本人の負担の程度などのストレス強度をストレス耐性が上回らないと復職が失敗する可能性が高い.
 復職後の労働者のストレス強度には,労働環境,人間関係のみならず,職業適性も大きく影響している.例えば,本人に向いていない仕事に従事しているために,精神的,身体的負担が非常に強いこと,あるいはパフォーマンスの低さや人間関係の悪化からメンタルヘルス不調に陥り,休職に至っている労働者を著者らは多数経験している.このようなケースでは,同じ部署に戻り同じ業務に従事させれば,同じような状態になる可能性が高い.したがって,復職後に本人の職業適性に合った業務を提供することが再発リスク軽減につながり,同時に本人のモチベーション向上にもつながり,企業,組織にとっても有益になるであろう.

3.職業適性について
 著者らは厚生労働省編一般職業適性検査(General Aptitude Test Battery:GATB)を好んで利用しているが,著者のクリニックの通院患者で休職している者にGATBを実施したところ,適性能に非常に大きな差異を認める者が少なくなかった(データ未発表).また,著者が精神科担当産業医をしていた一部上場企業において,復職に際して,GATBの結果をふまえて業務変更などを積極的に行ったところ,復職後の再発率が非常に改善したという経験もある.
 復職の目標は単に職場に戻ることではなく,復職後に従業員が満足,あるいは納得した職業生活を送ることができること,そして職場にとっても有意義な職場適応を果すことである.そのための鍵は“従業員を活かす”という発想である.そして,そのためには,従業員の適性を多角的,専門的に捉え,仕事とのマッチングを図るという戦略が有効だと考える.本人の適性に合った仕事に従事することは,本人のストレス軽減,すなわち健全なメンタルヘルスにつながるのみならず,パフォーマンス発揮につながり,組織にとってもメリットがある37)38)
 つまり,著者らは以下のように考えている.1)復職判定基準は,復職を成功させるための基準であり,復職の成功とは,本人の状態の安定と同時に,業務上も良い適応を示すこと.2)本人のウェルビーイングは健康状態の安定とともに,満足のいく職業生活が送れることであり,それは職場にとっても満足のいく適応がなされている必要がある.3)復職を成功させる基準を考えるにあたっては,本人の回復度のみならず,職業適性などを検証して本人の適性に合った仕事環境を検討するというステップが必要である.人間は一人ひとりがそれぞれ特性,適性をもっている.多様性の受容が強調される現代においては,「仕事に人を合わせる」ことから「人に仕事を合わせる」という職場風土に変わっていかねばならないとも著者らは考えている.

V.気分症を有する労働者の復職をめぐる法的問題
 現在,気分症を有する労働者の復職に関する問題は,法学および医学にとって重要な問題であるといえる.ここでは,気分症を有する労働者を中心に復職促進および復職判断基準の均てん化を考えるという視点から,(i)休職していた労働者の復職判定,および(ii)試し出勤など復職過程にかかる法的問題について検討した.

1.休職していた労働者の復職判定にかかる法的問題
 気分症で休職した労働者の休職期間満了による労働契約の終了が問題となった裁判例16)20)21)29)31)を概観すると,(i)休職事由が消滅したか否かの判断において,復職希望労働者の従前の職務ではなく,使用者に雇用される職員が本来行うべき職務を基準としたり,使用者に要求される配慮は労働者の雇用区分や職級の範囲内に限られるとしたりしており,判断基準は事例によって異なること,(ii)職場ポストが少なく,配転が困難な小規模事業所であれば,配置可能性がきわめて限定的であり,事業規模などの使用者の状況が復職判定の重要な要素となること,(iii)復職した場合の再発や悪化のおそれといった労働者の疾病性も考慮されることが指摘できる.
 以上のことから,労働者の疾病性,労働契約内容や使用者の状況といった個別事例における事情が復職可否の判断に影響を及ぼしており,このことは復職判断基準の均てん化をめざすにあたって重大な課題であるといえる.
 また,復職判定のプロセスに関して,裁判例は,労働者の治療・回復に係る情報は,その健康状態を含む個人情報であり,原則として労働者側の支配下にあるものであることから,労働者側に復職可能であることの主張・立証責任があるとする31).そのため,使用者が求めているにもかかわらず,医師の診断書など復職判定のための資料を労働者が提出しない場合には,休職期間満了として労働契約を終了することが認められることになろう34).他方で,使用者にも主治医への意見聴取や協議をすることが求められる.さらに,主治医と産業医の判断が異なる場合には,職場の実情や労働者の勤務状態を把握していないとして主治医の診断を採用しないと判示する裁判例35)がある.
 以上をふまえると,判断基準の均てん化に向けて,以下の3つのアプローチがあると考えられる.
 第一に,裁判例における復職可否に関する判断をもとにした均てん化である.上述のとおり,裁判例における休職事由の消滅に関する判断は個別事例における事情が重要な要素となり,復職可能性にかかる判断基準を均てん化することには限界があると解される.このアプローチでは,従来の裁判例に共通する要素を抽出したり,判例傾向を示したりするなど,一般的,抽象的な判定基準にならざるを得ない.ただ,このような法知識を産業保健現場に普及させることは有意義であろう.
 第二に,職務や業務内容の特定の有無や企業規模,労働者が罹患している疾患など条件ごとに判断基準を均てん化することが考えられる.例えば,雇用区分や職級に限定した配置可能性や労働者が罹患している疾病ごとの再発・悪化の可能性など一定の条件を設定することで,より具体的で,個別事例に利用しやすい基準を作成することができるであろう.
 第三に,復職判定プロセスにかかわる均てん化が考えられる.個別労働者の具体的な復職判定基準を均てん化することは困難であるが,復職判定に対する客観性を担保するためにそのプロセスにかかる基準を設けることは可能であると思われる.例えば,労働者が医師の診断書など復職判定のための資料を提示しなかった場合に,不利益がありうる旨を説明すること,健康情報の取扱いに関する事項,主治医への意見聴取など使用者側が取るべき措置などは使用者がどのような休職制度を採用していても共通性があると考えられる.また,主治医と産業医の判断が分かれた場合には第三者の医師にも判断を求めるなど判定資料に関する基準をおくこともありえよう.

2.復職過程における法的問題―復職支援の実施と使用者の配慮義務―
 試し勤務は精神障害を有する労働者の職場復帰において有効な手段であり,厚生労働省公表の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」12)において,「正式な職場復帰決定の前に,社内制度として試し出勤制度等を設けると,より早い段階で職場復帰の試みを開始することができます.休業していた労働者の不安を和らげ,労働者自身が職場の状況を確認しながら,復帰の準備を行うことができます」と説明されている.気分症を有する労働者の復職促進にも資すると考えられる.
 従来,裁判例22)30)32)33)は,試し勤務の実施や職場復帰に際して,労働者に対する配慮義務(安全配慮義務および職場環境調整義務)を使用者に課しており,(i)職場復帰支援プログラムを整備して当該プログラムに基づいた支援を行うこと,(ii)専門家である医師の意見や労働者の意向を聴取し,労働者の健康状態を把握したうえで対応を取ることが重要であると指摘できる.また,手引きの「職場復帰支援の各ステップ」では第2ステップで初めて産業医の関与が記載されているが,復職時点のみでなく,休職前などより早い段階から継続的に産業医が関与することが気分症を有する労働者の復職促進にも資すると考えられる.

おわりに
 大阪産業保健総合支援センターが中心となった調査で,精神障害の診断書で休職した労働者数は2000~2014年の15年間で6.4倍,うちうつ病・抑うつ状態などの診断書では8.2倍となったという7).これには純粋な患者数の増加に加え,うつ病の啓発活動による同診断名の増加や,非精神科医が診断することへの抵抗感が低減したことによる同診断名の増加も関与していると思われる.うつ病ではその多様性を考慮せざるを得ないが,いずれにしても治療の基本は休養と服薬である.労働者に就労継続の意欲が認められず休業を希望する場合や,職場で職務配慮が守れないなど病気の自己管理ができない場合,身体的・精神的症状が重篤で業務遂行に困難を認める場合などでは休業が望ましい9).労働者は症状の改善に伴い復職するが,その再燃再発防止が主治医にとっても職域にとっても課題となる.
 主治医は主に症状から復職を判断する.では職場はどうであろうか.職場では症状よりも継続した就労能力に重きをおいた復職判断がなされる.復職可能の診断書が出た場合,職場の復職規定に則って対応が開始される.そしてその復職規定は国の示した「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」12)が参考にされていることが多い.ここでは復職を5つのステップに区分し,休職開始を第1ステップ,「復職可能」の診断書が出るのは第2ステップとしている.この手引きで復職は第4ステップ後に設定されており,復職までに第3ステップ「職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成」,第4ステップ「最終的な職場復帰の決定」を行うとされる.ここに職場と主治医との連携も含まれ,リワークなどへの参加もこの期間に設定される.就労可能の診断書ですぐに復職可能と考える主治医や労働者もいるが,職場の基本対応を理解しないと主治医や労働者と職場の間で軋轢が生じる.本稿の「はじめに」に記載しているように,復職時には気分症自体が異種性の高い疾患あるいは症候群である,従事している職務内容や職場環境が異なる,個人の背景もさまざまであることなども念頭においての連携が必要である.
 本稿のIでは,当事者,医療,事業所が三位一体となって取り組むことが重要であることを示した.IIにおいては,一定の時間をかけて生活リズムの維持,課題の実施状況の確認,再発予防の検討が重要とした.IIIでは抑うつ気分を呈する者のなかには気分症だけではなく認知症など,他の疾患も含まれる問題について呈示した.IVでは,復職を成功させる基準を考えるときには,本人の回復度のみならず,職業適性などを検証して本人の適性に合った仕事環境を検討するステップが必要と指摘した.Vでは法律家の立場より,判断の均てん化に向けて,裁判例における復職可否に関する判断,労働者のおかれた条件による判断基準,復職判定プロセスにかかわる均てん化を提案した.これらの議論により,復職判断の均てん化構築には精神療法的なアプローチ面から実施していくことが望ましいとも感じられた.最後に,各自が復職判断基準の均てん化の重要性とその課題をもう一度再考する必要があるのではないかと考えられる.

 本稿は第119回日本精神神経学会学術総会(横浜)におけるシンポジウムの発表に基づいており,「はじめに」は吉村玲児,「I」は坪井貴嗣,「II」は佐渡充洋,「III」は池ノ内篤子,「IV」は渡辺洋一郎,「V」章は佐々木達也,「おわりに」は井上幸紀によって記載された.

 利益相反
 吉村玲児はヴィアトリス製薬合同会社,エーザイ株式会社,大塚製薬株式会社,武田製薬工業株式会社から講演料をもらっている.坪井貴嗣は住友ファーマ株式会社,武田製薬工業株式会社,ヴィアトリス製薬合同会社,大塚製薬株式会社,Meiji Seikaファルマ株式会社から講演料をもらっている.それ以外の著者に本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

文献

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