Advertisement第116回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第122巻第10号

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原著
Jaspers, K.の精神療法論―『Allgemeine Psychopathologie』初版から第四版までの変遷―
佐藤 晋爾1)2)
1)筑波大学医学医療系茨城県地域臨床教育センター精神科
2)茨城県立中央病院精神科
精神神経学雑誌 122: 734-748, 2020
受理日:2020年5月8日

 精神病理学の礎を打ち立てたことで知られるJaspers, K. が,治療に対して強い関心をもっていたことはあまり知られていない.事実,Jaspersの著書『Allgemeine Psychopathologie』の付録には,初版から一貫して治療に関する臨床的な記述があり,改訂の度に,本文同様,付録の記載も第四版まで大きく変化している.本検討では『Allgemeine Psychopathologie』の付録の精神療法に関するJaspersの議論の変遷を,初版から第四版まで概観し,Japsersが精神療法についてどのように考えていたのか,具体的には治療者像,治療関係,治療目標などについてまとめた.Jaspersが『Allgemeine Psychopathologie』初版を著した時期は,ちょうど催眠療法が衰退し,精神分析が勃興する狭間であった.この当時のJaspersの精神療法観を検討することは,本邦で通常行われている特定流派にそったものではない精神療法の目標や技術を考えるうえで,今もって貢献する点が多いと考えられた.

索引用語:ヤスパース, 精神療法, 精神病理学, 実存>
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