Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第9号

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教育講演
第110回日本精神神経学会学術総会
日本精神神経学会のCOI指針―利益相反の現状と最近の精神科医療で気になること―
宮岡 等1), 栗原 千絵子2)
1)北里大学医学部精神科
2)放射線医学総合研究所分子イメージング研究センター
精神神経学雑誌 117: 796-801, 2015

 日本精神神経学会では,2011年「臨床研究の利益相反(COI)に関する指針」とその細則を作成した.同指針に基づく利益相反(COI)委員会では,1年間の試行期間を経て,現在本格実施として指針を運用している.学術総会,学会誌での発表では,指針に従ったCOI開示を求め,役員・委員等は理事長にCOIを申告,その内容を委員会で確認している.本年の申告では,対象者455名のうち,COIなしと申告した者297名(68.5%),ありと申告した者(下記の問題検討事例2名を除く)98名(23.1%),問題かどうかが検討された者2名(0.44%),申告遅れ検討未了11名(2.4%),未回収25名(5.5%)であった.他の疾患領域では,COIと関連する深刻な事例が発生し,COIの概念の社会的認知度は格段に高まった.また,日本製薬工業協会による「透明性ガイドライン」による企業から個人への原稿料・講演料などの支払いの開示が本格化し,メディアによる報道も広がっている.本学会においては,COI概念の理解をさらに深め,マネジメントのあり方をさらに検討していく必要がある.

索引用語:利益相反, 臨床研究, 臨床試験, 研究倫理, 科学的不正>
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