Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第120巻第8号

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症例報告
脳梗塞と脳動脈瘤を合併したうつ病患者に修正型電気けいれん療法が有効だった1例―より安全な治療法の確立に向けて―
島野 朋也1)2), 夏山 卓1)2), 澤山 恵波1), 大石 智1), 斎藤 正範1), 宮岡 等1)
1)北里大学医学部精神科学
2)北里大学大学院医療系研究科
精神神経学雑誌 120: 633-639, 2018
受理日:2018年4月6日

 脳梗塞,未破裂脳動脈瘤,高血圧症を合併したうつ病患者に対して,修正型電気けいれん療法(m-ECT)を実施し,寛解状態に至った症例を経験したため報告する.米国精神医学会タスクフォースリポートでは,危険性を高める身体的状態がいくつか提示されており,本症例はそのなかで不安定な動脈瘤に該当した.m-ECT施行にあたり,治療により生じる可能性のある危険性を脳神経外科と,術中術後の管理について麻酔科とそれぞれ協議を行った.m-ECTは特に有害事象を生じずに終了した.わが国は高齢者人口が増加しており,高齢化に伴い今後さまざまな身体疾患を有する症例にm-ECTを施行することが必要となると考えられる.本症例のように十分に各科と連携を図ることで,治療の安全性を高めることができると期待される.

索引用語:修正型電気けいれん療法, 未破裂脳動脈瘤, 昏迷, 脳梗塞, うつ病>
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