Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第2号

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総説
精神障害者の「働きたい」を実現するために―IPS個別就労支援の効果と可能性―
林 輝男
社会医療法人清和会西川病院
精神神経学雑誌 121: 91-106, 2019

 リカバリーは精神医療の新たな治療・支援ゴールとして位置づけられているが,就労はリカバリーの実現に必要な要素をくまなく含んでいる人間の基本活動であり,リカバリーにコミットしたいと願う治療者・支援者にとって,最も有効で効率的な介入対象である.昨今精神障害者の就労意欲は急激に高まっているが,現行の保護的環境下で段階的に訓練し就労へつなげるという,いわゆるtrain-place(train=訓練,place=職業斡旋)モデルを基本とした就労支援では,このニーズの高まりに十分に応えることは困難である.一方,Individual Placement and Support(IPS)は,place-trainモデルを基本とし,訓練を経ずに直ちに一般就労をめざす支援である.IPSは諸外国ですでに導入されているが,その特徴は,①一般就労率を絶対的アウトカム評価値とすることで,支援の諸条件を科学的に評価することを可能にしたevidence-based practiceであること,②地域をベースにした個別支援で,従来の就労支援と比較し一般就労率を2倍以上に引き上げる効果があること,③一般就労にて,精神障害者が分離されることなく,また過剰に庇護されない環境で,効率よくリカバリーを促進させることを目標としていることが挙げられる.支援の質は25項目からなるフィデリティ評価尺度で点数化でき,客観的評価と継続的品質改善が可能となっている.著者らはIPSの原則を遵守した支援を島根県浜田市で実践しているが,米国と同等の50%前後の一般就労率を安定して実現している.IPSの効果は他にも,支援者の意識改革,組織風土の変化,従来の就労支援利用者の一般就労への移行促進,従来の就労支援に興味を示さなかった者の支援への参画,職場を通じた一般市民の障害理解の深まりなど多彩である.本邦ではIPSを保障する制度はまだ未整備であるが,社会との共生を促す真に実効性のある支援を実現するには,医療との一体化,迅速で継続的な個別対応,地域企業の活用などの諸要素を含むIPSの実践は不可欠と考える.

索引用語:IPS, 援助付き雇用, 就労支援, リカバリー, 一般雇用>

はじめに
 精神医療において,早期退院,地域移行が叫ばれて久しく,確かに近年では大半の新規入院患者は数ヵ月以内に退院し,また再入院を防ぐための地域支援も活発となっている.このような現状において,精神医療の次なるテーマの1つは,地域に移行した精神障害者が地域に定着するだけではなく,地域でやりがい,生きがい,目的,自信をもって生活すること,すなわち機能的な地域との共生を支援できるかということであろう.言い換えれば,これからの精神医療の治療・支援ゴールの1つにパーソナルリカバリーを明確に打ち立てられるかが問われているといえる.
 近年,本邦においてもリカバリーモデルが認知され,精神科医を含む多職種で支援方法を検討する際,しばしばリカバリーという言葉を耳にする.しかし,何をリカバリーとするかは個々人で大いに異なり,経済的に自立すること,家族をもつこと,症状をうまくコントロールできることなどさまざまである.リカバリーのためには,これら異なる価値観が尊重されると同時に,障害をあるものとして受容し,自己の人生を再設計し,新たな目標を定めていくという自己変革も必要とすることが多い.この作業を進める過程で治療者・支援者の担う役割は重要ではあるが,現実にはリカバリーの促進のためにわれわれが提供できることは限られている.多くの場合,精神障害者が生活のなかで成功と失敗を繰り返し,他者に必要とされ,また役に立っていると実感し,経済的基盤の必要性を痛感するなど,われわれがあたりまえのように日常経験することそのものがリカバリーに必要な要素の大半を提供してくれる.冒頭にまず確認しておきたいことは,本稿のテーマである就労は,これらリカバリーに必要な要素をくまなく含んでいる人間が古来営んできた基本活動であり,リカバリー促進にコミットしたいと願う治療者・支援者にとって,最も有効で効率的な介入対象の1つであるということである.しかし,従来型の就労支援,例えば地域のなかで隔絶された作業場で,庇護された環境下,障害者同士が集まり行う就労はリカバリーを促進する要素を十分に含んでいるとはいえない.一方,地域の企業で一般就労を実現することができれば,より多くのリカバリーに必要な要素を享受でき,より高い確率でリカバリーが実現できると期待される.
 本稿では,米国で1980年代後半から開始された,リカバリーモデルに基づく個別一般就労支援である個別職業紹介と支援〔Individual Placement and Support:IPS;近年はevidence-based supported employment(科学的根拠に基づく援助付き雇用)と呼ばれることが多い〕を紹介し,われわれの実践報告と合わせてその可能性および課題について論じる.

I.精神障害者就労の動向
 本邦における精神障害者の就労に関する制度的取り組みは先進国のなかでは緩慢であったと言わざるを得ない.しかし1995年の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)の改正に伴い,少なくとも保護的環境下における就労支援の制度化が進み,2013年の障害者総合支援法,障害者差別解消法の施行,2016年の改正障害者雇用促進法により段階的であるが精神障害者の一般企業での就労を促進するインセンティブがとられた.この法制度改革の流れのなかで,例えば45.5人以上の従業員数を雇用する民間企業における障害者の法定雇用率は2013年に1.8%から2.0%に,2018年にはさらに2.2%に引き上げられ,2021年には2.4%をめざすとされた.特筆すべき変化は,2018年4月1日より障害者雇用義務の対象に精神障害者が正式に加わり(言い換えればそれまでは対象として扱われていなかった),雇用率の算定基礎に含まれるようになったことである.基準となる雇用率を維持すれば企業は特定の助成を受けられ,満たさない場合はペナルティーを課せられるため,企業側の雇用ニーズは高まりをみせている.確かに厚生労働省の2017年障害者雇用集計によれば,一般企業における全障害者のなかの精神障害者の占める割合は10%と,身体障害者の67%と比べいまだ低水準であるが,過去5年間で約3倍,計約5万人と最も大きい伸び率を示している16).障害者数では身体障害者と精神障害者数はほぼ同等なことを考えれば20),今後さらに精神障害者の雇用が進むことが予想される.図1に島根県の新規求職者の障害者別推移を紹介する.そこには精神障害者の就労意欲の急激な高まりをみてとれる.
 精神障害者の就労の促進要因として,障害者自身の意識の変化も挙げられる.地域移行が進む現在,作業所などの従来型保護的環境から一般企業での就労をめざすことは現実的と捉える者が増えている.われわれのデイケアで行った2016年アンケートにおいても56%の人が社会復帰とは「働くこと」と捉え,49%の人が一般企業で働けるのであれば「就労支援を受けたい」と答えている12).リカバリーを対象とした意識調査でも,精神障害者自身,リカバリーと捉えるものの最上位に「働くこと」を挙げている11).加えて,一般市民にとって精神疾患がより身近なものとなり,雇用側の精神障害者の受け入れに対する意識も変わりつつあると思われる.これら,制度上の変化,市民の意識変化が相乗的に働き,いまだかつてなく精神障害者の「働きたい」という機運は高まっているといえる.

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II.従来型の就労支援とその問題点
 精神障害者の回復や社会復帰に就労が有益であるとの考えは以前より広く認識されており,就労支援の制度化が進む前から,院内・院外作業,授産施設労働,さらにはデイケアにおける作業訓練などが行われてきた.近年では,障害者の就労に関する制度的枠組みが整えられ,就労移行支援事業,就労継続支援事業(A型,B型)が広く普及している.就労移行支援事業は2年間の期限を定め,一般就労が見込まれる者に対して,就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練,職場開拓支援,就職後の定着支援を行う.就労継続支援では事業者の用意した職場で指導員のもと就労訓練を行う(A型は雇用契約を結び,最低賃金が保障される).その他,精神障害者の就労にかかわる支援機関として,職業評価,職業準備訓練,事業主に対する助言などを実施する障害者就業・生活支援センターも設置されている.2017年度の時点で約3,300の就労移行支援事業所,約14,000の就労継続支援事業所(A,B型合わせて)が開設され,多くの障害者に社会で活動し,就労できる場と機会を提供している.
 上記就労支援事業が精神障害者の就労や社会参画を大きく促進したことは疑う余地はないが,同時にさまざまな課題も孕んでいる.直面する課題は主として以下の2要因に起因すると考えられる.第一に従来の就労支援は「精神障害者は高いストレス脆弱性を有するので,就労前に広範で段階的な訓練を要する」と仮定したストレス脆弱性モデルに基づきデザインされていることである(これをtrain-placeモデルと呼ぶ;train=訓練,place=職業斡旋).一方,後述するIPSはplace-trainモデルに基づいてデザインされており,段階的訓練を経ず直接一般就労をめざす支援形態をとる.第二に精神科リハビリテーション全般にいえることであるが,支援デザインの有効性を科学的に検証していないため,継続的な品質改良が行えないことである.そのため,各事業所ではさまざまな段階的な訓練を提供しているが,果たして提供した訓練段階が妥当か,そして各段階の継続期間は適切かなど,支援の構成要素を科学的に検証することなく,支援内容の決定は各事業所の支援者の見解にゆだねられることになる.そして,現在の支援が一般就労の実現において有効なものかの評価も難しい.その結果,少なくとも以下の諸問題を生じている.
 ①障害者本人の本来の希望にかかわらず均一な訓練を一定期間継続することが要求される.
 ②時に,障害者の施設内の囲い込みが生じ,結果的に地域からの分離につながる.
 ③保護的支援環境に慣れ,障害者本人,家族,支援者が一般就労へ不安感を抱く.
 ④有効性の評価がされていないプログラムを長期間提供する危険がある.

III.IPSの特徴
 以前は,米国においても社会保障法に基づく保護的就労(sheltered workshopと呼ばれる)が障害者の就労支援の中核であった.さらに,1973年には就労リハビリテーション法が施行され,各州に障害者の就労リハビリテーションを主導する公的機関Vocational Rehabilitation Officeが設置され,税制上の優遇策を含む障害者雇用も推奨された21)27).しかし,障害者給付金や生活保護を受給する者の減少は思うように進まず,優遇策の恩恵を受けた者の就労復帰率がむしろ低下するという皮肉な結果を招いた.それを受けて,就労リハビリテーション法が1986年に改正され,援助付き雇用(supported employment)が施策に加えられることになった.この施策は主として税金で支援される人を納税者へ転換すること,障害者の自立と差別解消を促進することを目的とした21)27)
 この施策変更の流れは,精神障害者の人権擁護,意思決定権,そしてリカバリー指向の高まりと相まって,従来の障害者就労支援の問題点を克服し,精神障害者の地域との共生を促進する就労支援の開発を後押しした.その流れのなか,科学的検証を中核に据えたevidence-based supported employmentとして考案されたのがIPSである1)22).他の精神科リハビリテーションと比較してIPSをより科学的に検証可能な実践にしたのは,最終アウトカムを一般就労率という単一変数で評価できた点である.表1にはIPSと従来の就労支援との相違をまとめた.

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IV.IPSの実践原則
 IPSではこれまでランダム化比較試験を含む多くの臨床研究によって,一般就労率に影響する要因を抽出,評価し,現在8つのIPS実践上の原則が整えられている(表2).以下に要約する.

1.一般就労に焦点をあてた支援
 就労を希望するあらゆる精神保健上の問題を有する人を対象に,一般就労を実現可能なゴールとして掲げ,それに向けて支援を提供する.技術や知識取得のための進学も支援対象とする.IPSにおける一般就労の定義は,勤務時間やパートタイムであるかどうかは問わず,誰でも申し込みができ,最低賃金が保障され,一般の労働者と同じ職場で同じ内容の仕事をすることとなっている.一般就労にて,精神障害者が分離されることなく,また過剰に庇護されることのない環境で経験を積むことで,より効率よくリカバリーを促進させるとの考えに基づく.より多くの精神障害者が保護的就労施設よりも一般就労を希望していることも事実である2)

2.支援の可否は利用者の選択にゆだねられる
 就労準備の程度,診断,症状,薬物依存歴,入院歴,ホームレス,重症度,触法歴などで支援から除外しない.希望するすべての人が支援対象となる.精神医療に携わる専門職であっても,就労の是非を症状で判断したり,過剰にその可能性を低く見積もる傾向にある17).実際には就労実現は仕事内容と利用者の好み・ストレングスとのマッチング,支援の迅速性,雇用主との相性など多彩な要素に影響される.IPSの実践経験のある精神保健従事者は,より利用者の就労の可能性を高く見積もる傾向があることが示されている31)

3.就労支援と精神医療の統合
 IPSは精神保健・医療チームとの多職種協働によって行う.連携チームのなかに精神科医がいる場合といない場合では一般就労率が有意に異なるという研究結果がある30)

4.個人の好み,選択に注目する
 支援の内容は,個人の好みや選択によって組み立てられ,支援者の評価によって決定しない.職種や就労時間にとらわれず,個人のストレングス,特技,希望に焦点をあて職場選択をする.仕事内容,労働時間,通勤時間など本人の希望に適合した職に就職した者はより長期間一般就労を継続できる19).本人の希望や好みに焦点をあてた職業斡旋を行えば,ある特定の企業や職種に就職者が集中することはあり得ず,また障害者の雇用に前向きな企業に過度に依存することもないはずである.IPSでは就職者の職種多様性が80%以上を維持するよう努める.

5.個別保障制度相談
 IPS就労支援員は,支援を受ける個人に,社会保障,医療保険,その他の保障に関する正確でわかりやすい情報を提供し,就労の保障に与える影響,就労後の収支の見通しを文書で定期的に説明する.具体的な数値計算をせずに,保障を失う心配からいたずらに就労を回避するケースがある.事前の相談が就労決定の不安を和らげIPSによる就労実現率を向上させるという報告がある29)

6.迅速な職場調査
 IPSは,時間のかかる就労前評価,訓練,カウンセリングなどを回避し,利用者が直接就労をできるよう,支援早期に職場調査を開始するplace-trainモデルである.IPSでは利用開始から初回の雇用主面接までの中間値を30日以内に維持することを目標とする.迅速な就職活動の開始が精神障害者の就労率を高める3)

7.計画的な職場開拓
 IPS就労支援員は,求職者の希望やストレングスを考慮しながら地域で雇用主を開拓し,開拓した雇用主を計画的に訪問し,職場のニーズや雇用主の希望を調査する.利用者の就労後も雇用主を訪問しアドバイスを行う.IPS就労支援員は勤務時間の60%以上を地域で費やすことになる.

8.期限を定めない個別支援
 就労支援は個別に行われ,就労後も利用者が支援を必要とし,希望する限り継続する.一方,目標は自立であるので,支援量は徐々に減らしながら,支援の終了を提案するか相談員や主治医へフォローをゆだねることもある.広く薄い支援よりも濃度の高い集中的な支援が効果的であり,1人のIPS就労支援員が支援するクライアントの数は25人を超えないよう調整する.支援するクライアント数が過剰になれば就労率は減少する9)
 臨床研究で効果が認められた実践であっても,必要な諸条件を満たさなければ臨床場面で効果がばらつくことはしばしばある.このばらつきを押さえるためにIPSでは実装科学(implementation science)理論を採用し,研究で必要性が認められた諸条件を定量化し,定期的に測定することで,必要要件が実践のなかで保たれているか,どの要件に改善の余地があるか可視化するためのフィデリティ尺度(適合度評価尺度)が考案されている.IPSフィデリティ尺度は,人員,組織,サービスの3つのセクションからなり(計25項目を評価する),各項目は,1=未実施から,5=完全実施の間で,高い値ほど実施の度合いが高まる5件法の形で評価される.フィデリティ尺度の総計点と一般就労率は統計学的に正の相関を示す.本邦でもSasaki, N.ら26)が日本語版IPSフィデリティ尺度を作成し妥当性を確認している.現在,国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部が中心となり,全国でIPSを実践している事業所(2018年1月で約20ヵ所と推定)に評価者を派遣し,年に1回のフィデリティ調査を行っている.図2にわれわれが実践しているIPSのフィデリティ調査結果の一部を提示する.これらの結果を受け,改善すべき項目を確認し,支援に反映するように努めている.IPSの特徴は援助付き雇用のなかでも支援の質を数値化するevidence-based practiceな点であるが,フィデリティ尺度以外にも定期的に数値化すべき重要項目があり,それらを表3にまとめた.

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V.IPSの効果
 IPSは米国において1990年初頭から普及し始め,現在はオランダ,スペイン,イタリア,オーストラリア,中国などでも実践されている.Drake, R. E.ら8)は統合失調症を主とする重度精神障害者を対象に,従来のtrain-placeモデル型とIPSを比較し18ヵ月間のランダム化比較試験を行い一般就労率はIPSのほうが有意に高いことを報告した(従来型が9.2%,IPSが60.8%).オーストリアで長期間(5年)のフォローアップ試験が行われたが同様に効果の優位性を認めた13).計11のランダム化比較試験をまとめると従来の就労支援では23%,IPSでは61%の一般就労率となり,IPSで倍以上の就労率が得られている4).本邦でも検討が行われ,同様にIPSでは従来型の就労支援と比較して有意に高い一般就労率を実現し,それは支援期間が1年以上になるとさらに上昇する傾向を示した22-24)32).IPSは一般就労率を引き上げるだけでなく,就労定着率,就労時間,収入も有意に上昇させることが示されている5)6)13).近年,IPSの効果の細部にわたる検討が行われ,認知機能リハビリテーションを併用することでIPSの効果が増強すること14),統合失調症や双極性障害以外の精神疾患,例えば薬物依存10)18),PTSD7),また脊椎損傷25)にも同様に効果を示すことが報告されている.

VI.IPSの実践
 われわれは従来の通所型就労支援では利用者の停滞が生じ,就労の場を地域に移行させる力に弱いと考え,2016年4月から人口57,000人の島根県浜田市においてIPSを開始した.開始にあたっては,十分なIPSの教育資源が本邦にはないため,IPSを開発したDartmouth Psychiatric Research CenterのDrake, Becker, D. R., Bond, G. R.氏を訪れ,開発や実践の経緯,データ管理や留意点を学ぶ機会を設けた28).さらに,IPSを実践しているバーモント州立地域精神保健センターの1つHoward Centerをスタッフ数名と訪問し,実践現場(職場開拓・訪問,クライアント面接,チームミーティング)への同行や視察を行った28).島根県浜田市におけるIPSの効果をできる限り客観的に評価できるよう,Beckerらによって改訂された最新版IPS Supported Employment Program Implementation Guide(Revised 2015)を日本語訳し28),それに忠実にIPSを実践した.米国の実践視察にて,日本でもIPSは同様に有効になるとの実感を得たが,成功のための条件として,以下の3点を学んだ.すなわち,①医療チームとの連携を確立すること,②IPS就労支援員は専任とし兼務を可能な限り避けること,③「誰でも働ける」と信じられる人材をIPS就労支援員として選び,スタッフの前向き思考を維持する体制を確保すること(チームミーティング,スーパービジョンの実践)である.この3点にはIPSオフィス開設にあたり格別の注意を払った.
 本邦で実践されている数少ないIPSのほとんどは,その業務の類似性から就労移行支援事業所で実践されているが,われわれは同事業を有しておらず,また医療チームとの連携を担保するため,精神科デイケア内にIPSオフィスを開設した.フタッフは常勤2名を用意し,IPS専任とし(ただし,そのうち1名はリワークプログラムにも関与した),デイケア業務へは関与しないこととした.図3にわれわれの実践しているIPSの実績をまとめた.疾患別で最も多いのは統合失調症圏であり,30~40代が利用者のなかで最も多い(図3a,b).開設後2年間で利用者,就労者は経時的に増加し,現在では半数以上の利用者が就労を実現している(図3c).IPS利用前の利用者の利用サービスでは,開設当初はオフィスがデイケアにあったため,まずデイケア利用者からの参加が目立ったが,次第に就労継続支援事業の利用者も参加し始めた(図3d).これにより2016年では年間2名であったB型就労継続支援から一般就労への移行者が,2017年では9名まで増加した.興味深い点は,外来通院は行うが,既存の支援には興味を示さなかった者のなかにIPSによる一般就労支援を希望する者がいることである(図3d).このようなケースには,これまで支援の手が届かなかったが,IPSが新しい支援の選択肢を提供している.IPSは支援に除外規定を設けないので,入院中の患者でも希望があれば支援を提供している(図3d).病状が一見安定して退院しても再び自閉生活に戻るケースが散見されるが,このようなケースに入院中から職業安定所(ハローワーク)訪問や履歴書作成を支援し,退院後の生活設計(例えば就労)を入院中から具体化することで再入院を防げているケースがある.
 島根県浜田市でIPSを試みるにあたり,「この過疎の進む街で果たして就労先があるのか」という疑問を多く聞いた.しかし,実践してみると2名のIPS就労支援員が地域で継続的に職場開拓し,ハローワーク,障害者就業・生活支援センター,行政と緊密に連携することにより,2年間で計172社の職場訪問を実現した.その内42社(24%)は精神障害者の雇用に「大変理解がある」,58社(34%)が「まずまず理解がある」とIPS就労支援員によって評価され,7割程度の雇用主が精神疾患を経験した人の雇用に興味があることが確認された.また,IPS開始日から雇用主との初回面接までの中間値は初年度から26日と,30日以内というIPS目標値をクリアーし,迅速な就職活動が可能であった.地域間で労働需要に差があるので,雇用主の精神障害者の雇用意識に地域差があるかもしれないが,IPS就労支援員が利用者だけでなく雇用主への支援も確約することで,雇用主が精神障害者の雇用へ前向きになることは確かである.いずれにしても,人の営みのあるところであればどこでも精神障害者が働く場があるとの実感を得ている.

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 症例提示(50代,女性,統合失調感情障害)
 IPSは就労前評価,訓練を避け,迅速な職探しを開始することを特徴とするが,何よりも優先されるのは本人の希望である.ここでとりわけ就労まで時間を要した症例を提示し,IPSが本人の思いやペースを尊重し,疾病の開示などデリケートなテーマも同時に扱うことを紹介する.なお,提示された症例には文書,口頭にて匿名性に配慮したうえで論文にすることを説明し同意を得た後,当法人倫理委員会によって症例報告の承認を得た.

 看護師として勤務し,結婚後3子出産.20代で離婚.その頃より,独語,空笑,妄想,気分高揚感があり仕事も転々とするようになった.30代より精神科病院の入退院を繰り返し,夜間しばしば緊急受診をし,医療機関は対応に苦慮していた.45歳以降は入院が減り,精神科デイケアに通所していた.同居の両親が働いて生き生きしているのをみて就労を希望し,X年7月IPSを開始した.「看護師の資格を活かしたい」「病気は開示したくない」「長く働いていないので働くことが不安」と述べた.IPS就労支援員はハローワークへの同行や求職情報の提供をしながら,不安解消のため社会福祉人材センターを介して資格の学び直しを目的とした介護サービス実習を提案した.実習を経験することで本人自ら「週4日以上の仕事は難しい」と述べ,自分の体力を客観的に評価することができた.X年11月デイサービスの求人を見つけIPS就労支援員と公共機関を使って通勤の練習を試み,続いて職場見学を行った.「看護師の仕事は難しそう」と感想を述べ,自分なりに現実を受け止めたようであった.さらにクリニックの見学を行ったところ,自ら事務職にも求人を広げることを提案した.精神科治療を受けていることは非開示で応募したが図書館,市役所,薬局,書店と不採用が続いた.その間もIPS就労支援員は本人と定期的な面会を継続し,不採用の原因を話し合い,迅速に次の就職活動を始めた.X+1年10月デイケアで「就労は難しい」と噂されていた知人が精神科治療を受けていることを開示しIPSで就労を実現したのをきっかけに同様に開示することについて考え始めた.X+1年11月保険会社の事務(精神科治療を受けていることは非開示),郵便局の事務(病名は開示しないが,精神障害者手帳を取得していることは開示したいと希望)の2つの求人に応募した.後者は本人の希望によりハローワークで障害者登録を行い,障害者雇用枠を選択し,IPS就労支援員が採用面接に同行した.2件とも採用となったが,家族,支援者と協議し後者を本人が選択した.就職後もIPS就労支援員が職場訪問,本人との面接を週に1回程度行い,「データ入力が遅い」などの職場の要望を聞き取り,本人・雇用主と協議し,調整を図った.X+2年4月には医療関係者を対象にした講演会で,講師として登壇し,闘病体験や就労実現までの経緯について自信をもって講演した.そこで彼女は働くことは「社会で認められ,役に立ち,成長すること」「楽しさ,厳しさ,喜び」であると語った.現在も就労は継続され,郵便局の一般業務を他の職員とともにこなしている.

おわりに
 われわれは精神障害者の一般就労支援に焦点をあてたIPSの導入にあたり,極力原型のIPSに改変を与えずに実践し,当該地域におけるその効果を確認するとともに,本邦における課題を拾い上げようとした.その結果,島根県浜田市でIPSを実践したところ米国におけるIPSによる就労率とほぼ同等(40~60%)のアウトカムを2年以内に得ることができた.これは本邦における3つのランダム化比較試験の結果でも示されているように23)24)32),IPSの効果は米国,日本の間ではほぼ同等であることを示唆する.米国におけるJob Centerの代替として本邦ではハローワークがあり,Vocational Rehabilitation Officeの代替として障害者就業・生活支援センターが活用でき,その他行政機関,発達障害者支援センター,社会福祉協議会関連機関(福祉人材センターなど)と連携することでIPSの運用そのものは可能であると考えた.
 IPSの有用性は,エビデンスに基づいた品質管理により施設間のばらつきを抑えた質の高い支援が実践でき,他の支援方法より高い一般就労率が実現できることである.しかし,実際のところ有用性はもっと多岐にわたることを実感している.例えば以下の点が挙げられる:①実践する精神保健・医療機関のスタッフの視点,意識が変化する(ストレングスに着目する,精神障害者の可能性を低く見積もっていたことに気づく,就労支援への興味が高まるなど),②症状や技能改善だけではなく,リカバリーに直接焦点をあてた実践が提供できる,③通所型のサービス利用者,外来患者に動きが生まれる(従来のサービスに興味をもたない者を拾い上げる,デイケアや就労継続支援事業参加者の一般就労への移行を促す),④精神障害者が一般企業で活躍する機会を獲得し,一般市民の精神障害への理解が深まる,⑤就労支援のフィールドを地域全体に広げ,地域にすでに存在する産業を支援に活用できる(費用対効果の高い支援である).われわれの法人ではIPSの導入後,職員間で就労に関する話題が多くのぼるようになり,就労を実現した当事者の声を聞く会が企画され,地域関係機関や雇用主と意見交換をする機会が確実に増えている.
 IPSは1990年代に先駆者によって本邦に紹介され,一部施設で導入が図られたが1)22),現在まで十分な普及に至っていない.国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の行ったIPSフィデリティ調査の結果では,現在8原則を採用したIPSを実践している機関は国内で2018年1月の時点において20施設強であると推定され26),精神障害者の一般就労支援の普及はかなり立ち後れていると言わざるを得ない.下に述べるように,現行の障害者向け就労支援事業を組み合わせ,IPSを実践することは可能であるが,精神障害者の一般就労支援では身体障害者,知的障害者のそれとはかなり異なる知識,介入法が要求され,3障害に等しく適応できる形で設計されている現行制度は十分使いやすいとはいえず,現行制度の枠にとらわれすぎると良好なアウトカムが望めない可能性がある.
 ここでIPSの普及における問題点をまとめる.第一に,支援制度として確立していないため長期安定した運用を担保する資金を確保しにくい点である.現行制度を活用するとすれば福祉事業としての就労移行支援が最もIPSを適用しやすい制度であろう.ただし,そのためには就労移行支援事業によくみられる集団を対象とした訓練や評価ステップを極力簡略化,あるいは廃止し,支援対象の中核を精神障害にするなどの調整が必要であろう.また,福祉法人単体として運用する場合は,医療との連携をどのように確保するかが重要な課題となる.精神医療機関が就労移行事業所や障害者就業・生活支援センターを併設することは現実的な対応策の1つとなるかもしれない.2018年度から,障害者の一般企業における就労を促進する施策として,就労定着支援事業が開始されたが,この事業もIPS運用で一部活用できる可能性がある.医療機関単体でIPSを導入した場合は,デイケア,訪問看護,計画相談などを活用することは可能であるが,運用資金をそれらサービスのみで確保することは容易ではないだろう.第二の問題点は他機関との連携強化制度の整備がまだ不十分な点である.当法人は地方の過疎地域に位置するため他機関のスタッフと逆にパーソナルな連携がとりやすいと感じることが多いが,特に連携頻度が高くなるハローワークとの連携をいかに円滑にするかは課題である.一般的にハローワーク職員は精神障害やその対応について十分な知識を持ち合わせておらず,また昨今の障害者雇用制度の充実により,無選択に障害者雇用を勧め本人の希望がなおざりにされる可能性があり,支援スタッフとハローワーク職員の緊密な連携,役割分担の明確化が不可欠である.一部地域で病院とハローワークの連携モデル事業が始まっているようであるが15),精神疾患への理解を深める学習を含めた連携を深める企画が必要である.第三の問題点は専門家向けの就労支援に関する教育,学習の機会が乏しいことである.IPSに限らず精神障害者の就労支援において,精神医療は必須であり,精神科医が就労支援の重要性と本来の目的を理解し,リスク回避の指導からチャレンジを促す指導へ意識を変化させる必要がある.現在Japan IPS Association(JIPSA)が創設され年会が開かれているが,まだ精神障害者の就労支援に関して学ぶことのできる場は国内では乏しい.
 本稿では精神障害者の一般就労を個別で支援するIPSの理論,実践内容を紹介した.フィデリティ尺度にある項目に留意して実践すれば,支援を必要とする精神障害者の50%は一般就労が可能となる.先行研究でも示唆されているが18),実践してみて一般就労の実現は精神疾患診断,重症度とはあまり相関しないと実感する.本人が希望の職に出会い,良き同僚,良き雇用主と巡り会うことのほうがより強い決定因子となるのである.これら偶発的因子に加え,その他就労の決定因子を挙げるとすれば,以下の3点となる.①必要なタイミングで必要な支援が提供されること(そのためにも支援者数を一支援員あたり25名以下とし,スタッフはIPS専任とすることが好ましい),②本人の「働きたい」と思う気持ちが強いこと(そのためにもモチベーションを下げる支援者の否定的な対応を極力排除すること),そして③客観的評価を継続すること(主観に頼りすぎず,データによって支援の質を常に客観視すること)である.精神障害者の就労ニーズの急激な高まりに対応するためには今の体制では不十分であることは明らかである.精神障害者の就労支援が良好なアウトカムを生むために,これらIPSから学べる必須要素を実践や施策立案に早急に組み込むことが望まれる.

 編  注:編集委員会からの依頼による総説論文である.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

 謝 辞 IPSの導入,実践において多大な協力をいただいた新家望美精神保健福祉士,川本悠大作業療法士両氏に謝意を表したい.

文献

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