Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第5号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
症例報告
Chewing and SpittingにSSRIsが奏効した神経性無食欲症の1例
井上 宏治1), 松原 敏郎2), 松尾 幸治2), 渡邉 義文2)
1)三隅病院精神科
2)山口大学医学部附属病院精神科神経科
精神神経学雑誌 117: 327-332, 2015
受理日:2014年12月22日

 Chewing and spitting(CHSP)とは,食べ物を口に入れて咀嚼後,嚥下せず吹き出すという行動であり,摂食障害患者の一部に認められるが,薬物療法の報告はわれわれが調べた限りでは今までにない.今回,CHSPの出現により極端に体重が減少し入院となり,SSRIs投与によりCHSPがほぼ消失した結果,体重が増加し退院に至った神経性無食欲症の1例を経験した.CHSPは摂食障害の重症度と関連があると報告されており,その早期治療が摂食障害の重症化を防ぐうえで重要と考えられたため,臨床経過を示すとともに文献的考察を交え報告する.

索引用語:神経性無食欲症, チューイング, 強迫性障害, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology