Advertisement第118回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第12号

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総説
DSM-5を用いた食行動障害および摂食障害群の診断について―診断を行うときの注意点―
中井 義勝1), 任 和子2)
1)京都健康科学研究所
2)京都大学大学院医学研究科人間健康学専攻
精神神経学雑誌 118: 867-879, 2016
受理日:2016年7月30日

 精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)を用いて,食行動障害および摂食障害群(FED)の診断を行うときの注意点について,DSM-5で新たに加わった回避・制限性食物摂取症と過食性障害に焦点をあてて記述した.欧米における先行研究と著者の自験例を用いた研究を比較すると,日本固有の注意点があった.日本では,「肥満恐怖」や「体重および体型に関する自己認知の障害」の明らかでない神経性やせ症に関連した障害が存在するため,これらの障害と回避・制限性食物摂取症および神経性やせ症との鑑別が必要である.また,日本は欧米に比し,過食性障害の体格指数が高くないため,過食性障害と排出行動を有しない神経性過食症との鑑別が容易でない.最近,食行動異常のため著者を初めて受診した患者を対象に,DSM-IV診断基準とDSM-5診断基準を用いてFEDの診断を行うと,DSM-IV診断基準で,FED全体の37%を占めた特定不能の摂食障害は,DSM-5診断基準では,他の特定される食行動障害または摂食障害と特定不能の食行動障害または摂食障害をあわせても7%と著しく減少した.以上の結果は,DSM-5はFEDの診断に有用であることを示唆するが,その使用にあたっては,いくつかの注意する事項がある.

索引用語:摂食障害, 診断基準, DSM-IV, DSM-5>
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