Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第120巻第10号

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資料
「精神科担当医の診察態度」を患者・家族はどのように評価しているか―約6,000人の調査結果とそれに基づく提言―
夏苅 郁子1), 夏苅 直己1), 金原 明子2), 熊倉 陽介3), 笠井 清登2), 福田 正人4), 池淵 恵美5)
1)やきつべの径診療所
2)東京大学大学院医学系研究科精神医学
3)東京大学大学院医学系研究科精神保健学
4)群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学教室
5)帝京大学医学部精神神経科学講座
精神神経学雑誌 120: 868-886, 2018
受理日:2018年7月5日

 【背景】現在の精神科担当医の診察態度・コミュニケーション能力について,治療場面における患者・家族としての立場からの評価を調査した.【方法】無記名自記式質問票18,000通を全国の患者・家族協力団体へ郵送した.【結果】質問紙回答6,341人,有効回答6,202人(患者本人2,683人,家族3,519人)であった.年代では患者本人は30代・40代,家族は60代・70代が多く,性別は本人は男性52.0%,家族は男性24.4%,生活状況は73.4%が家族と同居,治療状況では4人以上,担当医を変わった人が48.8%,担当医変更の理由は医師側の理由が最も多かった.通院・入院先では精神科病院や診療所が多く,病名は統合失調症(71.6%)が最も多かった.医師を選択する基準は「適切な薬を処方する能力」が本人・家族ともに最も多く(本人65.4%,家族71.0%),人柄,コミュニケーション能力,行動力が次に続いた.診察態度の評価(本人)では「清潔な身だしなみである」「きちんと顔を見て,目を見て話をしてくれる」が現状では「満足」と感じられる項目の上位,「早く診察を切り上げようとする雰囲気がある」が「不満足」と感じられる項目の上位であった.本人より家族のほうが「不満足」の評価をする傾向があった.コミュニケーション能力の評価では「尊敬や信頼ができる」「話をよく聞いてくれる」が現状では「満足」と感じられる項目の上位,「急変時の対応策を教えてくれない」「適当に扱われ,親身に対応してくれない」が「不満足」と受け止められる項目の上位であった.本人・家族とも5割以上が「患者本人の価値観を中心に診察をしている」と回答した.そうした回答をした人たちは,医師の態度についても好評価をする傾向がみられた.【結論】日本で初めて実施された大規模な調査により,診療の質を高め患者の回復に重要と思われる,担当医の診察態度・コミュニケーション能力についての患者・家族としての立場からの評価がわかり,今後の診療について参考となる知見と考えられる.

索引用語:精神科担当医の診療態度, コミュニケーション能力, 患者-医師関係, 共同意思決定, 自記式質問紙調査>

はじめに
 患者-医師関係は,パターナリズム,インフォームド・チョイス,共同意思決定と時代とともに重視される側面が変わってきている.そうした患者-医師関係は,「医学的に推奨される治療」を提供するという医療専門職の視点とともに,主体的な意思が尊重されたと「満足」を覚えるという患者の視点から捉えることが重要である.この2つの視点は,時に相反することから医療専門職に葛藤をもたらすことがあるが,望ましい医療を発展させるための大切な手がかりとなる.
 精神科領域におけるこれまでの患者・家族を対象とした先行調査を展望すると,家族会主体の調査3)4)5)8)16)19)20)23)24)26)28),地域精神保健福祉機構COMHBO実施の調査1)2)がある.また,うつ病に限定したインターネット調査21)27)や厚生労働省の研究費で行われた調査6)22)25)があるが,精神科病院の機能評価,長期入院患者の地域移行などや身体合併症についての言及が主である.
 これらを概観すると,対象者1,000人以下の規模である,患者の生活状況や服薬状況の調査が多い,特定の医療機関や地域や団体を対象としたものである,当事者会や家族会主体の調査であることなどの特徴がある.
 児童精神科医である筆頭著者は,母親が統合失調症であったこと,自身もうつ状態から自殺未遂を繰り返し精神科へ通院したことを2011年以降に公表した10-14).公表後,全国の当事者会や家族会を訪問し対話をする経験を数多く重ねるなかで,「家族・当事者・精神科医の3つの立場」を活かし,診察では言えない患者・家族の想いを医師の世界に届けたい,と考え共同著者らの共感を得て,本調査を実施した.
 本調査の特徴は,①精神科担当医の「診療態度」「コミュニケーション能力」について「治療場面における,患者・家族としての立場からの評価」を調査内容とし,患者・家族が質問紙作成において意見を述べ,質問票の回収にも協力したこと,②特定の地域や1つの団体に限らず,わが国のさまざまな立場の精神医療ユーザーを対象にしたこと,③公的研究機関からの研究費や,医療団体や医療関係企業などからの資金援助に基づくものではなく,筆頭著者が調査に要した実費のほとんどを個人的に負担したことである.
 当事者・家族が評価する診察態度やコミュニケーション能力は主観的なものであり,客観的に評価したものとは食い違いがあるのは事実である.「本調査結果は患者・家族の印象にすぎず,科学性・学術性に欠ける」という批判もあるだろう.しかし医療の現場は,そうした主観的な印象をもつ患者・家族と向き合い,心に働きかけることによって行われている.したがって,「治療場面における患者・家族としての立場からの主観的評価」がどのようなものであるかを明らかにすることは,医療にとって客観的な評価とは別の意義があり,今後の精神医療の質を高めていくうえでむしろより重要となると考える.

I.調査実施の経緯
1.調査票の作成方法
 筆頭著者が研究計画の立案を行い,第二著者が倫理申請を行い,日本疫学会倫理審査委員会(番号:15001)から承認された.
 筆頭著者と第二著者が調査票素案を考え,筆頭著者と知己である家族会・当事者会の役員,筆頭著者の居住する地域のNPO法人や共同作業所通所者・職員から広く意見を聞きとり作成した.
 なお,本研究では当事者・家族は研究分担者としてではなく,協力者の位置づけである.

2.対象と方法
1)対象
 精神疾患や障害を抱えながら主に地域で生活している当事者およびその家族などを対象とした.
2)方法
(1)研究デザイン
 無記名自記式質問紙調査を実施した.
 同様の質問紙でインターネット調査も並行して行ったが,インターネット調査では患者背景が異なることから今回は郵送式質問紙調査の結果のみに絞って解析した.
(2)調査方法
 筆頭著者と第二著者が,いくつかの協力組織の責任者に調査目的を説明文を用いて説明し調査を行った.説明文・調査票は,調査のために開設したサイト「精神科医の診察能力,態度,コミュニケーション能力についてのアンケート」15)で閲覧可能である.説明文には,「当事者・家族の現実の大変さと,症状を抱えながらも生活を続ける『強さ』を,広く精神科医に知ってほしいと願い,当事者・家族から見た主治医の『印象と能力』を評価するアンケートを行いたいと思います.アンケートの結果を学会などを通して精神科医に伝えることで,診療が良くなることを願います.診察室では言えない皆さんの本音を,ぜひこのアンケートに記入していただきますようお願いいたします(抜粋)」と記載した.
 筆頭著者と第二著者が研究説明をした全国精神保健福祉会連合会「みんなねっと」・COMHBO・全国精神障害者団体連合会と,問い合わせのあった各地のNPO法人・作業所などへ,平成27年6~8月の間に研究説明文書と調査票18,000部を郵送した.協力組織の各責任者が,調査対象候補者(当事者およびその家族)に対し,文書および口頭にて研究説明を行い,リクルートした.その際,調査協力は任意であることが伝えられた.回答は無記名で行われ,回答済の調査票は郵送にて返送された.回収作業には家族会有志がボランティアで協力した.
(3)調査内容
 主な調査項目は,以下の通りである.なお,本研究に関係しない項目は記載しなかった.
 問1 回答者立場
 問2 回答者年齢
 問3 回答者性別
 問5 本人生活状況(一人暮らし・家族と同居など)
 問6 「今までの精神科(心療内科,メンタルクリニック,神経科も含む)の受診で,担当医(主治医)となった医師は,これまでに何人ですか」
 問7 「前問で2人以上と回答された方におうかがいします.担当医が変わった理由は,なんでしょうか」
 問8 通院または入院先
 問9 現在の病名
 問10A 「もし担当医を選ぶことができるとしたら,どのようなことを参考にして選びますか」
 問11A 「現在の担当医の『診察態度』について,あてはまる番号に1つ○をつけてください」(好ましくない態度を評価する質問項目)
 問11B 「現在の担当医の『診察態度』について,あてはまる番号に1つ○をつけてください」(好ましい態度を評価する質問項目)
 問12A 「現在の担当医の『コミュニケーション能力』について,あてはまる番号に1つ○をつけてください」(好ましくない態度を評価する質問項目)
 問12B 「現在の担当医の『コミュニケーション能力』について,あてはまる番号に1つ○をつけてください」(好ましい態度を評価する質問項目)
 問13 「現在の担当医は,何を中心に診察をしていると感じますか」
 問15 診察時の家族同席
 問16 家族だけの面談の申し入れを断られた経験
 問17 家族として,診察で医師に工夫してほしいこと
 問18A 「担当医の家族への対応に関して,あてはまる番号1つに○をつけてください」(好ましい態度を評価する質問項目・好ましくない態度を評価する質問項目)
 (以下,自由回答)
 問20 「一番,担当医に変えてほしい所は何ですか」
 問21 「担当医に,一番求めたいことは何ですか」
 問22 「あなたにとって嬉しかった,印象に残る担当医からの一言があったら書いてください」
 問23 「あなたにとって,理想の担当医とはどのような医師でしょうか」

 以上の項目のうち,問10A「もし担当医を選ぶことができるとしたら,どのようなことを参考にして選びますか」,問11B担当医の「診察態度」(好ましい態度を評価する質問項目),問12B担当医の「コミュニケーション能力」(好ましい態度を評価する質問項目)については,西垣17)18),宮城7)の研究で用いられた①医師の医学能力,②医師の態度・言動,③医師・患者間の感情・コミュニケーションという3分類を踏襲し作成した.
 また,本調査が「患者・家族の本音」を明らかにすることを目的としていることを考慮し,患者会・家族会の役員などに担当医との関係で困難を感じる事柄を西垣の分類に添って挙げてもらい,それを著者らで検討して項目を作成した.問11A担当医の「診察態度」(好ましくない態度を評価する質問項目),問12A担当医の「コミュニケーション能力」(好ましくない態度を評価する質問項目),問18A「担当医の家族への対応に関して,あてはまる番号1つに○をつけてください」(好ましい態度を評価する質問項目・好ましくない態度を評価する質問項目)の質問の一部がこれに相当する.問12A選択肢1の「何を質問してよいか,わからない」という項目も,患者会・家族会から挙げられたものである.医師側に,患者・家族の理解・会話能力の困難を理解したうえで,コミュニケーションスキルをもってほしいという患者・家族の希望として,質問項目に取り入れた.

3.統計解析
 当初の予想をはるかに超える6,000通以上の回収があった.データ解析について笠井らが共同研究者として加わることになった.筆頭著者と第二著者が日本疫学会へ変更申請を行い,第五著者が東京大学倫理審査会へ申請を行い,いずれも承認された(東京大学医学部倫理委員会:審査番号11003).
 本論文においては量的変数の統計解析を中心に行い,本研究に関係しない質問項目は記載しなかった.すべての統計解析は,SPSS(バージョン23 IBM SPSS)で行った.担当医についての自由回答については,考察で適宜引用した.
 選択肢の1つを選ぶ質問項目で2つ以上選択した場合や,その他不詳については無効回答とみなした.回答者立場については,患者本人とそれ以外の複数を選択した場合は,「本論文解析除外回答」として,その後の解析対象には加えなかった.また,病名について複数を選択した場合は,「主たる精神疾患名」と考えられる病名にコードした.また「その他」に記載のあったもので,分類可能なものについては各病名にコードした.無効回答と無回答を合わせて欠損値として扱った.
1)基本属性および本人の生活・治療の状況についての記述統計
 基本属性などについて,割合をまとめた.
2)医師を選択する基準
 回答者立場(本人・家族の2群)ごとに,10項目の評価(「1:気にならない」から「4:大いに参考にする」の4件法)について,割合を算出した.さらに,本人・家族の2群の回答の比較を行うために,Mann−WhitneyのU検定を行い(有意水準P<0.001),効果量rを算出した9).効果量rの大きさの目安は,絶対値0.1以上で小程度,0.3以上で中程度,0.5以上で大程度の差であるとみなした9)
3)現在の担当医に対する評価
 回答者立場(本人・家族の2群)ごとに,診察態度/コミュニケーション能力(「1:ほとんどない」から「4:とてもある」の4件法)について,割合を算出した.3―2)と同様に,本人・家族の2群の比較検定(有意水準P<0.001)および効果量rを算出した.好ましくない態度を評価する質問項目については,本人回答の「ほとんどない」と「あまりない」の合計の割合,好ましい態度を評価する質問項目については,本人回答の「とてもある」と「少しある」の合計の割合によって評価をした(25%未満:4,25%以上50%未満:3,50%以上75%未満:2,75%以上:1と判定した).
4)主治医が診療で中心においているもの
(1)主治医が何を中心に診療をしているか
 回答者立場(本人・家族の2群)ごとに,現在の担当医は,何を中心に診察をしていると感じるか(1.患者さん本人の価値観を中心,2.家族の価値観を中心,3.医師の知識や医学の常識を中心,4.病院の都合を中心,5.わからない,6.その他.複数回答可能)について,割合などを算出した.
(2)「主治医が患者本人の価値観を中心に診療している」と評価した人について,どのような回答傾向にあるか
 「主治医が患者本人の価値観を中心に診療している」と評価した人について,どのような回答傾向にあるかを調べるために,割合を算出した.本人回答・家族回答のそれぞれにおいて,「患者本人の価値観を中心」の選択肢を選択した人(それ以外の選択肢も合わせて複数に回答した人を含む)と「患者本人の価値観を中心」の選択肢を選択しなかった人に分け,診察態度/コミュニケーション能力(「1:ほとんどない」から「4:とてもある」の4件法)について,割合を算出した.さらに,その2群の回答の比較のため,3―2)と同様に,2群の比較検定(有意水準P<0.001)と効果量rを算出した.
5)診察における家族のかかわり
 本人回答・家族回答のそれぞれにおいて,「診察に家族が同席しているか」「面談を断られた経験があるか」について,割合を示し,本人と家族の差についてχ2検定(有意水準P<0.001)を行った.
6)家族のニーズ
(1)家族が希望する診察時の工夫
 家族回答について,「診察で医師に工夫してほしいこと」に関する割合を算出した.
(2)家族対応に対する評価
 家族回答について,家族対応に対する評価(「1:ほとんどない」から「4:とてもある」の4件法)に関する割合などを算出した.

II.解析結果
 調査期間中に患者・家族あわせて合計6,341人から質問紙調査の回答が得られた.

1.回答者の基本属性
 回答者の属性など(問1~3,5~9)を表1に示した.前述した解析除外回答を除き,回答者の立場において,患者本人(n=2,683),家族(n=3,519)の合計6,202人を以降の解析対象とした.年代については,本人は,40代(32.9%)が多く,家族は70代(38.6%)が多かった.性別については,本人は男性52.0%,家族は男性24.4%であった.
 生活状況としては,多くが家族と同居していた(73.4%).治療状況としては,4人以上の担当医にかかったことのある人が約5割に及んだ(48.8%).担当医変更の理由は,医師の転勤など医師側の理由が最も多かった(45.2%).通院・入院先としては,多くが精神科病院(50.2%)やクリニック(31.7%)であった.病名は,統合失調症(71.6%)が最も多かった.

2.医師を選択する基準
 医師を選択する基準(問10A)では,本人回答で「大いに参考にする」の割合が最も高いのは,「適切な薬を処方する能力」(65.4%)で,人柄(65.0%),コミュニケーション能力(57.8%),行動力(57.2%),知識(43.5%)が続いた.家族回答においても「適切な薬を処方する能力」が最も多く,ほぼ同様の傾向がみられた(表2).

3.現在の担当医に対する評価
 現在の担当医に対する評価を表3にまとめた.
 好ましい態度を評価する質問項目(問11B)においては,「作業所やデイケアなど医療以外のことも教えてくれる」「必要なら,他の専門病院を紹介してくれる」が評価3であった.
 コミュニケーション能力の好ましい態度を評価する質問項目(問12B)では,本人回答において「『ともにがんばりましょう』などと声をかけてくれる」「説明の後で,わかったかどうか確認してくれる」が評価3であった.

4.「主治医が患者本人の価値観を中心に診療している」と評価した人について,どのような回答傾向にあるか
 「現在の担当医は,何を中心に診察をしていると感じますか」という問い(問13)には,本人,家族ともに,過半数の人が「患者本人の価値観を中心」と回答していた(それぞれ61.0%,51.7%)(表4).
 「患者本人の価値観を中心」回答群と非回答群(本人回答)の比較では,診察態度・コミュニケーション能力で効果量が中程度(0.3)であった.なかでも,問11Bで,「一人の人間として,私を尊重してくれる」(効果量=0.38),問12Bで,「話をよく聞いてくれる」(効果量=0.37),「尊敬や信頼ができる」(効果量=0.35)で,効果量が比較的高かった.

5.診察における家族のかかわり
 診察における家族のかかわり(問15・16)については,診察は基本的に患者本人一人(59.8%)と回答する人が多く,家族だけの面談(相談)は断られた経験は「ない」と回答する人がやや多かった.(本人・家族,それぞれ51.5%,66.6%)(表5).

6.家族のニーズ
 家族として医師に工夫してほしいこと(家族回答のみ解析)(問17)では,「短い診察のなかでだけではできないことは,看護師やカウンセラーにも相談できるようにする」(50.6%),「本人の生活全体(家族関係や趣味など)に関心をもってもらいたい」(42.1%),「相談できる機関のネットワークを増やし,医師も地域の情報を収集して家族に教えてほしい」(41.6%)が多く選ばれた(表6a).
 家族対応に関する評価(家族回答)について,好ましくない態度を評価する質問項目(問18A選択肢5~9)においては,「本人とは別に家族だけで面談してもらえず,本人の家での状態を正確に伝えられない」が評価3(表6b)であった.
 好ましい態度を評価する質問項目(問18A選択肢1~4)においては,「『家族もうつにならないように』と気遣ってくれる」が評価3,「本人を入院させたとき『元気になって帰ってくるからね』と家族にも声をかけてくれる」が評価4であった.

表1画像拡大表2画像拡大表3画像拡大表4画像拡大表5画像拡大表6画像拡大

III.考察
1.本調査結果で得られた知見
 本調査結果を総括すると,薬の説明や治療の選択肢の情報提供,専門病院への紹介,生活全体についての具体的なアドバイス,医療以外についての情報収集や提供については厳しい評価が多かったが,人間対人間の関係において最も重要である尊敬や信頼については望ましい評価が多かったこと,担当医が患者本人の価値観を中心に診療していると評価する人が多かったことは大きな意味をもつと思われる.

2.個々の項目についての検討
1)医師を選択する基準について
 医師を選択する基準として,患者本人・家族ともに精神科薬物療法の能力が1位であった.症状軽減に効果のある薬物を選択できるかどうかだけではなく,副作用に注意をはらう,本人の意思を尊重した薬物療法を行うという考え方も期待されていると思われる.
 また,患者本人・家族ともに「人柄」「コミュニケーション能力」「行動力」が50%を超える回答である一方で,「知識」は患者本人,家族ともに40%台という結果であった.「適切な薬を処方する」ための的確な医学知識だけではなく,処方の根拠や副作用についての説明を患者本人・家族にわかりやすく伝える言語能力,緊急時にすぐに行動する実行力がより期待されていると考えられる.医学生や研修医の教育において,知識だけではなく患者・家族側が期待する会話能力や実践能力についての内容を盛り込む必要性があると思われる.
2)現在の担当医についての評価
(1)診察態度について
 以下に「評価1:大変満足である,評価2:どちらともいえない,評価3:不満である,評価4:大変不満である」と解釈を加えて記載する.
 患者・家族にとって好ましくない態度を評価する質問項目では,本人回答で「早く診察を切り上げようとする雰囲気がある」「待ち時間が長すぎて疲れる」「病名や薬について,十分な説明がない」「回復の見通しについて納得できる説明がない」「副作用も含めて,身体的なケアをしてくれない」「緊急時などへの具体的な対応策を教えてくれない」「事務的な感じがする」が評価2(どちらともいえない)であり,医師には気づきや振り返りを通して診療をよくすることが求められる.限られた時間のなかで,「早く診察を切り上げようとする雰囲気」や「事務的に聞こえる」ような態度や言い方になっている場合もあるかもしれない.身体的なケアについての要望は,精神疾患の患者が入院も含めた身体疾患の治療を受けられる医療機関が少ないという現状もある.真摯に受け止め,診察に反映すべきと思われる.
 「回復についての見通し」の説明については,精神疾患の経過は多様で一様に見通しを立てられないなどの疾患の特徴について今一度丁寧に説明し,理解していただく努力が必要と思われる.
 「待ち時間が長すぎて疲れる」「早く診察を切り上げようとする雰囲気がある」がともに評価2(どちらともいえない)だったことから,「診察まで疲れるほど待ちやっと診察室に入っても,早く切り上げようとする雰囲気を感じながら診察を受ける」という実感が想定できる.診察態度のなかで本人と家族の回答差が最も大きかったのは,「症状を言うたびに薬を増やされる」であり,家族のほうがそうした印象をより強く感じていた.処方について家族への説明という視点が必要であることを示唆している.
 好ましい態度を評価する質問項目では,「障害年金取得のため,丁寧な診断書を書いてくれる」「症状のコントロールだけではなく,生活全体についてアドバイスしてくれる」などが評価2(どちらともいえない)で,改善が求められる.「作業所やデイケアなど医療以外のことも教えてくれる」「必要なら,他の専門病院を紹介してくれる」が評価3(不満である)であり,改善が「より強く」求められる.薬や疾患の説明だけではなく他の治療の選択肢の情報提供,専門病院への紹介,生活全体についての具体的なアドバイスや,作業所など医療以外についての情報収集・提供が今後の改善課題であると考えられる.
 一方で「清潔な身だしなみである」「きちんと顔を見て,目を見て話をしてくれる」「専門家として自信をもっている」「親しみやすい雰囲気をもっている」「頼りがいがある」は,本人回答で満足といえる回答が80%を超えていた.
 医師として最低限の基本的な人間性や態度の項目が高評価だったことから,患者・家族は現在の担当医を一定程度は評価しているといえる.
(2)コミュニケーション能力についての評価
 好ましくない態度を評価する質問項目では,本人回答では「説明が難しく『わからない』と言いにくいので,後で本やネットで調べた」「何を聞いても,はっきりした答えがない」「何を質問してよいか,わからない」などが評価2(どちらともいえない)であり,改善が求められる.医学知識をわかりやすく説明すること,患者や家族が質問をしやすいような説明の仕方が求められており,医学教育に盛り込むべき内容と思われた.
 一方で「急変時の対応策を教えてくれない」「適当に扱われ,親身に対応してくれない」が評価1(大変満足である)だったことは,十分にわかりやすい説明ではないにしても緊急時の対応策は伝えようとしていること,適当に扱っているのではないことが評価されており,励みになる結果と思われる.
 好ましい態度を評価する質問項目においては,本人回答において「自分の心配をくだらないことだと思わないでいてくれる」「いろいろなアドバイスをしてくれる」「こちらの些細な変化にも気づいてくれる」などが評価2(どちらともいえない)であり,改善が求められる.「『ともにがんばりましょう』などと声をかけてくれる」「説明の後で,わかったかどうか確認してくれる」は評価3(不満である)で,改善が「より強く」求められる.患者の小さな変化に気を配る,いろいろなアドバイスをする,説明後にわかったかどうか確認することなどはすぐにでも改善可能なことなので,明日からの診療に反映したい.
 一方で,「尊敬や信頼ができる」「話をよく聞いてくれる」「質問によく答えてくれる」という項目で「とてもある」「少しある」の回答合計は本人回答で80%を超えており,これはわれわれの予想を超える高評価であった.時間や人手が制限されたなかで,「話を聞こう」と努力している担当医の姿勢は患者に伝わっていると考えられる.
 診察態度やコミュニケーション能力についての各評価項目において,どちらにおいても本人より家族のほうがやや「不満足」という評価をする傾向(効果量の絶対値0.1程度)がみられたが,この差には回答者の年齢差の影響が考えられる.家族の立場は「親の立場」が圧倒的に多く60~70代が中心であるが,患者は30~40代が多かった.また,実際に医師と会い話している患者と,あまり医師と話す機会がなく患者の回復を間接的にしか感じとれない立場にある家族との満足度の違いもあると考えられる.そこには,診察で家族のためにあまり時間を割けていない実態も関係している可能性がある.
3)「担当医が患者本人の価値観を中心に診療している」という評価が多かった点について
 患者・家族ともに過半数が「患者本人の価値観を中心」と回答したことは重要である.特に患者の方がそのように回答する比率が高かったこと(本人61.0%,家族51.7%)は,医師の側にとっても励まされる結果であり,また家族にとっても患者本人がそのように感じていると知ることは安心できる結果となると思われる.患者本人のペースで回復するのを待つ,そのような気づきを家族に促す結果であるとも考えられる.
 「患者本人の価値観を中心」回答群と非回答群(本人回答)の比較では,「一人の人間として,私を尊重してくれる」「話をよく聞いてくれる」「尊敬や信頼ができる」(効果量=0.35)で,効果量が比較的高かった.
 「話をよく聞いてほしい」という要望は,患者・家族からこれまで何度となく繰り返し出されてきたが,本調査結果はそうした態度・コミュニケーションが「患者本人の価値観を中心に診察している」と患者に受け止められることにつながることを示していると思われ貴重である.
4)担当医への尊敬や信頼が高評価であった背景について
 第1に,この間の精神医学の進歩の影響が可能性として考えられる.
 薬物療法,脳画像診断,心理社会的治療などの進歩が医学会では次々と報告されている.しかし,実際の診療においては地域や医療機関・施設による差が大きく,本調査の回答にどの程度反映しているか不明であると言わざるを得ない.
 第2に,「現在の主治医」についての評価であったことが影響している可能性である.「これまでの主治医は何人ですか」という問6の回答では4人以上が5割以上を占め,最多は18人だった.通院先(大学病院や総合病院,個人の病院や診療所)の違いによる検討が必要だが,苦心の末,満足できる主治医にたどり着く経験をした人が多くいることが推定され,そうした人たちの現在の体験についての回答が中心になった影響があるかもしれない.
 第3に,質問内容の違いである.先行調査3)5)8)20)23)24)28)における質問は「当事者や家族の生活状況」が中心で,担当医の診療については薬や治療法の説明に限定した質問内容であり,それらについては「評価する」との回答は半数以下がほとんどであった.本調査は,当事者・家族による「精神科担当医の診療態度・コミュニケーション能力」への「治療を受ける立場からの主観的評価」を明らかにすることを目的としたため,薬や治療法の説明だけではなく一対一の人としてのかかわりも含めた質問内容だったことが特徴である.そうした客観的な指標には現れにくい要素を問うたことが高い評価につながった可能性も考えられる.限られた診察時間のなかで,薬や治療法の説明などが不十分となる傾向があるが,コミュニケーションの努力で,ある程度の信頼性を患者・家族から精神科医は勝ち得ている可能性がある.これはこれまでの調査では見出し得なかった大切なポイントであろう.
 第4に,今回の調査回答者は地理的に広い範囲にわたっていたため,特定の地域に偏らない傾向を抽出できた可能性がある.同じ質問内容でも,1つの県単位で家族会が実施した調査4)16)19)26)では,「医師を信頼できない」という回答が家族で3割を超える地域もある一方で,医師への評価も期待度も高い地域もあった.
 第5に,患者の病状の影響があると考えられる.患者は,回答の時点では外来通院の患者が多く,入院している方に比べ状態はよいと思われる.過去の家族会が行った調査は家族だけを回答者とする調査が多く,比較的重度の患者を抱える家族が回答する場合も多くなり,担当医に満足していない状況も反映されたと考える.
5)家族のニーズについて
 家族が希望する診察時の工夫(家族回答)については,「短い診察のなかだけではできないことは,看護師やカウンセラーにも相談できるようにする」「本人の生活全体(家族関係や趣味など)に関心をもってもらいたい」「相談できる機関のネットワークを増やし,医師も地域の情報を収集して家族に教えてほしい」が多く選ばれた一方で,「前もって,普段の状態を手紙やFAXなどで主治医に送り,診察前に読んでおいてもらいたい」は26.3%と高くはなかった.手紙やメモも役立つが,基本的には「せっかく病院に来たので,医療専門職に直接聞いてもらいたい」という気持ちが家族には大きいと受け止められる.コメディカルの方の,今後の活躍の場を工夫する必要があると思われる.
 家族対応に関する評価(家族回答)では,好ましくない態度を評価する質問項目では「本人の前で,家族の問題だと非難される」「家族としてどう対応すべきかの具体的な話が聞けない」「記録に熱心なあまり,患者の顔さえよく見ていないので横で見ていて不安」が評価2(どちらともいえない)で,改善が求められる.
 また,好ましい態度を評価する質問項目では「病気について,家族にも説明してくれる」「家族の不安や苦しみをわかってくれる」が評価2(どちらともいえない)であり,改善が求められる.
 治療メンバーとして大きな役割を担う家族の存在を尊重すること,家族の疲労や不安への理解が求められている.
 家族面談の実態については,59.8%の人が診察は基本的に患者本人一人と回答しており,家族の多くは診察時に患者に同席していないことがわかる.医師の側が家族の同席を拒否するというより,患者本人が家族同席ではなく一人での診察を望んでいる状況もあると考えられる.
 家族は診察での患者と医師のやりとりを把握できにくく,患者が診察の内容を家族に詳細に報告しない場合もあるため家族の不安が大きく,このような結果となったと考えられる.また,患者の急変時に家族が同席を望んでも,患者本人が拒否することもある.家庭内暴力などさまざまな問題に対処するためにも家族の切実なニーズを知り,できる限りの工夫と柔軟性が求められる.

3.先行調査との比較
 わが国ではこのような調査自体が少ないため本調査と同じ内容での比較はできないが,類似の調査と比較してみたい.
 担当医についての質問では,COMHBOが会員に限定して実施したインターネットアンケート調査1)2)がある.「現在の担当医は信頼できるか」という設問では「担当医を信頼できる」という回答が67.4%,「今まで,質問に対してどんな対応をする精神科医にかかったことがあるか」という設問では「冷静に解説してくれる医師」が84%であった.COMHBOが実施した調査は,実施年代も回答者も同一ではなく,回答者数は200人前後のため本調査とは厳密な比較はできない.COMHBO以外で本調査項目と類似した内容では,家族会が実施した待ち時間についての質問がある.「待ち時間の長さ」が「今後,精神科を受診したいと思えない」理由として28.8%28),20.8%4)16)と報告され,待ち時間の影響は大きいと思われるが,本調査で「患者本人の価値観を中心」回答群と非回答群との比較では,「待ち時間の長さ」は効果量は0.1と回答のなかで最も低かった.「待ち時間」は短いほうが患者・家族の負担は少ないが,本調査結果からは,価値観を尊重されていると感じられる関係性のなかでは,待ち時間も大きな障害にはならない可能性がある.

IV.調査結果をもとにした,わが国の精神医療への提言
 人手・時間・質の高い医療の確保への制度的な保証が乏しいなかで,医師は本調査の結果に示されたような,専門性と人間性の双方を兼ね備えた精神科医像を患者・家族に求められる.
 そうした状況に対しての1つの手がかりが,本調査の自由記述回答のなかにある.「医師に言われて嬉しかった言葉は何ですか?」への回答には,「自分の子どもだと思って,治療するからね」「この状況を,よく乗り越えましたね!」「あなたは心を開いて話をしてくれる,いい患者さんです」「一緒に頑張れるよう,よくなるイメージをともにもちましょう」が挙げられており,「この言葉は一生忘れません」というコメントが添えられていたこともあった.「7年の間に5人も先生が変わり,皆若い先生だったがどの先生もゆっくり話を聞いてくれ,患者を下に見ることもなかった」などの記述が,患者・家族と同じ目線で診療する姿が経験年数の不足を補えることを示している.「時間のないなかで,医師も一生懸命やっていて大変なことはよくわかる.体に気をつけてください」と,医師の体調を気遣う記述も多くあった.
 反面教師としての「医師に直してほしい態度」には,「失礼な言い方ですが,治せないのに治せるふりをしている」「あなたは,一生治りません.将来をあきらめてくださいと言われた」「精神科医が一番この病気に偏見をもっている」などが挙げられた.医師が何気なく慣習的に使っている言い回しや態度がどれだけ患者・家族に悲観的な考え方をさせているかが伝わってくる.
 病を得て苦しむ患者・家族にとって,同じ人間として葛藤を抱える医師に側にいてほしいのではないだろうか.アンケート回答のなかにあった「患者も医師も,同じ人間です」という記述がそれを表している.

V.本調査研究の限界点と意義
 本調査の限界として3点を挙げることができる.
 第1に,調査の母集団を特定できないことである.質問紙の配布に,組織としてはCOMHBOとみんなねっとの協力を得たが,そこからの二次的な配布とともにそれ以外のさまざまな経路を経た配布があったと考えられる.そのため,本調査の質問紙が配布された対象を特定できず,調査の母集団を特定できないという限界がある.
 第2に,調査の代表性が判断できないことである.上記したように母集団が特定できないことから,回収できた質問紙が母集団をどのように代表しているかを推測する手立てがない.回答に積極的な対象者が応じたということ以外に,調査の代表性が判断できないことが,第1の限界と合わせた限界となる.
 第3に,調査結果に,回答者の実態だけでなく,それを踏まえた要望が反映されていると推測されることである.本調査を「精神科医・患者・家族の3つの立場」である筆頭著者が実施したこと,調査の説明文に「アンケートの結果を学会などを通して精神科医に伝えることで,診療がよくなることを願います.診察室では言えない皆さんの本音を,ぜひこのアンケートに記入していただきますようお願いいたします」と記述したことにより,回答者は実態を回答するだけでなく,実態を踏まえた要望を回答に交えたことが推測される.
 これらの限界を考慮すると,本調査の結果は精神医療の実態を客観的に表したものというより,精神医療の実態を患者や家族が主観的にどのように感じているか,それに基づいてどのような要望を抱いているかを,6,000人以上というこれまでにない規模で明らかにしたものと位置づけることができる.
 本調査のそうした特徴は,科学性に欠けるという指摘がありうる.しかし,実際の診療現場は患者や家族の主観的な感じ方や心への働きかけを通して成立していることや,そうした主観的な感じ方に基づく要望こそが患者満足度を高める改革の方向性を示すことを考慮すると,本調査結果は精神医療の「患者や家族にとっての実態」を大規模な回答に基づいて捉えたものと理解することが可能である.本調査の意義は,ここにある.

おわりに
 どんな研究も患者・家族の希望や願いを知り,彼らの「自発的な」「心からの」理解と協力なしには発展しないと考える.彼らの主観を研究や診療に活かす姿勢こそが,精神医療の発展へとつながるのではないか.調査結果を論文にして終わりではなく,「希望と協力」という関係性を患者・家族・医師関係のなかに真に築くことこそが,期待に応えることになるのであろう.

 なお,本論文に関連して,開示すべき利益相反はない.

 謝 辞 アンケートの回答に協力していただいたすべての方々へ,心から御礼を申し上げる.また解析にご助言をいただいた,奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構 荒牧英治先生,公益財団法人東京都医学総合研究所 安藤俊太郎先生,考察で多くの示唆をいただいた公益財団法人東京都医学総合研究所 糸川昌成先生に深く感謝する.

文献

1) 地域精神保健福祉機構COMHBO: 特集5 アンケートで聞いてみました「お医者さんで苦労してます」. こころの元気+, 73; 18-19, 2013

2) 地域精神保健福祉機構COMHBO: 特集4 お医者さんへの質問アンケート「担当医に質問をしてみたい」. こころの元気+, 123; 12-15, 2017

3) 初瀬記史: 精神障害者の生活状況や医療ニーズについての報告―大規模な地域家族会参加者への自記式アンケート調査から. 日社精医誌, 25 (1); 8-18, 2016

4) 堀江紀一, 粕谷嘉子, 小笠原勝二ほか: 家族ニーズ調査から見える精神保健と医療の現状―私たちの力で地域包括サービスを実現しよう―. 臨床精神医学, 40 (1); 15-25, 2011

5) 池淵 恵美監修: 精神障がい者の生活と治療に関するアンケート―より良い生活と治療への提言―. 全国精神保健福祉連合会, 2011 (https://seishinhoken.jp/researches/37f13805d877c6b665cf267dd811c260e2edb962 (参照2018-08-20)

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7) 宮城惠子, 伊佐雅子: 患者の視点からみた医療不信とコミュニケーション. Kyushu Communication Studies, 10; 14-36, 2012

8) 宮本聖也, 諸川由実代: 日本における統合失調症療法の現状―多剤・大量療法からの脱却に向けて―. 臨床精神薬理, 9; 2177-2187, 2006

9) 水本 篤, 竹内 理: 研究論文における効果量の報告のために―基礎的概念と注意点―. 英語教育研究, 31; 57-66, 2008

10) 夏苅郁子: 「人が回復する」ということについて―著者と中村ユキさんのレジリエンスの獲得を通しての検討―. 精神経誌, 113 (9); 845-852, 2011

11) 夏苅郁子: 心病む母が遺してくれたもの―精神科医の回復への道のり―. 日本評論社, 東京, 2012

12) 夏苅郁子: もうひとつの「心病む母が遺してくれたもの」―家族の再生の物語―. 日本評論社, 東京, 2014

13) 夏苅郁子: 家族として, 当事者として, そして精神科医として―日本精神神経学会の皆様へお伝えしたいこと―. 精神経誌, 117 (3); 228-233, 2015

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15) 夏苅 郁子: 精神科医の診察能力, 態度, コミュニケーション能力についてのアンケート (http://natsukari.jp/) (参照2018-07-23)

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18) 西垣悦代: よりよきパートナーシップ確立のために患者の視点から見た医療者との関係と信頼. 現代のエスプリ, 458; 149-159, 2005

19) NPO法人じんかれん: 精神障碍者の家族が経験した医療に関する実態調査報告書. 2013

20) 岡上和雄, 丹野きみ子: 当事者本人からみた社会復帰過程における薬物の効果―本人調査の結果をふまえて―. 臨床精神薬理, 4; 369-376, 2001

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Medline

22) 鶴田真也: 最近の精神保健医療福祉施策の動向について, 平成27年度全国保健所長会研修会報告. 2016

23) 宇田川 至, 宮本聖也, 諸川由実代ほか: 抗精神病薬の多剤併用と当事者の自覚症状―統合失調症通院患者のQOLおよび薬物療法に関するアンケート調査から―. 臨床精神薬理, 11; 1899-1907, 2008

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25) 吉住 昭: 精神医療に係る患者の利用実態や機能等の評価及びその結果の公表に関する研究. 平成19年度厚生労働科学研究補助金 (こころの健康科学研究事業), 総括・分担研究報告書. p.1-12, 2008

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27) 渡邊衡一郎, 菊地俊暁: 抗うつ薬服用者を対象としたウェブ調査2008の結果に見る患者の気持ち. 臨床精神薬理, 11 (12); 2295-2304, 2008

28) 全国精神保健福祉会連合会: 平成21年度家族支援に関する調査研究プロジェクト検討委員会: 平成21年度厚生労働省障害者保健福祉推進事業 障害者自立支援調査研究プロジェクト「精神障害者の自立した地域生活を推進し家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等のあり方に関する調査研究」報告書. 2010

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