緊張病について論ずる際に注意すべき点を精神病理学総論的視点から述べた.緊張病という類型は理念型であること,同じ病名を使っていてもその範囲は提唱者によって違いがあること,それぞれの提唱者の視点・問題意識が異なっていること,緊張病の身体的基盤の究明や治療反応性を論ずる際には暗黙裡に緊張病なるものが実態として存在していることを前提としていることを指摘した.
理念型としての緊張病
聖マリアンナ医科大学神経精神科学
精神神経学雑誌
120:
131-136, 2018
<索引用語:精神病理学総論, 緊張病, 理念型, DSM>