精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

5因子性格モデルの生物学的背景を調べた。健常成人20名の性格特性をNEO-FFIにより評価し,ストループテストと語流暢性課題中の前頭前野の血流変化を2チャンネルNIRS(近赤外線分光法)を用いて測定した.2つの課題間では血流変化量が異なり、ストループテストの不一致条件下での右前頭前野の血流変化量と,調和性得点との間に有意な正相関を認めた.
特集 | 70-97頁
粟田 主一, 大澤 誠, 前田 潔, 柴田 展人, 他
本特集では,「オレンジプラン,中間年の検証,地域連携」というテーマのもと,「認知症施策推進5 か年計画の新たな展開に向けて」,「認知症の人の医療における精神科クリニックの役割」,「認知症初期集中支援チームの課題―神戸市における経験―」,「東京都における認知症疾患医療センターの活動と早期発見・早期診断推進事業(アウトリーチ活動)の現状と課題」について論じる.
国内で承認の動きがあるうつ病のrTMS治療は2008年に米国で初めて認可され,現在,複数の国で4機器が認められている.RCTのメタ解析や実臨床では良好な成績が示され,頻度の高い有害事象は軽微なもので忍容性は高いが,ごくまれにけいれんを生じる.慢性に経過している中等度以上の薬物治療抵抗性や薬物に不耐性のうつ病が最も適応となると考えられる.

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